Blackmagic URSA Cine 12K LF
Blackmagic URSA Cine 17K 65
撮影:板垣大人(ZOU)

計算された白い光の中で向かい合うマネキンと横山剣。
クレイジーケンバンド25枚目のアルバム『華麗』に収められた「LOVE」のMVには、ハッピーでナンセンスでイイネな大人の色気が秘められている。
シネマトグラファーの板垣大人氏に話を聞いた。
クレイジーケンバンド「LOVE」

ダイナミックレンジで柔らかさも硬さも自在
——現場はどのように進みましたか。
板垣 まず1テイク撮影してみて、カメラのアプローチを決めました。横山剣さんは現場では寡黙な方なのですが、撮影中は積極的にアドリブを入れてくれました。特に帽子を取って激しく動くシーンは一番印象に残りました。
——監督とは作品作りについてどのように決めていきましたか?
板垣 監督がこの曲を聴いた時に「LOVEには色んな形があって愛は爆発だ」と感じたらしいです。また送られてきた歌詞のフォントがゴシック調で、そこからマネキンが思い浮かんだそうです。愛に色んな表情があるように、マネキンにも色んな表情があって、見る人やタイミングによって何色にもなれるんだ、と言っていました。
——Blackmagic URSA Cineを選んだ理由は?
板垣 Blackmagicの特徴はこってりと色が乗ってコントラストがあるところだと思っています。私自身このトーンが好きなのと、横山さんの色気ある仕草を表現する上でとても合うなと思いました。Blackmagicの設立当初にも感じた革新的な魅力がしっかり詰まっているように思います。ローリングシャッターのスキャンが速く、ダイナミックレンジが豊富で、フルフレームという利点もあり、かつハイスピード撮影もできる。必要とされる技術要件を高いレベルで満たしたカメラですね。
——横山剣さんが座った位置を捉えたカメラが多かったように感じました。
板垣 足の動きや上半身の所作、帽子を取るなど、コミカルなアドリブが多い方だったので、寄りすぎずに自由な動きの面白さを視聴者に見つけてもらえるように意識しました。あぐらをかいたり足でリズムをとったり、歌っている表情を同居させるアングルがあのサイズ感でした。
——計算された光が印象的でした。
板垣 フックになる部分なので照明にも気を使いました。横山さんを中心にマネキンが囲んでいる構図で、マネキンをきれいに見せるためにグラデーションがしっかり乗るような柔らかい光でありながら、光に方向性をつけるためには硬くしなければなりません。対局する光の性質を成立させるには現場では制約が多かったのですが、Blackmagic URSA Cineのダイナミックレンジの広さの恩恵でクリアできました。そのおかげでマネキンの白色を壁に同化させず、階調を残しつつポスプロでコントラストを調整できました。
——板垣さんが一番好きなシーンは?
板垣 マネキンとチェスをやっている暗いシーン。ダイナミックレンジが活きているし、スキントーンがナチュラルできれいに出ているのは必見です。


※この記事はコマーシャル・フォト2026年1月号から転載しています。

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