CP+プロ向け動画セミナー 2017

一眼ムービーのための音録講座

小島真也(フォトグラファー)/安友康博(フォトグラファー)

フォトグラファー2人が講師を務めたこのセッションでは、一眼ムービーのサウンド収録の基本から、複数のマイクを使ってのインタビュー収録、ライン音声と会場現場音をミックスしたライブ会場での録音まで、様々なテクニックが紹介された。数々の現場から得た経験に基づく話は、どれも実践的な内容だった。

二度と繰り返したくない音録りの失敗

img_event_cpplus2017_tascam_33.jpg安友康博氏(左)と、小島真也氏

小島 皆さんこんにちは。フォトグラファーの小島真也です。今日は、同じフォトグラファーの安友康博さんと一緒に、デジタル一眼ムービーのサウンド収録に関してお話しをさせていただこうと思っています。複数のマイクを使ってのインタビュー収録、ライン音声と会場現場音をミックスしたライブ会場での録音まで、触れていきます。どうぞよろしくお願いします。

安友 よろしくお願いします。

小島 さて安友さん、この何年かフォトグラファーがデジタル一眼カメラで映像を撮影するようになりましたよね。我々もさまざまな映像の撮影をしてきましたが、実は、音に関する失敗がとても多いんですよね。

安友 そうなんです。映像の撮影に関しては写真の知識や経験が活きる部分もあったのですが、音声収録はそうはいきませんでした。まったく知識のないところからスタートしたこともあって、ずいぶんと痛い目にあってきました。

小島 そこで「転ばぬ先の杖」というわけで、今日は我々のような失敗をしないためにはどうしたらいいのか、という点からお役に立つ話ができれば、と思っています。

安友 しかし、失敗といってもたくさんありすぎて、何から挙げればいいか(笑)。

小島 そうですよね。そこで思いつくままに書き出してみました。ざっとこんな感じでしょうか。

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小島 ごく基本的なところでは「バッテリーを忘れた」みたいなことが挙げられるわけですが、知識のなさが失敗を引き起こした、という点で言うなら、たとえば「レベルメーターの読み方を知らずに録音してしまい、編集ソフトではカバーできずホワイトノイズまみれになってしまった」とか「収録したはずの音声を現場で確認しなかったためにきちんと録音できていなかった」みたいなことがありますよね。さらには「ワイヤレスマイクからレコーダーに信号が出力されていなかった」みたいな失敗は、気を付けないと今でもやりかねない。

安友 マイクの端子がジャックにきちんと刺さっていなかったりするんですよね。

小島 そうですそうです。他にも「エアコンの吹き出し音のようなバックノイズが大きくて聴き取りにくくなってしまった」とか、「古いタイプの蛍光灯のノイズが入った」、さらには「ゆるくなったジャックの差し込みのせいで、ザザッと大きなノイズが入った」といったノイズ絡みの失敗も多いですよね。

安友 あとは「カメラのスイッチは入っているのにレコーダーのスイッチが入っていない」なんてのもありがちです。回しっぱなしにしておけばいいのに、録音を止めて忘れちゃうんです。メディア容量や電池が気になるから止めるわけなんですがそれが裏目に出る、と。

小島 気を遣ったつもりが大失敗と言うわけですね。しかし、こんな話ばかりだとデジタル一眼カメラでの音声収録って大変なんじゃないかと思う方が増えてしまいそうですよね。

安友 いやいや、我々がきちんとした知識を持っていなかったことや、準備ができていなかったのが原因ですから、ちゃんと準備をすれば大丈夫。とういわけでここからは音録りの基礎を紹介していきましょう。

PCMレコーダーについて

小島 まずはデジタル一眼カメラで収録をする場合にぜひ使いたい「PCMレコーダー」について触れてみたいと思います。ご存じない方のためにざっくりと説明しますと、PCMレコーダーは「データ圧縮しないで録音できるレコーダー」と考えていただければいいと思います。

そのPCMレコーダーを使う前にまず知っておきたいのは音声が記録される仕組みです。マイク自体は基本的に非常に低いレベルで音を出力することしかできません。そのため、音声信号はつないだ先のカメラやレコーダーのプリアンプで増幅することになります。そこでポイントとなるのがプリアンプの性能によって音質が変わるという点です。同じ外部マイクを使って一眼ムービーカメラで収録した場合と、TASCAMのリニアPCMレコーダー「DR-701D」で収録した音を聴き比べてみます。どうでしょうか。

安友 あらためて聴いてみるとアンプ性能の差が大きいことがわかりますね。

小島 そうなんです。音声収録でいちばん大事なのは、低い音から高い音まで広い範囲で記録できることです。そういう意味でPCMレコーダーを使って複数のチャンネルで収録するメリットはとても大きいんです。

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安友 PCMレコーダーにはいろいろなメーカーのものがあります。TASCAM、ローランド、ZOOM、ソニー、オリンパスなどなど、それぞれスペックの違いがあります。

小島 だいたい、縦長のものがハンディタイプで横型のものが据え付けタイプですね。他にも2ch、4chやインターフェイスの違いがいろいろとありますが、PCMレコーダーなら業務用マイクを使えたり、ノイズ対策ができたり、さらに対談の際にはマイクを2本つなげるといったことができるようになります。またRECトリガーと呼ばれる、カメラの録画ボタンと連動して録音をスタートさせる機能が付いてるものもあります。

安友 それなら録音スイッチの入れ忘れがなくなりますね。

小島 今日は、そのRECトリガーを備えているTASCAM「DR-701D」を、PCMレコーダーとして使いながら話を進めていきたいと思います。

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TASCAMのPCMレコーダー「DR-701D」

入力のための「マイクロホン」はどう選ぶ?

安友 ではここからサウンド収録の流れについてご紹介していきます。ざっくり説明すると、まずマイクで入力した音声をレコーダーで記録、それを映像の編集ソフトで編集・調整し、スピーカーやヘッドホンに出力して確認する。これがざっくりとした流れになります。

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小島 まずは入力のための機材である「マイクロホン」について見ていきます。マイクには大きく分けて2種類があり、その一つが「ダイナミックマイク」です。これは司会者や街頭インタビューなどに使われるもので、カラオケ店にあるのもこのタイプですね。口に寄せて使いますが、それは高い音圧が必要だからです。

もう一つが「コンデンサーマイク」。これは構造上とても小さな音も拾いますので、ラベリアマイク(ピンマイク)として使われたり、スタジオ収録のナレーション用マイクとして使われます。机の上において使ったり舞台の上に置いて使ったりするタイプもあります。コンデンサーマイクはステレオのものもありますが、ダイナミックマイクはふつうモノラルです。

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小島 続いてマイクの特性について見ていきましょう。無指向性、単一指向性、超指向性、双指向性の4つに分かれます。まず無指向性ですが、インタビューマイクや、一般的にピンマイクと呼ばれるラベリアマイクがそれにあたります。単一指向性は基本的にまっすぐ向いた方の音を録るもので、ボーカルマイクなどがそれですね。超指向性はロケの収録などで使う細長い形をしたショットガンマイク、双指向性というのはラジオ放送などで二人が向かい合って話すタイプのナレーションマイクなどのことを言います。

安友 実際に写真で見てみましょう。このようにさまざまなマイクがあります。それぞれ形が異なるのは、機能や用途が違っているからでもあります。どんな環境で収録をするのかに合わせて、必要なマイクも変わってくるんですね。

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小島 これらのマイクとレコーダーをつなぐケーブルについても知っておきたい部分です。ケーブルについては2つの種類を知っておきましょう。一つは「バランス方式」、こちらは一般的には「XLRケーブル」とか「キャノンケーブル」と呼ばれるものです。こちらにはノイズ対策の機能が組み込まれているのが特徴です。マイクの接続端子が対応していない場合を除き、収録では基本的にはこちらのXLRを使うことになります。もう一つが「アンバランス方式」、こちらはiPhoneなどでも使われるステレオミニプラグとかオーディオ機器同士をつなぐRCAピン端子などがそれにあたります。

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小島 次にマイク自体を設置したり装着する際にどんなことに気を使えばいいのか、というお話をしておきたいと思います。まず注意したいのが「S/N」、シグナルとノイズの比率のことですが、これに関してはいかにノイズの比率を下げて目的の音声であるシグナルを聴きやすくするかというのが基本的な考え方となります。

では、ラベリアマイクを付けた場合や街頭インタビューをする場合など、どうしたらS/Nを良くすることができると思いますか? フォトグラファーの皆さんには撮影時の「照明」をイメージしていただくのがよいと思います。見せたい被写体にライトを寄せて、その露出に合わせれば、被写体の周辺はずっと露出不足になりますよね。音も基本的に同じです。まずは音源にマイクをしっかりと近づける。これで他の余計な音声が相対的に低くなります。ただし、このとき注意したいのがバックノイズです。エアコンの吹き出し音や内線電話の音、スマホのバイブレーター、さらには近くを通る電車の音、野外での風切り音など現場で耳で聴いていても気付かないものが、マイクを通すと思いのほか大きく録音されていたりします。また。携帯電話の電波が干渉することもないとはいえません。

安友 失敗しがちなのがエアコンや冷蔵庫、換気扇のノイズです。マイクを置く場所には気を付けないといけません。

小島 エアコンの吹き出し音や風切り音の対策には、マイクをすっぽりと覆うモコモコとしたアタッチメント「ウインドジャマー」を使うなどして工夫をするのがいいと思います。また、ラベリアマイクで気を付けたいのは装着する位置ですね。口元にマイクを近づけ過ぎると、頭を振ったときにマイクとの距離が変化して音量が変わり、聴き取りにくくなります。テレビ番組で出演者がどこにマイクを付けているのかを参考にしてみるといいと思います。

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「記録」のための機材選び

小島 では次に録音機材の注意点を見ていくことにしましょう。録音に使うのは先ほど紹介した「PCMレコーダー」ですが、どのレコーダーを選ぶのか、そのポイントとなるのが「収録チャンネル数」です。追って説明しますが、出来上がりの音のクオリティを高めるには、複数のチャンネルを使って音声を収録する必要があります。理想的には登場する人の数だけチャンネルがあることですが、現実的には3〜4チャンネル、少なくとも2チャンネルの収録ができるものを選ぶといいでしょう。

さらには、先ほど紹介した「XLR」と「TRS」ケーブルが接続できるコンボジャックは必須で、ステレオミニジャックがあるものを選べば、購入済みマイクを生かせることもあると思います。なお、コンデンサーマイクを使う際にはファンタム電源や乾電池が必要になることがありますので、その点も配慮をしておくといいでしょう。

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小島 収録フォーマットについては「WAV、24bit、48kHz」が基本となります。実際に使用する際は16bitなのですが、編集時の調整を考えると、24bitで収録しておくことをおすすめします。ちなみにこの条件で録音すると20分で約350MBになりますので、それに合わせた保存メディアを用意してください。

安友 最近ではサンプリングレートには96kHz、192kHzのハイレゾ音源を依頼されるケースも増えてきました。その場合はもっと容量の大きな保存メディアが必要になります。

小島 では次に、「音声レベル」の見方を紹介しましょう。通常、サウンドのレベルは「ピークメーター」を使って確認します。基準として「−12dB」くらいにメーターが振るように設定します。少し低めに録音をスタートさせるのは、収録が進むに連れて、だんだんと声が大きくなっていくことが多いからと、レベルが絶対に「0dB」を超えたくないからです。

なお、たいていのPCMレコーダーは−12dBを基準に考えてピークメーターに印が打たれているのですが、ソニーのαシリーズなど、時々違うレベルにマークしている機種があります。十分に注意してください。

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安友 ピークメーターでは、特に音の大きさに注意をして見る必要がありますよね。音声レベルが大きくなり過ぎるとひずんでしまうので。

小島 そうなんです。0dBを超えるレベルは過大入力。ピークメーターを見ながら入力レベルを調整してください。

安友 どんな音量で録音されているのか、出てくる音を確認する際にはモニタリング用のヘッドホンやイヤホンを使用します。良い音がするものではなく、素直で正確な音をモニターできるものが良いですね。

小島 ちなみにイヤホンは、基本的には1チャンネルだけ、ステレオなら左チャンネルだけが聞こえます。

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マルチチャンネルを活かした編集作業

小島 さて、次に編集の話に進みたいと思います。実際に取り込んだ音声クリップがどうなっているのかをまず見てもらおうかと思います。編集ソフトに取り込んだタイムラインを見てみてください。

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小島 音声収録では一般に、このようにいくつもの音声クリップが記録されます。図では7つのクリップが並んでいます。まず気になるのが、これら別々のクリップをどうやって同期させるのかとういう点ですが、実は非常に簡単です。収録の冒頭にカチンコ代わりに拍手を2回入れる。このはっきりした音や他の音声波形をもとに編集ソフトが自動でクリップの同期をしてくれます。

安友 昔は音を同期させるだけでも大変だったみたいですが、ずいぶん楽になりましたね。なお、同期の際の基準になるのが、後で紹介する、PCMレコーダーからステレオミニプラブのケーブルを経由してカメラの外部マイク入力に返した音声ということになります。

小島 編集時には音声の基準が「−6dB」あたりになるようにレベル調整します。アプリケーションによって多少レベルメーターの見方が異なりますので注意してください。5ch、6chのステレオミックスは、PCMレコーダーがミックスした音源で、聴いてみて各マイクレベルのバランスに問題なければ他のチャンネルを使わず、この5、6chだけでもOKです。マイクレベルが異なり、バランスを調整したい場合は2つのマイク音声(1ch, 2ch)に内蔵マイクで録音した現場音(3ch, 4ch)をミックスし、聴きやすい音にレベル調整します。複数のタイプの異なる音声を組み合わせることでバランスの良い音を作るというわけです。

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安友 そこまで終わったら今度は出力ですね。スピーカーやヘッドホンでチェックしますが、大事なのは最終的に視聴する機器や環境を想定して確認をすること、さらに原音に忠実な再生ができるスピーカーやヘッドホンを使って確認することです。

小島 たとえばiPhoneに付属してくるヘッドホンは小型軽量なため重低音が出にくい構造になっています。そのため低音を誇張するような味付けがされています。この点は要注意です。

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実践編1 インタビューの収録を見てみる

小島 では、ここからは実際の収録の様子を見ながら、ここまでの話の確認をしていきたいと思います。まず、インタビューのマイクの使い分けをしたサンプルがあります。この時の収録では、1chにラベリアマイクの音声、2chに聞き手が使うインタビューマイクの音声、3、4chにDR-701Dの内蔵マイクの音声を入れ、これらをミックスした音声をステレオミニプラブのケーブルでカメラ側の外部マイク入力に向けて返す、すなわち出力をしています。この音は先ほど紹介したとおり、マルチチャンネルを同期する際の基準の音になります。

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安友 実際の機材も用意してみました。TASCAMのDR-701Dの上に付いているのはラベリアマイクの受信機で1chへ、本体2chにはインタビューマイクが接続されています。内蔵マイクは本体の正面2箇所にありますね。その他に接続されているのはRECトリガー用のHDMIケーブルと、カメラに向けて音声を出力するステレオミニプラブのケーブル、そしてヘッドホンです。

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小島 なんでこんなにケーブルがあるんだと思う方もいるかと思いますが、こういうわけなんですね。

安友 マイクにはそれぞれの役割があります。まずインタビューマイクは無指向性のダイナミックマイクですので、ルーズに相手に向けても使うことができます。街頭インタビューとか、台風の中継なんかでも使われますね。頑丈なマイクです。

ラベリアマイク、いわゆるピンマイクですね。これは出演者の胸元に付けるマイクで、インタビューマイクを向けずに、自然な音声を収録できます。ただしラベリアマイクはコンデンサーマイクですので、電源が必要になるのと、付ける場所にも注意が必要となります。たとえば髪の毛やマフラーがマイクに触れてノイズになったり、どこにどういう向きで付けるのかもポイントになります。

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小島 対談の場合は相手がいるほう(顔を向けているほう)に付けるのがポイントです。実際の収録の様子はこんな感じです。

小島 なお、襟の裏側とかシャツの裏に付ける場合にはガムテープを三角形に折って貼り付け、さらにはケーブルをひと巻きしてから貼り付けておくのがおすすめです。引っかかった時にも、はずれたりノイズが生じたりしにくくなります。ちなみにラベリアマイクは非常に高価なうえショックに弱いので、扱いには十分注意してください。

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安友 マイクの先っぽに付ける小さなウィンドウスクリーンなんかもビックリするほど高いので気を付けてください。ところで、内蔵マイクは何に使うのかというと、先ほどもチラッと触れましたが、周囲の現場音を録音するのに使います。イベント会場、街の喧騒など、ざわついていたりする音は臨場感を高めるのに役立つんですね。

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小島 現場音がないと、どこで話をしているのかわからなくなってしまうことがあります。たとえばレース場なのに周囲の音がしないというのは変ですよね。というわけで、下の図は、収録した音声クリップを編集ソフト上で並べたものです。これらのバランスを取って最終的な音を作ります。

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小島 なお、こうしてマルチチャンネルで録音することで、万が一、現場でのレベル調整がうまくいかなかった時にも救済できることがあります。例えば複数の人の声が重なってしまった時にも、聴き取りやすくするとか。マルチチャンネルのメリットをまとめておきましたので、こちらをご覧ください。

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実践編2 ライブでの収録のノウハウ

小島 続いてライブの収録について見ていくことにします。図のように、PAミキサーからのXLRケーブルを1ch、2chに入れ、3ch、4chには内蔵マイクの音を入れています。そして同じようにステレオミニプラグでカメラ側に音声を返します。さらにこの時は手持ちカメラでも撮っていたので、そのカメラにクリップオンマイクを接続しました。

世田谷ボーイズ SHAKE DYNAMITE〜俺たちに足はある〜

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小島 これらで収録した音声をミックスして仕上げることになります。今回の機材の接続イメージはこちらです。

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小島 なお、XLRでレコーダーに入力されるラインアウトとは何かというと、会場の音響ミキサーから出力される信号、つまりステージのメインスピーカーから出ている音のことです。これは+4dB(プラヨン)または0dB(ゼロデシ)で出力されます。どちらなのかは音響さんに尋ねてください。これはミキサーによって調整された音で、基本的にステージ上のギターアンプやバスドラムの音は入っていません。これとPCMレコーダーの内蔵マイクで収録した会場内すべての現場音をミックスして、最終的な音を作ります。実際の機材の写真を見ていただくとわかりますが、設置場所がエアコンの真下だったため内蔵マイクにはウインドジャマーを付けています。

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小島 次にレコーダーのゲイン設定とレベル調整についてお話しておきます。ゲインというのはマイクの弱い信号をレコーダーのプリアンプがどのくらい増幅するか、大きくするか、その度合いを言います。DR-701Dの場合は、LOW、MID、HI、HI+から選択しますが、今回のライブ会場はスペースも小さめで音響が大きかったので、LOWに設定しました。そして内蔵マイクのレベルは3ch、4chともに「-12dB」です。

次にラインのレベル調整ですが、音響さんが出してくれるピーッという1kHz基準音を1ch、2chともに、こちらは「−20dB」に合わせます。今まで出てきた−12dBではないので注意してください。

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安友 さて、ライブ収録には他にもいろいろと注意すべき点があります。例えば会場によって接続端子が違ったり、電源が取りにくい場所にあるなんてこともあります。また会場の広さや収容人数、機材の設置場所に、ステージまでの距離など事情もさまざまです。そのため、必ず事前の確認が必要です。ロケハンを行ない、音響担当者との技術的な打ち合わせをして、何が必要かをあらかじめ確認しておきましょう。リハーサルは最終確認くらいの気持ちで臨むようにするのがいいと思います。

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安友 私などは細かいことを忘れないように、すべて紙に書き出して確認をするようにしています。音の収録にはいろいろと注意しないといけない点があるので、たとえ慣れても、丁寧に確認することが失敗を防ぐ最大のポイントになると思います。

小島 失敗を防ぐという意味では、最近登場したバックアップができるマイクなども使いたいところです。音声の出力をしつつ同時にマイク内のメディアに保存もできるマイクですね。こういったものもうまく活用していただければと思います。

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小島 さて、そろそろお時間となりました。本日の話と関連する話題は、玄光社のサイト「Shuffle」にいろいろと掲載されています。そちらも合わせてご覧いただけたらと思います。今日は皆さん、どうもありがとうございました。

安友 ありがとうございました。

取材:小泉森弥


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