2014年07月30日
パナソニックが4月末に発売したLUMIX GH4。ミラーレス一眼カメラとしては世界で初めて4K動画撮影が可能だということで注目を集めている。さらに業務用アクセサリーのインターフェイスユニットAG-YAGHG(別売)を使用することで、SDI出力(BNCx4)やXLR音声入力(2ch)に対応。外部の4K/HDビデオレコーダーや業務用マイクロホンの接続などの拡張性も備えている。そこでGH4にインターフェイスユニット、外部収録のHDDなど、プロの現場の装備でテスト撮影を行ない、GH4の4Kムービーのポテンシャルを検証する。
GH4の4Kユニット実装時の機材構成について
4Kのインターフェイスユニットを使用する場合、本体モニターは使用できるが写真の様な構成になってしまうため、視認性が悪くピントも判断しづらいので外部モニターを使うのが理想的である。
インターフェースユニット(AG-YAGHG)はあくまでも4K信号をアウトプットする装置なので外部収録機が必要になる。今回は最小構成としてKiProQuadを使用した。
4KユニットからKiProQuadへの接続はSDIケーブル4本で接続する。
雑誌や情報誌でも“4K”という言葉が目につくようになってきているが、この春、パナソニックが一眼本体だけで4K撮影可能なカメラGH4を発売した。
いままで一眼で4K撮影と言えばキヤノンのEOS-1D Cという選択肢しかなく、しかも1D Cの4K撮影では24コマしか撮影できなかった。ところがこのGH4では4K HD(3840 x 2160)サイズで29.97pでの収録が可能になり、記録媒体もSDカードに4K素材を記録することができる。
今回はGH4本体での収録もしつつ、4K外部出力ユニットを使用して外部収録機のKiProQuadでも4K ProRes4x4で収録した。接続はQuadLinkでの接続で本体でのスタート/ストップのトリガーもKiProが反応し、1度も外れることはなかった。しかし、GH4のRecボタンの位置はKiProと連接しているため、かなり押しにくく、確認もしづらい。
本体重量は構成写真をみる限りでは大きく重そうだったが実際には軽くて手持ち撮影もしやすい。4Kユニットを外して、本体だけで撮影してみるとかなりコンパクト。こんな小さなカメラで4Kが撮影可能というのに驚くほどだ。
通常、一眼ムービーで撮影する場合、キヤノンのカメラを使用することが多かった。キヤノンは、スチルのカメラに動画機能が搭載されているという感じだが、GH4はビデオカメラが一眼の大きさになったという印象だ。画質の調整は業務用ビデオカメラにあるマスターペデスタル調整やガンマカーブ的なハイライトシャドウの調整もできる。
フォトスタイルの選択で基本的なトーンを決める
GH4にはフォトスタイルというプリセットが9種類あるが、カスタムでのプリセット保存も可能でコントラスト、シャープネス、彩度などを調整できる。しかもこのGH4は色相も調整できるようになり、細かなトーンを作り出せるようになった。
カスタム
全体的に元あるプリセットからスキントーンに少しアンバーを入れ、写真ではわかりにくいが明部の飛び具合をなるべく柔らかくなるようにプリセットをつくってみた。
シネライクD
シネライクDは後のグレーディングに特化したプリセットだ。ダイナミックレンジに幅があり、いわゆるLogに近い設定だ。
シネライクV
シネライクVはいわゆるビデオガンマの設定だと思われる。黒が締まっていて全体的に硬くコントラストの強いビデオっぽい画のプリセットである。
モデル:konoe riko
※この記事はコマーシャル・フォト2014年7月号から転載しています。