Blackmagic Design Special Interview

Blackmagic Pocket Cinema Camera 6K Special Interview|

長谷和音(ディレクター)/中谷美帆(フォトグラファー/シネマトグラファー)

ちょっぴり過激なクレイアニメ「レックス・ザ・ラント」が好きだという長谷和音が生み出した「MOKETTO」は、Blackmagicの自由な演出力に支えられて生まれたほっこり温まるパペットアニメ。赤ちゃん番組「シナぷしゅ」のショーツとして、ゆるさと繊細さが共存するカラフルな世界が人気を博している。

「MOKETTO」(テレビ東京「シナぷしゅ」より)
Interview
長谷和音/ディレクター
中谷美帆/フォトグラファー・シネマトグラファー

©TV TOKYO
AD+Dir=長谷和音 P=中谷美帆 P-A=齋藤寛太 音楽・音声=金光佑実 操演=宮下彩子・庄田梨乃・林 日菜・松井しおり 人形・美術制作=宮下彩子・庄田梨乃・林 日菜・松井しおり・木藤伶菜

見やすいモニターと使い勝手のよさ

―「MOKETTO」が生まれた経緯は。

長谷 卒制作品の人形劇に登場した“いたずら3人衆”のキャラクターをシナぷしゅのプロデューサーにお見せしたところ「かわいいね!」となって企画が誕生しました。「キノコの中に住んでいる妖精たち」という設定で美術まわりも膨らませています。

――演出について教えてください。

長谷 即興感を大切にして撮影をしています。大まかな起承転結を演者の方々に説明した後は、それぞれ自分たちで考えて動きを作ってもらっています。撮影中は私がずっと「いま楽しい感じ」などと伝えながら、演技はお任せで。人形劇の雰囲気は残したかったので、人形を動かしている棒みたいなものはレタッチで消さずに残しています。

―映像を撮る上で、意識していることはありますか。

中谷 MOKETTOちゃんたちのコンパクトでミニマムな世界を伝えたいので、ちょっと望遠めできゅっとした、寄りの画角を多用しています。最初に長谷さんから「クッキーモンスターのようにカラフルで子どもたちの幼いイメージに残る世界観」という説明をいただいたので、現場で長谷さんと話しながら、鮮やかな色が表現できるように空と地面のバランスなどを作っていきました。即興感の表現として、「じわじわ寄っていくような画を作ろう」とかその場で決めていきました。

長谷 人形劇の繊細さを伝えるために、臨機応変に対応しました。人形劇なので画角は寄りの絵が多いんですが、即興で撮影しているためカメラの位置を動かさなくてはならない時もあるので、フィックスの画とは言え、常に即興感を心がけていました。

―Blackmagic Pocket Cinema Camera 6Kを選んだ理由は?

中谷 長谷さんと相談して選びました。このカメラに決めたポイントはモニターの見やすさです。セットの配置が細かいので、カメラを正視しながらモニターも確認できるので便利です。撮影の設定に煩わしさがない分、ライティングに集中できますし。レンズはコンパクトプライムレンズの50mm、85mm、135mmを使ってました。画角を決めて単焦点で自分が動くみたいに撮影しています。ズー ムのシーンはズームレンズでじわじわっと寄っていくように撮影しています。軽くて機動力のあるカメラの存在は心強いですね。

―何を感じて見てもらいたいですか。

長谷 友達の楽しい日常を垣間見れるような体験として、子どもたちに映像を提供できたら嬉しいです。

※この記事はコマーシャル・フォト2023年2月号から転載しています。