2018年11月20日
複数の制作ツールを並行して作業する際、負荷を減らしストレスなく行うことができるのが、インテルが発表した第9世代のマルチコアCPU。そしてそれを最大限に活かすBTO PC。Photo EDGE Tokyoに出展した6社のブランドのフォトグラファー向けBTO PCを紹介する。
インテルの最新プロセッサー Core i9-9900Kの12面ダイス風パッケージ。
デジタルカメラの機能が向上したことで、写真と動画を同時に撮影するクリエイターが増えてきた。また3DCGでイラストレーションを制作し、そこから映像を作り上げるといった表現も広く行われるようになってきた。最近のクリエイターは、複数の制作ツールを並行して活用する人が増えている。
そうした中で注目されているのは、負荷のかかる並行作業をストレスなく行うことができる「マルチコアCPU」だ。先日インテルが発表した第9世代のCPUは、マルチコア性能が高まり、従来になかった作業の高速化と快適性を実現するとして大きな注目を集めている。
そんなマルチコアCPUのパワーを最大限に活かすのが「BTO PC」だ。メーカー製に先駆けて最新CPUの強力なパワーを活用でき、コストパフォーマンスも高いこれらPCは、いまやクリエイターにとって欠かせないものとなってきている。
Photo EDGE Tokyo 2018では、そうしたクリエイター向けのBTO PCをリリースする6社が展示を行なった。それぞれに個性あふれるPCをレポートしたい。
「Photo EDGE Tokyo 2018」の展示エリア。
マルチコアCPUのパワーを引き出す冷却性能と
環境性能を重視した高い静音性が強みの「Lepton」
「Lepton(レプトン)」はデュアル水冷PCや超静音PCなど、他にはない個性的なPCをリリースすることで 知られる@Sycom(サイコム)のクリエイター向けPCブランドだ。スペックを追究するだけではなく、運用の安定性や作業時の快適性の実現にも力を入れている点に特徴がある。
今回、Photo EDGE Tokyoで展示されたモデルのうち、上位機種に当たる「Lepton WS3600X299」は最新の第9世代インテルマルチコアCPU、DDR4メモリ、そして高品質なカラーマネジメント処理を可能にするNVIDIA Quadroシリーズのグラフィックカードを搭載したミドルタワー型のワークステーションだ。写真や映像、3DCG、CADさらにはイラストレーションやマンガの制作といった作業を念頭に置いた、クリエイター向けモデルだが、Leptonらしさはむしろ、そうしたパーツの性能を引き出す構成にある。
「最新のマルチコアCPUは、非常に高い処理能力を持っていますが、そのぶん、負荷をかけた場合の発熱が大きくなります。そこでLepton WS3600では標準で水冷機構を採用して高い排熱処理性能と安定性、そして静音性を実現しました。水冷というと運用面で手間がかかるのではないかといったイメージを持っている方もいらっしゃるかもしれませんが、Leptonが採用しているシステムはメンテナンスフリー。気を遣うことなく利用していただけます」(同社 小野信介氏)
水冷機構を標準装備するLepton WS3600X299は、写真や映像はじめ、さまざまなクリエイターに向けたモデル。21万7,090円(税込)〜。
実際にPCの内部を見てみるとパーツの配置や配線は整然としていて余裕があり、排熱がしっかりと行なわれていることが見て取れる。こうした部分は「サイコムが長年積み重ねてきた試行錯誤の成果」とのこと。
こうした工夫によりLepton WS3600では最大で16コアというハイスペックなマルチコアCPUを搭載することも可能になっているという。
なお、同機で興味深いのは、電源を入れたままでも3.5インチハードディスク(アダプタを使用することで2.5インチタイプのハードディスクやSSDにも対応)を抜き差し可能なホットスワップに対応している点。大容量の4K動画や大量のRAWファイルを、バックアップを取りながら利用していると、ストレージはすぐにいっぱいになってしまうが、こうした機能があれば運用も容易になるはずだ。
Leptonブランドでもう一台、注目を集めていたのが「Lepton WS2700H370-I」。Mini-ITX規格に準拠した小型PCだ。小型PCというと最近リリースされて話題となっているアップルのMac miniを思い浮かべる人も多いと思われるが、このWS2700H370-Iは、Mac miniでは不可能なグラフィックカードを内蔵できる点がポイント。3DCGやCADのクリエイター、そして高度なカラーマネジメントが必要なフォトグラファーにとっては大きなメリットになる点だ。なお、このWS2700H370-Iも排熱性能や静音性に重きを置いたモデル。ハイスペックながら静かに使用できるモデルとなっている。
Lepton WS2700H370-Iは小型ながら、高いスペックを実現したクリエイター向けPC。12万3,530円(税込)〜。
なお、サイコムのBTOでは利用したい環境に合わせたカスタムが可能になっているが、使用するパーツに関してすべて検証を行なっており、スペックアップをしても安心して利用できるとのこと。クリエイター向けのPCの購入を検討しているなら、このLeptonも選択肢に入れてみてはいかがだろう。
@Sycomの小野信介氏。同社のPCはスペックのみならず、使用環境の快適さも追求していると話す。
@Sycom 公式サイト
https://www.sycom.co.jp/
最新マルチコアCPUの高い性能をとことんまで引き出し
クリエイティビティをサポートする「DAIV」
TVCMなどでおなじみのマウスコンピューターがリリースするクリエイター向けPC「DAIV」は、写真や映像、3DCGさらにはDTMやCADといったさまざまなクリエイターに多様なモデルを提供するPCブランド。今回のPhoto EDGE Tokyoではハイスペックモデルであるデスクトップ型の「DAIV DGX750」を展示した。CPUには最大で18コア36スレッドの、インテルの第9世代マルチコアCPU、グラフィックカードにはGeForce RTX 2080と、最高レベルのハードウェアを搭載できることもあって写真の現像や編集はもとより、動画編集を行なうクリエイターにもおすすめできるモデルになっている。
デスクトップ型の「DAIV DGX750」は169,800円(税別)〜。使用用途に合わせたカスタムモデルが多数用意されている。
ただし、このDGX750が優れているのは、単にスペックの高いハードウェアを選択できる点にあるわけではない。それらハイスペックなCPUやグラフィックカードを安定稼動させるためのたチューニングがしっかりと行なわれていること、さらには筐体の上部に付けられた手持ち用のハンドルや下部に取り付けられたキャスターからもわかるように、スタジオのようなクリエイティブの現場での使用を想定して設計されている点に、その本領がある。
「マウスコンピューターでは、そのPCが現場で、求められている性能を発揮できて初めて役に立つものになると考えています。このハンドル(持ち手)やキャスターも、スタジオや職場で片手で持ち上げて移動させられるものにしてほしいとの要望を受けて、強度面などを考慮して設計を行なったものです。また、前面上部にインターフェイスをまとめている点や、複数のドライブを搭載しやすい内部構造、清掃を容易にする着脱式のフィルターなどもそうした実使用環境を想定して採用したものです。また、パーツの選定についても、数字上のスペックではなく、実際の操作性能が上がることを念頭にチューニングを行なっているんです」(同社 森裕貴氏)
そうした視点からストレージスピードを高めるインテルの「Optaneメモリ」は、特に注目してほしい装備だという。
「Optaneメモリは、ハードディスクに欠けているスピードをSSDに匹敵するレベルにまで向上させてくれる仕組みを搭載しています。ハードディスクの大容量とスピードを共存させる画期的なハードウェアだと言えると思います」
もう一台、DAIVシリーズでクリエイターの注目を集めていたのが、17.3インチ4Kディスプレイを採用し、“持ち運べるデスクトップ”とも言えるスペックを実現しているノートPC「DAIV NG7630」だ。最新の第9世代インテルマルチコアCPUの搭載はもちろんのこと(最大8コア16スレッドのマルチコアCPUを搭載可能)、デスクトップPCと同等のグラフィックカードの搭載もできるため、4Kモニターを3枚つなげた4画面環境を構築することも可能だという。
17.3インチ4Kディスプレイを採用した「DAIV NG7630」。マルチコアCPUやAdobeRGB比100%対応の液晶パネルを採用。35万9,800円(税別)〜。
「ディスプレイはAdobeRGB比100%対応の液晶パネルを採用していますので、正確かつ、色域の豊かな色表現が可能になっています。写真や映像のクリエイターの方にも安心して利用していただけると思います」
また、NG7630には多様な出力ポートが備わっている点もポイント。最近のノートPC、たとえばMacBook Proなどは出力ポートの種類が限られるが、こちらにはUSBや音声入出力ポートはもちろんのこと、HDMIやMini DisplayPort、さらにはUSB3.1 / Thunderbolt 3にUHS-II対応カードリーダーまで搭載しており、周辺機器との接続に困ることも少ない。
このように、DAIVシリーズはデスクトップ型もノート型も、実使用時に利便性を感じるPC。サポートも24時間365日に対応しており、利便性は高い。安心して選択できるPCだと言えるだろう。
「DAIVシリーズの特徴は現場でしっかりと性能を発揮できる点にある」と話すのはマウスコンピューターの森裕貴氏(左)。
DAIV 公式サイト
http://www.mouse-jp.co.jp/creator/
クリエイターが必要とする性能をピンポイントで向上させる
積み重ねたノウハウの結晶「SENSE∞」
ひとくちにクリエイティブと言っても写真現像、レタッチ、映像、3DCG と、その作業のポイントはそれぞれ異なる。「iiyama PC」のクリエイター向けPCブランドである「SENSE∞(センス インフィニティ)」は、それぞれのジャンルに最適なパーツを吟味し、適切にセレクトする点に特徴がある。
そのSENSE∞がPhoto EDGE Tokyoに持ち込んだのは、写真現像に焦点を当てたデスクトップモデル「SENSE-R039-i9KP-LNKI-DevelopRAW」。SENSE∞の販売を行なうパソコン工房を運営するユニットコムの大日方心哉氏はそのポイントを、強力なマルチコアCPUと高速なストレージにあると話す。
「RAW現像・写真編集向けパソコンはファイルサイズの大きなRAWデータをストレスなく表示し、編集できる必要があります。弊社の検証によるとカタログ作成やプレビューといった作業にはCPUクロック数が、RAW現像処理においてはコア数が影響してくるということがわかっていますので、それに合致する高性能なマルチコアCPUを採用しました。また作業全体の快適化を図るためにストレージの高速化にもこだわっています」
写真現像・編集に最適化された「SENSE-R039-i9KP-LNKI-DevelopRAW」は18万4,980円〜(税別)。
そのポイントと言えるのがシステムドライブに採用されたSSDと、ハードディスクと組み合わせて搭載されたOptaneメモリだ。Optaneメモリはハードディスクの読み込パフォーマンスをSSD並に向上させるハードウェアのこと。
「これによってAdobe Lightroom CCのカタログファイルやプレビュー用データを、ハードディスクに保存していたとしても高速に読み込み、閲覧することができます。RAW現像をこれから始めるユーザーから、アマチュアやプロまで幅広く満足していただける環境になったと考えています」
RAWデータなどの大量のデータを保存するためのストレージとしてSSDを使用するとコストが大きく膨らんでしまうが、Optaneメモリを利用することで容量と快適性とを両立させることができる。ユーザーにとって嬉しい工夫と言える。
グラフィックカードには標準で「NVIDIA GeForce GTX 1050 2GB」を搭載しているが、高速な「GeForce GTX 1070 Ti 8GB」など、使用目的に合わせてカスタマイズすることも可能。動画編集なども念頭に置いているならばハイスペックのものを選ぶといいだろう。
こうしたBTO PCについてはサポートなどの面で不安を感じる人もいるかもしれないが、その点については「SENSE∞は優れた品質とコストパフォーマンスで、世界から評価されている液晶ディスプレイブランドであるiiyamaが手がけたPC。「お客様が求める安心とクオリティを実現していますし、定額での3年間保証・4年間保証といったプランも用意しています」とのこと。安心して利用できるだろう。
同社が展示したノートPC「SENSE-17FH054-i7-UHSS-DevelopRAW」はこちらもRAW現像や写真編集を行なうために構成された、17インチのフルHDディスプレイを採用したノートPC。出先での写真現像や編集作業を十分にこなすスペックを持った人気のPCだ。価格は9万9,980円(税別)〜。最近ではデスクトップ型の代わりに選ぶ人も増えてきているという。
17インチディスプレイを搭載しながら価格は9万9,980 円(税別)〜という高いコストパフォーマンスを実現した「SENSE-17FH054-i7-UHSS-DevelopRAW」。
なおSENSE∞シリーズには、この他にもマンガやイラストレーション、アニメーションに特化したモデルや3DCGや映像制作に対応したモデルや、安定性が高く、色管理などにも高い性能を発揮するプロフェッショナル向けグラフィックカード「NVIDIA Quadro」を搭載したモデルなども用意されている。使用目的、使用アプリケーションに合わせた選択ができるだろう。
パソコン工房を運営するユニットコムの大日方心哉氏(右)。SENSE∞の構成はさまざまな角度からの検証を重ねた上で決められていると話す。
SENSE∞ 公式サイト
https://www.pc-koubou.jp/pc/aex.php
クリエイターの要望に対して
PCパーツへの深い知識と経験で応える「raytrek」
パソコン専門店「ドスパラ」を運営するサードウェーブが展開する「raytrek」は写真や映像、3D、イラストレーション、CAD、音楽とさまざまなタイプのクリエイターに向けてPCをリリースするブランドだ。その最大の特徴はCPUやメモリ、ストレージなど、いちはやく最新パーツを搭載する点。PCパーツショップとしての長い歴史と経験に基づいて、それぞれのパーツの特徴を引き出す最適解を導き出す。
そのraytrekが今年のPhoto EDGE Tokyoで展示したのがハイスペックモデル「raytrek LC-PLUS P2」。CPUには8コア16スレッドのマルチコアCPUであるインテルCore i7-7820Xを、グラフィックカードにはNVIDIA Quadro P2000 5GBを、そしてSSDとしてインテル Optane SSD 900Pをそれぞれ搭載しているが、なかでも注目なのがシステムドライブ用に搭載されたOptane SSD 900P。同社製品担当の大内実氏によると、その圧倒的なスペックは、これまでにない操作性をもたらすものだという。
クリエイター向けのハイスペックモデルである「raytrek LC-PLUS P2」は34万9,980円〜(税別)。
「Optane SSD 900Pは従来のSSDと比較して3.5〜5倍程度のスペックをマークします。たとえば4K動画の高画質リアルタイム再生のような、負荷の高い作業においてもコマ落ちすることがありません。たとえば動画編集の作業領域に使用することで、ストレスのない効率的な作業が可能になると思います」
またクリエイター向けということでグラフィックカードにQuadroを搭載している点もポイントの一つ。QuadroはCADや3DCG、動画編集・処理といった作業を得意とすることから多くのプロフェッショナルに利用されているグラフィックカードだ。
「クリエイターの皆さんはPC上で複数のアプリケーションを起動し、試行錯誤を繰り返しつつ作品制作を行なっていると思います。そうした作業においてはマルチコアのCPU、作業に合った適正なグラフィックカード、高速ストレージといったパーツが効果を発揮します。LC-PLUS P2はその点で、高いレベルでバランスの取れたモデルだと言えるかと思います」
もう一機種、raytrekが用意したモデルが「raytrek-V Adobe CC LC-M」。こちらはCPUに4コア4スレッドのインテル「Core i5-7500」を、グラフィックカードには「NVIDIA Quadro P620 2GB」を、そしてDDR4メモリを16GB搭載したモデル。「Adobe CC」の名前からもわかるようにフォトグラファーにとって必須のアプリケーションであるPhotoshop CCやLightroom CCの推奨スペックを満たし、快適に動かすことができるモデルだ。コストパフォーマンスも高く(13万2,980円(税別)〜)、趣味で写真を楽しむ人に向けたモデルと言えるが、基礎性能がしっかりしていることから、必要なパーツをカスタムすることで、多様な用途に活用できるPCにアップグレードすることも可能だろう。
Photoshop CCやLightroom CCの推奨スペックを満たし、快適に動かすことのできるモデル「raytrek-V Adobe CC LC-M」は13万2,980円(税別)〜。
「実は、Adobe CCは2019年バージョンから一部のアプリケーションで推奨スペックが上がっています。そうした部分にもしっかりと対応していますので、安定して利用することができるかと思います」
ドスパラの多様な知見が詰まったこれらraytrekは、クリエイター向けPCとして注目に値するモデルだと言えるだろう。
サードウェーブの大内実氏(右)。ドスパラのクリエイティブPCブランドraytrekはドスパラの知見を活かした構成になっていると話す。
raytrek 公式サイト
http://www.diginnos.co.jp/raytrek/
ユーザーの声とプロの意見を採り入れ
多様なニーズに的確に対応する「eX.computer」
PC用ハードウェアの販売で知られるツクモが展開する「eX.computer」は、写真編集から実況・配信、さらには4K60p動画編集やマンガなど、さまざまな目的に合わせたPCをリリースしているオリジナルのPCブランドだ。
そのeX.computerが今回のPhoto EDGE Tokyoで展示したのがフォトグラファー中原一雄氏が監修したRAW現像・写真編集モデル「PM7J-A180/T」だ。CPUにはインテルのマルチコアCPUである「Core i7-8700」を、グラフィックカードにはNVIDIA GeForce GTX 1050Tiをセレクト、250GBのSSD、1TBのハードディスク、DDR4メモリ16GBを搭載したコストパフォーマンスの高いPCだ。同社の森秀範氏によるとこのモデルは、特に、初めてミラーレスカメラデビューしたユーザーに使ってほしいと企画されたものだという。
「ミラーレスカメラで撮影を楽しんでいる初級〜中級のカメラユーザーにとっては、カメラの他に20万円の投資をするのは難しいのではないかと考え、まず第一にリーズナブルな価格を、ただし、3,000万画素クラスのRAW現像にも余裕をもって対応できるスペックをということで検討を重ねたモデルです」
フォトグラファーの中原一雄氏が監修した写真編集(RAW現像) モデル「PM7J-A180/T」。12万4,800円(税別)〜。
eX.computerにはこのように、実際のユーザー像を細かく設定して企画されたモデルが多いのだが、その理由を尋ねてみると、社内の企画の仕方に特徴があることがわかった。
「企画においてはお客様からのフィードバックや各界における専門家の意見を重視していますが、それに加えて休日のたびに撮影に出かけるような写真の愛好家が弊社のスタッフにいますので彼らの体験も企画に活かしています。そうした意見は、新製品の企画だけでなくPCのサポートにも反映させていますので、初心者の方からプロのフォトグラファーに至るまで安心して利用していただけると思います」
eX.computerでは、今回の展示で、CPUに6コア/12スレッドのマルチコアCPUである「インテル Core i7-8750H」、グラフィックカードに「GeForce GTX 1070」を搭載しつつ、NTSC94%・Adobe比RGB99%の色域をカバーするハイスペックノートPC「G-GEAR N1586J-710/T」や、インテルの8コア16スレッドのマルチコアCPUである「Core i9-9900K 」に最新グラフィックボードであるNVIDIA GeForce RTX 2080」を搭載したハイスペックゲーミングPC「G-GEAR neo」も展示し、ユーザーの関心を集めていたが、これらのPCの高い能力は、RAW現像やレタッチ、さらには4K動画の編集といった作業にも十分に活かすことができるだろう。
ゲーミングPCとして高い性能を誇るG-GEAR neo GX9J-C181/ZTは28万4,800円(税別)〜。LGのワイドディスプレイ「34WK95U-W」と組み合わせた展示が行なわれた。
なお、G-GEAR neoにはLG社が同日発表した34インチウルトラワイド液晶ディスプレイ「34WK95U-W」が接続され展示されていた。34WK95U-Wは「advanced Nano IPS technology」と呼ばれる最新の技術を使った高発色と、5120×2160の解像度を誇る横長の画面が特色のプロ向けディスプレイ。PhotoshopとLightroomとか、Premiereを複数画面表示させて編集を行なういったような並行作業を行なうクリエイターにとって最適な環境を構築することができるだろう。こちらにも注目だ。
TSUKUMOの森秀範氏(左)と、展示協力をしたLGエレクトロニクスの森斗志也氏。
eX.computer 公式サイト
http://www.tsukumo.co.jp/bto/pc/
クリエイターの創造性を支えるハイスペックと安定性。
プロの信頼に応える「Endeavor」
プリンターで知られるエプソンは、PCの販売についても長い歴史をもつメーカーだ。「Endeavor」はそのエプソンがリリースする高性能・高信頼性を誇るBTO PCだ。今回のPhoto EDGE Tokyoには「Endeavor MR4800E」「Endeavor Pro5900」の2機種が注目を集めていた。
Endeavor MR4800Eは横幅わずか98mmの省スペースモデルだが、最大6コア12スレッドのインテルマルチコアCPU、最大で64GBのメモリを搭載できるだけでなく、NVIDIA GeForceやQuadroといったグラフィックカードを選択して搭載できるなど性能の高さは折り紙付きのモデル。そのなかでも特徴的なのがストレージ。最大で4基搭載できるストレージにはM.2 SSDのような高速なストレージだけでなく、2台のハードディスクを並列に接続してデータをリアルタイムでバックアップしながら利用できる「RAID 1」を搭載することもできる。
プロフォトグラファーに向けた「Endeavor MR4800E」は8万9,400円(税別)〜。小さな筐体にもかかわらずRAIDを組むことができるなど特徴的なモデル。
「こうした装備は、職業として写真と向かい合うフォトグラファーが使用することを想定したゆえのものです。エプソンのクリエイターPCは、お客様の利用シーンを想定し、数あるBTOの中から、用途に適したデバイスを搭載しています。操作の快適性や安定性のみならず、信頼性の部分においても確実なものとして提供をしたいと考え抜き仕上げたPCをご用意しています」(エプソンダイレクト 古川貴文氏)。 ※詳しくはこちら
こうした、PCの信頼性への考え方は他のBTOメーカーとは一線を画すものだ。「エプソンの場合、他のBTOメーカーさんと比べると新しいモデルをリリースするタイミングがやや遅くなることが多いのです。その理由はパーツの検証を徹底的にやることにあります。例えば温度の高い環境下のような厳しい環境でも正しく動作するのか、コンデンサーからファンに至るまで、すべてのパーツに対して徹底した調査を行なっています。そのうえでパーツ同士の相性の調査、いわゆる“組み合わせ評価”に相当な時間をかけています。これはエプソン全体のものづくりの基準に基づいて行なわれているものなんです」
その徹底ぶりはアプリケーションの動作確認にまで及ぶ。LightroomやPhotoshopといったAdobe Creative Cloudアプリケーションに対しての動作確認も自社で行っているという。そうした信頼性への徹底ぶりは、同社が用意している保証にも現れている。1年間の無償保証以外にも、規定の料金を支払うことで最長6年にも及ぶ複数年の定額保守サービスを受けることができるという。 クリエイター向けのPCとしては異例なほどに長いが、それだけ商品の品質、信頼性に確固たる自信を持っているのだ。
そうした信頼性は、より高スペックの「Endeavor Pro5900」でも実現されている。6コア12スレッドのインテルマルチコアCPU、最大64GBのメモリ、さらにはストレージとして高速のM.2 SSDを採用したこのモデルは、データ保存用のストレージにインテルのOptaneメモリ+ハードディスクの組み合わせを採用、作業の快適化を図っている。また、よりハイパフォーマンスなグラフィックカード、NVIDIA GeForceシリーズの上位のGTX1080Ti、NVIDIA QuadroシリーズのP4000、P2000が選択できるなど、性能向上の形も多様だ。
ハイスペックな「Endeavor Pro5900」。こちらも高いスペックに信頼性が加わったPCだ。価格は16万4,000円(税別)〜。
「Endeavor Pro5900は写真編集はもとより、それ以上に負荷のかかる作業にも対応しているモデルですが、こちらも高い信頼性を誇るモデルです。プロのクリエイターの皆さんには安心してご使用いただけるモデルだと言えると思います」
性能に高いレベルの安心を加えたエプソンのPC。プロにこそ注目してほしいモデルだ。
エプソンダイレクトの古川貴文氏(左)と小林尚貴氏。高いスペックと同時に安定性や信頼性をアピール。
エプソンダイレクトショップ
https://shop.epson.jp/pc/creator/
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