2017年04月14日
98年木村直軌氏に師事。2003年個人事務所SELF:PSY’S設立。広告・ファッション雑誌、写真集などでポートレイト撮影を中心に活躍。4月1日から新宿歌舞伎町、22日より札幌で個展開催。
saikonishimura.com
Interview 西村彩子(フォトグラファー)
雑誌、写真集でポートレイト撮影を中心に活躍するフォトグラファーの西村彩子さん。タレント・俳優・ミュージシャンと様々な被写体を撮ってきた西村さんだが、ソニーαの描写力に魅せられて、仕事・作品ともにメインカメラとしてαで撮影している。
産経新聞出版『TV NAV』
2015年1月撮影
αは距離やその空気感まで写し取れるカメラですね
──αを使うきっかけはオールドレンズが使えるからだったそうですね。
西村 フィルム時代に使っていたハッセルやコンタックスのオールドレンズが使えると聞いて興味を持ちました。現在はα7とα7 IIを使っています。αには他社レンズを使える柔軟性がある、その懐の深さが好きです。雑誌の表紙やここぞという撮影でも、自然光の似合うαとオールドレンズの組み合わせで撮ることもあります。フィルム時代のように、マニュアルで被写体と向き合う感覚がいいですね。
──西村さんが人物を撮る時に、αを使いたいと考える理由はなんでしょうか。
西村 αにはカメラに威圧感がないんですよ。近くに寄っても被写体がカメラを気にせず自然な表情になりやすい。それは私の様な撮影スタイルでは大きなことです。私は写真がオシャレでカッコいい、ということよりまず見る人が喜ぶ写真が第一。「この人こういう笑い方をするんだよ」とか「こんな色っぽい面もあるよ」とその場で感じる想いを写真にしたいし、男性タレントだったらファンは彼女目線の素っぽい表情も見たいと思うから、すぐそばでゆっくり表情を見て話しながら撮る。その柔らかい視線や距離や空気感ごと写せるαは今は私には欠かせません。
──αのどこに惹かれるのですか。
西村 カメラは見た目の好き嫌いもあると思いますが、αの武骨なフォルムはなんだか愛着が湧くんです。それと私、手が小さくて他のデジタル一眼カメラだと構えた時に指が届かないものもあるのですが、αはサイズ感も重さもちょうどいい。あとは背面モニターが素晴らしいです。見たまんまの感覚そのままに撮れる美しさ。αにしてからファインダーを使わず撮ることがかなり増えました。モニターを見つつ被写体の目も見て話しながら撮る。リアルな会話に近づいたスタイルは、ファインダーを覗いていた時よりも柔らかい空気感が出るようになりました。また背面モニターを使うことで全体の画のバランスを見られるようになって、写真が上手になりましたね。私の顔と話し方がとてもユルいのもあって、柔らかい笑顔は増えたんですけどね、目線がカメラじゃなくて私を見ている時もありますけど(笑)。
Personal Work 4月開催の個展のメインビジュアルとして使用。
──西村さんがポートレイトを撮る際に心がけていることはなんでしょうか。
西村 雑誌の表紙巻頭6ページでも撮影時間10~15分なんてことも。タレントさんは被写体のプロではあるけど『はい笑って』と言って当たり前に最高の笑顔になるわけじゃない。仕事であっても人対人ですから短時間とは言えちゃんと挨拶をして、お祝い事があれば祝い、その人の今日の調子を見ながら撮影します。あとからその写真の表情を見ると、それぞれどんな話をしていたのかも思い出せますし、いい笑顔の写真は私も一緒に笑いながら撮っていると思いますよ。
被写体のすぐそばで撮りやすく、自分と被写体の間の空気ごと写真に写せるαは、人物にじっくり向き合って撮りたい方に適したカメラだと思いますね。αはいろんなレンズを受け入れる余裕があるし、強く自己主張しないのは余裕=強さ=優しさの表れ。カメラなんだけど、持っているとそんなαに護られて強く優しくなれる、私はそんな感覚ですね。
5軸ボディ内手ブレ補正搭載の35mmフルサイズミラーレス一眼
※インタビューの続きはソニー スペシャルサイト「α Universe」で公開中。
協力:ソニーマーケティング(株)
ソニーα Universe http://www.sony.jp/ichigan/a-universe/
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