Blackmagic Design Special Interview

KYOTOGRAPHIE京都国際写真祭でフランス人パブリックアーティストJRの新作「京都クロニクル」が生まれる過程を鮮やかにドキュメントし、世界にその美学を知らしめた映像作家Shuma Jan氏。
監督から撮影、編集、カラーなどすべてを一手に担った彼がJRとのコラボレーションで何を感じたのか、話を聞いた。

Shuma JRの「京都クロニクル」プロジェクトは、メキシコの壁画家ディエゴ・リベラにインスパイアされたJRが世界中で発表している7作目です。彼は人にとても興味があるアーティストで、参加者のポートレイト撮影、さらにそれをコラージュし、様々な方法で“記録する”ことで一人ひとりの多彩なストーリーを作品に埋め込んでいきます。その模様を映像に残したいとKYOTOGRAPHIEのチームに打診がありました。

Shuma JRは僕の過去の作品を見てくれていたのでスタイルを尊重してくれていましたが、一つだけ撮影前に言われたのは「自分ではなく街の人を主役にしてほしい」ということでした。それが「京都クロニクル」のコンセプトでもありましたから。

Shuma 僕はいつも撮影から編集、カラーグレーディングまで一貫してBlackmagicを使っています。ドキュメンタリーということで絶えず状況が変わっていく中で普通に撮っていても雰囲気が出にくいのですが、劇的なライティングにしてしまうとJRの作品自体に影響が出てしまいます。でもBlackmagic Cinema Camera 6Kで撮った映像は日常や普通の瞬間が非日常に映るんです。他のカメラでは記録映像になりそうな景色も、このカメラだと映画的な映像にできるところが大きな魅力ですね。

Shuma NiSiの単焦点シネマレンズシリーズATHENA PRIME LENSを使いました。場所や時間も限られている中での撮影だったので、単焦点では大変なこともありましたが、そのぶん画はきれいですね。

Shuma JRの作品がモノクロなので、あまり強い色を使わず、全体的に彩度を落としました。これはいつもの自分のスタイルですが、今回は特に意識しています。街中の道路標識やネオンサインなど、派手な色や蛍光色が入ると世界観が壊れていくので、できるだけ目立たないように落として青みがかった彩度の低い世界観に落としこみました。大事なのは特殊な色作りではなく細かい調整の積み重ね だと思っています。

Shuma これは僕にとって大きなチャンスでした。20歳の頃、カナダに住んで映像を始めたばかりの僕は、ポートフォリオもなく誰からも相手にされませんでした。この機会を糧に世界に挑戦していきたいと思います。

※この記事はコマーシャル・フォト2025年10月号から転載しています。

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