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コロナ禍において浮き彫りになった、ジェンダーステレオタイプを克服するビジュアルとは?

解説:遠藤由理(iStock クリエイティブ専門チーム Creative Insights マネージャー)

10年以上にわたり ”本物“のビジュアル表現のあり方を提唱し続けてきた、iStockのクリエイティブ専門チーム。iStockを運営するゲッティイメージズのレポート「Visual GPS」に裏付けられた市場のニーズやトレンドをもとに、時代に合わせたコンテンツを提案している。彼らが発表するニュースレターから、今回は「ジェンダーステレオタイプを克服するためのポイント」をお届けする。

男女格差の大きさを国別に比較した、世界経済フォーラムによる「ジェンダーギャップ指数2021」において、日本は調査対象となった世界156カ国の120位、主要7カ国(G7)では引き続き最下位。

新型コロナウイルスの世界的な流行から1年が経過し、ニューノーマル時代を表すビジュアルもこの1年間で多く蓄積されてきた。今回は、過去1年間のダウンロード結果を振り返りながら、家族や家庭内におけるジェンダーステレオタイプを克服した画像を選ぶ際のチェックポイントを、iStock クリエイティブ専門チームのCreative Insights マネージャー・遠藤由理氏が解説する。

ニューノーマル時代を表すビジュアルにより浮き彫りになったジェンダーステレオタイプ

新型コロナウイルス感染拡大により、需要の高まった「在宅ワーク」や「ホームスクーリング」に関するダウンロード数を見てみると、過去1年間で、イギリスで最もダウンロードされた画像は、父親がノートパソコンで仕事をしている隣で、母親が息子の宿題を手伝っている画像、日本では、母親が在宅ワークをしている隣で兄妹が勉強をしている画像でした。

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また、母親が子供に勉強を教えている画像のダウンロード数は、父親が子供に勉強を教えている画像の3倍にのぼり、「在宅勤務」に関する画像の中で家事や育児をしている母親は、家事や育児をしている父親より2倍多く描かれているなど、画像を選ぶ側(企業や事業主)が持つ、家庭内におけるジェンダーステレオタイプが浮き彫りになりました。

いま求められるビジュアルとは

「在宅ワーク」を表す画像に登場する女性のうち、50歳以上の被写体はわずか1.8%、障害のある女性やボディサイズの大きい女性は0%と、コミュニケーションの中に多様性とインクルージョンを取り入れようとしている企業がまだまだ少ないこともわかります。

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Visual GPSの調査では、85%の日本人女性が「多様性を重視する職場で働きたい」、89%が「広告に自分が共感できる人が十分に表現されていない」と回答しており、消費者や従業員とのエンゲージメントを高めるには、あらゆるシーンにおいて、多様性とインクルージョンを意識したコンテンツを採用することが重要になってきます。

*Visual GPS
ゲッティイメージズは、2020年2月より、世界的な市場調査会社である YouGov社と提携し、26カ国13言語で1万人以上の消費者と専門家を対象に調査を行い、「今、求められているビジュアルコンテンツ」を具体的な数字とともに明らかにした「Visual GPS」と呼ばれるガイドラインを作成している(詳細はこちら)

「多様性」が取り入れられたコンテンツを選ぶためのチェックポイント

  • 被写体の役割が、女性にも男性にも同じように当てはまるかどうか
  • 男女の被写体が映っている場合、力関係は均等かどうか
  • 人種に対する固定観念にとらわれていないか
  • 50歳以上の女性を活き活きと描けているか
  • あらゆるボディサイズや障害のある人を活き活きと描けているか


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「家族」や「家庭」に関するコンテンツを選ぶ際のチェックポイント

  • LGBTQI+のメンバーを含んだ画像も検討したか
  • あらゆる年齢層の親と子供を含む家族を描けているか
  • 障害を持つメンバーを含んだ画像も検討したか
  • 様々な文化や背景を描けているか


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img_special_istock_01_09.jpg 遠藤 由理 Yuri Endo
iStock クリエイティブ専門チーム Creative Insights マネージャー。10代後半からアメリカ、スペイン、チェコ、韓国で過ごす。映画制作とデジタルメディアデザインに重点を置いたビジュアルメディアの学歴を持ち、国際映画や日本映画のプロモーション、セールス、買収、配給などの仕事に従事。2016年からはiStockのクリエイティブチームのメンバーとして、世界中のクリエイティブプロフェッショナルによる利用データ分析と外部データや事例を調査し、来るニーズの見識を基にCreative Insight(広告ビジュアルにおける動向調査レポート)を発信。意欲的な写真家、ビデオグラファー、イラストレーターをサポートし、インスピレーションに満ちたイメージ作りを目指している。

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