Final Cut Pro X入門

Final Cut Pro Xの基本的な流れ

解説:斎賀和彦

基本操作を理解すればフォトグラファーでも簡単に映像を作れる

FCP Xは基本操作を大きく変えた。異なるバージョンでもインターフェイスの一貫性、継承性を重視するプロアプリにおいては、異例とも言えるほどの大きな変更だ。FCP 7から変わったという意味だけでなく、従来のプロ用ノンリニア編集ソフトの基本操作からかなり逸脱した感がある。

FCP Xの操作はシンプルだ。映像を選ぶのもつなぐのも、マウス(あるいはトラックパッド)で直接映像クリップを触って感覚的に動かすイメージ。タイムコードをテンキーで叩き、IN、OUT点を打ちながら自在に操る従来型に慣れた目からすると、まだるっこしく、精緻さに欠けるように映る。

それではFCP Xは本格的な編集に向かないのか? 実際の作業の流れに沿って検証してみよう。

基本的な流れ

img_soft_fcpx_02_01.jpgモデル:NICOLE (馬琴 & ぐり子)

img_soft_fcpx_02_no1.gifイベントライブラリに動画を読み込む
メモリカードやHDDから素材を読み込む。標準的な使い方においては、この時コーデック変換等を意識する必要はない。写真もRAW、JPEG問わずフル解像度で読み込まれる。

img_soft_fcpx_02_no2.gifイベントブラウザで整理・管理する
素材を置く場所から管理運用に機能を拡張したブラウザは、素材のレーティングから任意のキーワード設定によるタグ付け等、写真管理にも似た分類管理を実現する。

img_soft_fcpx_02_no3.gifビューアでプレビューする
FCPの大変身はこのシングルビューアに象徴される。素材も編集中の映像もこのビューアで確認する。マウスの位置によって自動的に再生クリップが切り替わるのも特徴。

これまで編集の前準備である取り込みは、重要な工程だが設定が難しく、そして時間のかかるものだった。編集コーデックをどのように設定するかによって、画質及び作業レスポンスは大きく変わってくるし、さらにその設定に適合させるためのトランスコード中は「待ち」時間となり、作業開始イコール編集開始ではなかった。

これに対してFCP Xでは、HDD(あるいはメモリカード)上のファイルを読み込むと、すぐに編集作業ができるようになった。これまでEOS MOVIEを編集する場合、事前にProResへトランスコードする必要があり、相応の時間がかかっていたことを思うと、その差は大きい。

EOS MOVIEのネイティブ編集が可能になったとはいっても、多重にクリップをレイヤーで重ねたり、エフェクトをかける場合は、やはりProRes 422等の中間コーデックを使う方が効果的だ。しかし、その使い分けや運用をユーザーが意識する必要は(あまり)ない。FCP Xはレンダリングあるいはエンコードをバックグラウンドで並行処理し、常に最適化を行なうからだ。

コーデックやその他設定の最適解はマシンスペックやストレージ速度によって異なるため、一概に判断は出来ないが、デフォルトの状態でも操作感は快適。

読み込み時、あるいは事後の任意のタイミングで、FCP Xは映像の解析も行なう。人物の写っている素材であれば、ソロ、ツー、グループショットやクローズアップ、ワイドショット等に分類、さらにFIXや手振れの大きいショットを抽出し、その補正まで行なう。現段階では完璧と言い難いが、特定の(時間軸)範囲に付けられるレーティングや任意のテキストを設定できるキーワードなど、写真管理ソフトにも通じるメタデータ的なアプローチは、これからの映像制作に重要な要素になるであろうと思わせる。

素材再生も、編集中のプレビュー/ポストビューも、同じシングルビューアで行なうのがFCP Xの大きな特徴。素材を確認しつつ、ブラウザからタイムラインにつないで(つなぎ方の基本は次項)、その配置されたクリップに対し、色補正を含むエフェクトやタイトル、トランジションを適用するのが基本的な流れ。シンプルでかつ作業性の高いワークフローになっている。

基本的な流れ(つづき)

img_soft_fcpx_02_02.jpg

img_soft_fcpx_02_no4.gifタイムラインで編集する
タイムラインにおいて、ビデオ編集由来の厳密な「トラック」という考え方が、柔軟な「シナリオ」という考え方に変わった。ユーザーの操作に合わせて動的に動く支援型のインターフェイスだ。

img_soft_fcpx_02_no5.gifメディアブラウザでタイトル、エフェクト等を加える
エフェクト、トランジション、タイトル、音楽等はメディアブラウザに集約され、タイムラインに「乗せて適用」という形に統一。分かりやすく一貫性のあるスタイルとなった。

img_soft_fcpx_02_no6.gifビューアでプレビュー/ポストビュー
編集中の映像もビューアで確認。拡大率によって色味の変化しない仕組みになり、使用するMacによってはHDMIに変換して外部モニタ表示も容易に行なえるようになっている。

斎賀和彦 Kazuhiko Saika

CM企画/演出時代にノンリニア編集勃興期を迎える。現在は駿河台大学メディア情報学部、デジタルハリウッド大学院等で理論と実践の両面から映像を教えながら、写真、映像作品を制作。
ブログ http://mono-logue.air-nifty.com/
ツイッターアカウント http://twitter.com/SAIKA

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