COMPANY REPORT

自ら新たな道を切り拓く 博報堂プロダクツフォトクリエイティブ事業本部 プロデューサーたちの挑戦

近年、広告業界では大きな変化が起こっている。マス広告一辺倒の時代から、ネット・SNSなどを含めたメディアミックス時代へ突入したと言われて久しいが、このコロナ禍でその変化は加速度を増している。 そんな中、広告制作現場の第一線で働く博報堂プロダクツ フォトクリエイティブ事業本部プロデューサーたちに、業務の変化や新たなチャレンジ、今求められるプロデューサー像を語ってもらった。

220630_0507.jpg今回お話を伺った博報堂プロダクツ フォトクリエイティブ事業本部 プロデューサーのお三方。            左から大樫可奈さん、須藤尚子さん、髙橋佑馬さん。撮影:渡邉成美(博報堂プロダクツ)


凄まじい速さで変化する広告業界


──現場から見た広告業界の変化を教えてください。

須藤  広告媒体がインターネットへとシフトし、テクノロジーが急速に進化したことで、企業と生活者とのコミュニケーションに変化が起きています。それによって制作クリエイターも進化、そして変化しています。広告会社や著名クリエイター等の専門職と、コンテンツ制作と発信力を持つ人気YouTuberやブロガー、インスタグラマー達が競合・協業する時代です。

さらに最近ではメタバース内での広告クリエイティブに注目が集まるなど、媒体や表現方法、技術も、凄まじい速さで変化が起きています。

その中で、博報堂プロダクツ フォトクリエイティブでは、マルチモニターを用いた新しい撮影技法「Sizzle “Monitor” Stage」や、新事業として「ENGINE PHOTO CREATIVE」を昨年九州・博多に立ち上げました。

そこでは、時間やコストを大幅に圧縮しつつ高品質撮影を実現するための「ENGINE DISPLAY SYSTEM」という新しい技術を導入しています。ビジュアルクリエイティブの先頭を走り続ける為に、様々な新しいチャレンジ、価値提供を行なっています。


──プロデューサーの仕事も変化しましたか?

須藤 一般的に、フォト・プロデューサーとはグラフィック広告の撮影を担当する仕事です。全体の撮影進行、スケジュール管理、スタッフィング、撮影に関する資料作成、予算管理など広告会社、クリエイター、制作スタッフの意見を聞きながら、良質な撮影進行、アウトプットを提供することがメインの仕事でした。

しかし、今はグラフィックのみならず、映像はもちろん、Web動画やドローン撮影などのビジュアルクリエイティブ全般に業務領域を広げています。私たちプロデューサーにも今までの枠に囚われない新しい知見やアイデア、そしてチャレンジを常に求められています。

例えば、髙橋佑馬プロデューサーも新しいチャレンジを成功させた1人です。以前からドローン撮影に精通した専門チームを立ち上げたいという強い想いがあり、3年をかけて実現にこぎつけました。

髙橋 ドローンプロジェクトは今年4月から正式に、フォトグラファー2名とプロデューサー2名のチームを立ち上げ、本格的に業務を拡大していくことになりました。



1人のプロデューサーから生まれたドローンプロジェクト


220630_0068.jpgドローンプロジェクトを立ち上げた髙橋さん。プロデューサー業に加え、ドローンプロジェクトチームリーダーでもある。

──プロジェクト立ち上げの経緯を教えてください。

髙橋  ある海外ロケで、ドローンを初めてリアルで見て衝撃を受けたのがきっかけでした。ドローン自体はもちろん知っていましたが、小さな機体なのに俯瞰撮影が気軽にできて、映像は高精細。初めてスマートフォンを触った時と同じくらい感動しました。

帰国して早速、個人的に購入し、動かしてみると驚くほど手軽に綺麗な絵が撮れました。これは業務でもぜひ導入したいと考えたんです。

社内初のドローンプロジェクトということもあり、資料制作や社内プレゼンを行ない、上司だけでなく、社内の他本部の方々に何度も相談にのってもらい、ようやく実現できました。


新たな企画の立ち上げをサポートする社内環境


──プロデューサーが機材や撮影に関するプロジェクトを立ち上げるのは珍しいですね。

髙橋 一般的なプロデューサーのイメージとは離れていますよね(笑)。僕らのメインの仕事は撮影現場を作り、支える役割です。つまり裏方。一方でこのプロジェクトは、機材や撮影に関わる撮影実施部隊。一見すると、真逆の仕事です。

ですが、プロダクツはフォトグラファーや映像クリエイティブ事業本部など、他本部との横のつながりが深く、提案や相談をしやすい環境があります。

周りからの協力もあり、ここまで発展させて動き出すことができました。正直なところ、ここまで大きな形にできるとは僕自身考えていませんでしたから。


「チームで1つのものを創っていく過程は非常に刺激的です」(髙橋)

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髙橋 プロデューサー主導のプロジェクトなので、クライアントからいただくちょっとした相談にも僕から直接、答えることができるし、ドローン起点で各方面へ広げることもできます。実際、広告撮影以外でイベント記録の依頼などの相談をいただくことも増えました。僕自身がドローン撮影することもあるんですよ。

通常であれば、外部のドローン会社はいくつもありますし、頼めばいいだけです。自分がやってみたいことを気軽に提案できる、そしてその小さな芽を大きくしてくれる環境があったからこそ、プロデューサーとしてのアップデート、進化にも繋がりました。


──髙橋さん、ご自身のことを教えてください。

髙橋 今年で入社9年目です。大学で映画撮影の音声技術を学んだ後、前職ではフィルムコミッションで、制作側を裏からサポートしていました。制作現場を遠巻きに眺めるうち、現場に各分野のプロ達が集まり、1つのものを創りあげる輪の中に自分も入りたいと思うようになったんです。

前職を辞めてバックパッカーをしていた頃、その時撮影した写真で展覧会を開催したのをきっかけに、写真の仕事に就きたいとも考えていたんです。そのどちらも満たしていたのが、博報堂プロダクツのプロデューサー職でした。

フォトグラファーやスタイリストなどのスタッフ編成、スケジュールや予算組みなど、自分の裁量で判断できることや、課題の解決に向けて悩む楽しさがあります。また、第一線のクリエイターと関わって、1つのものを創っていく過程が見られるのは非常に刺激になりますね。

DAYSERUM_B1_JP_OL_ 2.jpg髙橋さんがプロデューサーとして担当した資生堂 アネッサ デイセラム グラフィック広告


髙橋 大学で技術を学んでいたこともあり、元々機材や新しい技術が好きなんです。
ドローンは、僕個人の興味がきっかけではありますが、社内でプロジェクト化し、チームで実践できることに大きなやりがいを感じます。プロジェクトリーダーとして、これからも発展させられるように活動していきます。






写真専門知識がないまま、飛び込んだ広告業界


220630_0203.jpg入社4年目の大樫さん。写真が好きという気持ちからプロデューサー職を志望した。


須藤 一方、若手プロデューサーの大樫さんは、これまでアシスタントとしてサポート業務にあたっていましたが、この春からプロデューサーとして1人で案件を担当することになりました。

──プロデューサー職を志望したきっかけは?

大樫 私は新卒で入社しました。写真を専門的に学んだわけではなく、趣味で撮る程度でしたが、とにかく写真が撮るのも観るのも大好きだったんです。漠然と撮影者とは別の立場から写真に関わりたいという気持ちがあったのですが、具体的に就活を進めるうち、広告写真制作のプロデューサーという仕事を見つけました。


学生時代はアルバイトやサークルでも、裏方として何かを作ることにやりがいを感じていたので、大好きな写真、そして多くの人と関わるプロデューサー職なら楽しく働けると確信がありました。

──実際入社してみてどう感じましたか?

大樫 初めは、ただただ広告が完成するまでの過程を見られることに感動していました(笑)。自分が関わった広告が街に掲出されるのも、とても嬉しくて。当時はまだ受け手側の感覚でしたね。




「アシスタント時代はプロデューサーとしての骨子を学びました」(大樫)

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大樫 入社後は、アシスタントとして先輩が担当する現場に入って経験を積んでいきました。まずは現場の環境を整える仕事から始めます。
楽屋作りからスタートして、スタッフ全体がスムーズに気持ちよく動けて、先輩プロデューサーが進行に専念できるよう、全体を見ながら環境を作っていく。ここでプロデューサーとしての仕事の骨子を学びます。

そこから徐々に外部への依頼発注など段階を踏みながら、仕事への意識、仕事内容も変化していきました。



フォトグラファーから直接現場の知識を得られる

──写真や機材の知識がないまま入社して、不安はありませんでしたか?

大樫 正直なところ不安は強かったですね。趣味で撮影していたとはいえ、プロの現場では扱う機材も違います。また、プロデューサーとして現場を組み立てる立場としては、知識がないと関わる人たちを不安にさせてしまうし、アウトプットのクオリティにも影響がでます。

私の場合、機材や撮影についてわからないことはとにかく先輩や社内のフォトグラファーに質問していました。社内フォトグラファーとプロデューサーの距離が近いので、質問もしやすく、丁寧に教えてくれるので現場の数を踏みながら、さまざまな知識を身につけました。

大変なこともありますが、写真好きであることが根底にあるので、色々な知識を身につけられることが嬉しく、楽しんで仕事をしています。身についたことは、次の現場で活かすことができますし。

作り手より受け手の感覚に近いところから始まったので、生活者目線で撮影依頼者はもちろん、撮影業務に向き合うことができますね。


──どんなところにやりがいを感じますか?

大樫 私たちの仕事は、現場によって内容が大きく変わります。キャンペーン、シズル、商品、ポートレイト、映像と分野によって内容が全く違うんです。いろんな現場を経験できるので、学ぶことも多く毎日が新鮮です。

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大樫さんが担当したツカモトコーポレーション duuxグラフィック広告

1人で撮影案件を担当することになり、責任がぐっと増しました。大変なこともありますが、自分で判断することも増え、その分興味のある分野や関われるチャンスも広がり、スタッフとの距離も縮まるので楽しさも増えました。

アートディレクターから相談を受け、撮影に適したフォトグラファーやスタッフを提案したり、クリエイター同士を繋げるのもプロデューサーの仕事です。

このフォトグラファーとあのスタイリストは一緒に仕事をしたら良いものが生まれそうだと想像して、実際に引き合わせた時に良い撮影ができると、その仕事に関わった皆が喜んでくれます。それが私自身の喜びや、やりがいとなっています。

これまで以上にクリエイターとより深く関わり、現場での出会いを通して人脈をさらに広げていきたいです。


今後求められるプロデューサー像とは?


──今、広告が変化している中、どのようなプロデューサーを目指していますか?

髙橋 Web用など、映像に関する依頼や相談が増えました。フォトクリエイティブ事業本部のフォトグラファーもムービー撮影の依頼がどんどん増えています。

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新しい媒体やそれに合わせた形や尺なども、広告自体の形態も変化していますよね。その一方で、新しい機材や技術も生まれています。

その中には、フォトグラファーにとって新しい武器となりうるものもあると思っています。ドローンも含めた新しい特機撮影など、機材・技術を撮影現場に導入することでクリエイティブ表現の幅を広げられると思います。


大樫 たしかに映像のほか、インカメラVFXなど新技術を使った広告も以前に比べて多くなりましたよね。

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個人的には、写真には一瞬で情報を伝えられる強みがあると思っています。それは広告媒体として、まだまだとても強い訴求力を持ったメディアだと思うんです。

私は、写真媒体が持つ強みを活かしながら、広告写真の現場を守り続けていきたいです。



須藤 これからのプロデューサーに求められるのは、人間力にプラスして、情報収集力、発想力、そして実現力です。 ビジネスである以上、クライアントやスタッフからの信頼を得ることはもちろん、常にアンテナを張り巡らし、様々な情報を得ることに楽しみを見出せることが必要です。得た情報から一歩先のマーケットを想像し、新しい発想を具現化できる、チャレンジできる人が重要だと思います。 

今までの枠や常識が通用しない時代ですが、別の視点で考えれば「個々が新しいことに挑戦できる時代」になってきたと思っています。

フォトクリエイティブ事業本部では、これからも個人のやりたいこと、挑戦したいことを応援する環境を作り続けながら、組織としての力も向上させ、挑戦し続けます。




博報堂プロダクツ フォトクリエイティブ事業本部では社員を募集中です。


募集職種:
1.プロデューサー
2.プロデューサーアシスタント


応募資格:経験者優遇。未経験者も可。


応募締め切り:募集人数に達し次第随時締め切り


詳細は求人情報サイトSWITCHにて







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