Blackmagic Cinema Camera

ポストプロダクション発想から生まれた次世代カメラBMCC

解説:石川幸宏(DVJ BUZZ TV)

Blackmagic Cinema Camera(BMCC)は、既存のカメラメーカーの製品とはコンセプトもデザインも異なるデジタルシネマカメラだ。今回から5回に分けて特集していくが、第1回目はまず、BMCCとは一体どんなカメラなのか、そのアウトラインから紹介していこう。

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衝撃のデビューから1年半 高まりつつあるプロの評価

2012年4月、米ラスベガスで行なわれた世界最大の映像機器展NAB Showでは、誰もが予想していなかった展開が待っていた。ブラックマジックデザインが突如Blackmagic Cinema Camera(BMCC)を発表し、話題をさらったのだ。

そもそもポストプロダクション関連の機材メーカーであるブラックマジックデザインという会社から、デジタルシネマ対応の高性能レコーダーやコンバーターならともかく、まさかカメラ本体が、しかも本格的なスペックを持つシネマカメラが発表されるとは、業界の誰もが夢にも思っていなかった。しかも当時の発表価格は日本円で約25万円という、破格の値段でである。

このセンセーショナルな発表以後、一部のファンユーザー以外は、かつてREDが登場した時と同様に、本流のカメラメーカー製品ではないという先入観や懸念、また従来のカメラとは全く異なる仕様などその斬新なアプローチに馴染めず、特にハイエンドプロの世界ではその存在は、“まずは様子見”といった状況だった。

しかし発売から約1年、基本的なポテンシャルの高さからその認知が次第に広がり、また、たびたび行なわれるソフトウェアのファームアップ、さらにポストワークフローとの親和性、そして新たなラインナップの登場など、進化と話題に事欠かないBMCCは、ここに来て徐々にプロ映像業界においても評価が高まりつつあり、その市民権を得ようとしている。

TVCM撮影の世界でも、ロケハン用途やセカンドカメラとして、いくつかの現場でも活躍し始めたようだ。

レンズマウント別で2タイプがあるBlackmagic Cinema Camera

■Blackmagic Cinema Camera EF
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■Blackmagic Cinema Camera MFT
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※EFタイプとMFTタイプでは、レンズマウンドの違いにより周辺機構のみに若干の相違がある。EFマウントタイプでは、キヤノンEFレンズ、ならびにZEマウント互換で電子アイリス制御により、ピクセルがグリップされないようにアイリスボタンがレンズのアイリス設定を自動調節。MFTマウントタイプは、パッシブ方式マイクロフォーサーズ(MFT)マウントで、マニュアルアイリスコントロールの全てのレンズに対応。

価格は両タイプとも215,800円 ※価格はすべて、2013年11月現在のものです。

なぜ注目を集めるのか? BMCCの斬新な4大特徴

13ストップ/ワイドダイナミックレンジ

BMCCの魅力を語る上で、最も注目されるのはダイナミックレンジの広さだろう。ARRI ALEXAの14ストップに匹敵し、キヤノンCINEMA EOS SYSTEMの12ストップを超える、13ストップというダイナミックレンジを持つ。同じ価格帯のDSLR機が実質8〜9ストップであることを考えれば、まさに驚異的だ。

そこで得られる豊かな階調は、高性能なシネマカメラの画質でありながら、データ・ワークフローにおいては、ポスプロにおけるカラーコレクション作業を入力時点から考慮した、パイプライン・コンシャスなキャプチャーマシンと言えるだろう。

多様な収録形式

そしてCinemaDNG形式による、RAWデータ収録。非圧縮12bitによるRAWデータを、カメラ内蔵のレコーダーでSSDに収録可能にしたこともまた、BMCCの大きな魅力となっている。現状では最終納品がほとんどHD、もしくは2Kサイズなので、ネイティブ2.5KでRAWデータ収録されたものをHDサイズへ凝縮することで、他のカメラのクロップ方式とは違い、より密度の詰まったハイクオリティなHD画像を得ることができる。

また運用効率を優先するならば、最初からHDサイズ(1920×1080)のままで撮影して、ProRes422HQ、DNxHDでも出力可能なので、フレキシブルでよりスピーディーな処理フローも実現できる。さらにはロケ現場等でのプロキシー対応では、DeckLinkシリーズなどの同社のキャプチャーデバイスに付属しているソフトウェア“Media Express”を使用すれば、MacやPCなどへ直接Quick Time形式他での取り込みも可能など、用途に応じた収録形式、出力方法が多彩に用意されている点は、まさに次世代カメラを先導するものだ。

ボックスデザイン

一見して目を惹く、極めてシンプルで特徴的なその筐体デザイン。そもそもデジタルカメラとしての機能を持たせるための必要パーツは、センサー、レンズマウント、モニター、入出力端子である。それをシンプルな小箱にまとめたのがBMCCだ。従来は手持ちの操作性やフィット感を意識したエルゴノミクス(人間工学)性を追求したものが多かった中で、その線を完全に否定したようなボックス型は斬新だ。

これはDSLRムービーが隆盛になって以降、急速に拡大したカメラサポート製品市場においてリグや各種サポート・イクイップメントを自由に作ることができるという、現況のカメラ周辺機器の市場ニーズも考慮してのことだと思われる。様々な撮影シーンに応じたスタイルが求められている現在のカメラシューティングの現場で、アイディア次第で如何様にもアレンジできるシンプルな筐体は、いま最もニーズトレンドなデザインだ。

DaVinci Resolve&Ultra Scope

さらに製品パッケージを魅力的にしているのは、カラーコレクションシステム“DaVinci Resolve”の正規版(単体価格:107,800円)と、コンピュータインターフェースによる波形モニターシステム“Blackmagic Ultra Scope(単体価格:74,980円)”を同梱していること。

特にカラーコレクション普及の要因となった、DaVinci Resolveの普及度がハイエンドからアマチュアまで全てのレンジで急速に高まっている中で、215,800円でカメラとソフトを同時に入手できることは、購買意欲を大いに駆り立てる。

Blackmagic Cinema Camera 基本仕様

● センサー:2.5K(2,592×2,192 pix)CMOSセンサー搭載
● 実働センサーサイズ:15.81×8.88㎜
● ダイナミックレンジ:13ストップ
● フレームレート:23.98p、24p、25p、29.97p、30p
● 収録形式:非圧縮 12bit Cinema DNG(RAW)
      (収録サイズ:2432×1366pix)
      Apple ProRes HQ(収録サイズ:1920×1080)
      Avid DNxHD(収録サイズ:1920×1080)
● 収録メディア:リムーバブル 2.5″SSDレコーダー内蔵
        (256GB/非圧縮RAW 約30分/ProResHQで約5倍)
● 映像出力:3G、HD-SDI/Thunderbolt
● オーディオ入力:1/4インチ バランス・オーディオ端子×2(Mic/Line)
● オーディオ出力:4チャンネル HD-SDI
● マイク/スピーカー:モノラルマイク/モノラルスピーカー内蔵
● タッチスクリーン:5インチ(800×480)液晶
          (タッチ入力によるメタデータ書込み可)
● その他の端子:ヘッドフォン端子/LANCリモコン端子
● 付属品:DaVinci Resolve(正規版)、Ultra Scopeを同梱
● サイズ:166.2㎜×113.51㎜×126.49㎜
● 重さ:EFタイプ:1.7kg、MFTタイプ:1.5kg

※この記事はコマーシャル・フォト2013年10月号 特集「Blackmagic Cinema Camera」を転載しています。

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