Blackmagic Cinema Camera

ユーザーはBMCCをどう評価しているか

石川幸宏(DVJ BUZZ TV)

BMCCを仕事に活用しているユーザーは、このカメラをどのように評価しているのだろうか。カラーグレーディングの先駆者として知られる英国のカラリストGiles Livesey氏、CMやPVの撮影技術会社である株式会社スパイスの三浦徹氏に話を聞いた。

Cinema DNG RAWでカラコレの可能性が広がる:Giles Livesey

img_special_blackmagic04_01.jpg Giles Livesey(ジャイルズ・リヴァシー)/カラリスト

BMCC撮影におけるポストプロダクション・パイプラインでは、やはりDaVinci Resolveをワークフローの中心に置くことが重要です。特にプリグレーディングをオンセット(現場)で行なうことができれば、きちんと色の乗った状態のタイムコード付き素材をエディターに渡すことができるので、最終イメージをハッキリつかむことができます。

従来の色の乗っていない状態の素材で編集を進めるよりも、これの方がよりクリエイティブな編集作業を行なうことができると思います。今秋のResolve 10へのバージョンアップでは、さらに本格的な編集機能もついているので、オンセット作業の段階でカラーの状況から判断してその場で使いどころのカットも選べますし、予め良いショットだけをEDLやXML等のファイルで本編集へ渡すこともできます。

BMCCのCinemaDNG RAWはとても扱いやすく、これまで以上にプライマリー段階でのカラーコレクションの幅が大きく広がりました。例えば、ホワイトバランスがキッチリと取れている映像素材であれば、ProRes422HQやDNxHDの素材でも、最終的にRAWと同じような状態に持っていくことは可能ですが、もし仮にそこが適正な状態で撮られていなかった場合、後からの補正はかなり難しいのです。

img_special_blackmagic04_02.jpg DaVinci Resolveには「BMD Film」というガンマメニューが装備されている。

でもCinemaDNG RAWのデータであれば、例えホワイトバランスが間違っていても全く問題ありません。現場でCinemaDNG RAWの色を確認するためにCamera RAWのガンマメニューに“BMD Film”というモードが装備されています。これは、BMCC用に作られた、RAWの状態そのままの素材が見られるカラースペースです。これを使用することでどんな状態で撮られていても、RAW素材のフラットな状態で画像を再生することが可能です。

特に合成素材を数多く撮影する際に様々なガンマカーブで撮ってしまうと、素材管理も大変ですがCinemaDNG RAWで撮影してあれば、後処理での調整も自由なので何も問題はありません。

BMCCのCinemaDNG RAW素材は非常に柔らかなガンマカーブなので、ALEXAのLog-Cの状態ととても良く似ています。ALEXAのLog-C素材との違いは、もちろんカラリストが見れば見分けは付きますが、カラーコレクションを追い込んでしまえば、最終の仕上がりでは一般にはほとんどその違いはわからないでしょう。

CMの現場でALEXAやPhantomと一緒に運用している:三浦徹

img_special_blackmagic04_03.jpg 三浦徹/ビデオエンジニア&
デジタルイメージテクニシャン

発表当初からこの筐体サイズで非圧縮RAWデータで撮影できるというところに非常に興味があり、当社では2012年の8月くらいに海外からの購入でかなり早期に導入し、色々なテストを開始しました。最初にBMCCの素材をDaVinci Resolveにインポートして見たときに、その綺麗さに驚きました。

これまでのDSLR等で撮った圧縮された素材ですと、どうしても人物等のハイライトや暗部のところがぼやっとしてはっきりしなかったのですが、BMCCで撮影した素材は圧縮されていないため最初からシャープネスが高い状態で入ってきているので、人の顔の輪郭などエッジ部分のディテールがクッキリと表現されていて、こんなにクリアなのか! と驚きました。

導入当初は、DaVinci ResolveにはLUTがRec.709のビデオ的なものしかなかったので硬めの画像でしか出力されていなかったのですが、そのうちDaVinci ResolveがBMCCと連携するようになり、“BMD Film”というLUTのようなガンマカーブが用意されました。

これに設定すると、ちょうどALEXAのLog-Cのようにハイが寝て、本当のRAWのネイティブのような状態で見られるようになります。そこからカラーコレクションを追い込んでいくと、ALEXAのLog-Cで撮ったようなとても柔らかい感じの素材の質感が表現され、ALEXAの撮影素材と比べても遜色ないくらいまで追い込めるということがわかりました。

BMCCはALEXAに比べてひと絞り少ないのですが、撮影次第で13ストップのダイナミックレンジがとても活きてくるので、他のカメラでは難しいALEXAの素材とのマッチングも可能になります。またBMCCのCinemaDNG RAWデータは、DaVinci Resolveに入ってしまえば取り扱いにくいということは全くなく、使いやすいと思います。

img_special_blackmagic04_04.jpg
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スパイスが所有するBMCC(EF)は、オリジナル加工のPLマウント仕様に改造。本体を改造加工してしまうと保証が効かなくなるため、直接的な加工はせずにEFマウントが止まっている4点ネジを外し、その上にオリジナルのPLマウントユニットを同じ4点ネジではめ込む構造になっている。

すでに実際の現場での撮影を行なっており、昨年末に車のCMを撮影した時に、ARRI ALEXA、Phantomと共に3台体制で撮影したのが最初の使用実績です。その後、あるCMではロケハンのときに撮った素材をそのまま合成素材として利用したというケースもありました。

やはり予算のない案件での利用が多く、ALEXAを2台借りられない場合のBカメ的な使い方や、そのほかPhantomでハイスピード撮影する場合でも使われます。Phantomでシズル感などのスローモーション撮影をメインにする場合、もう1台は予算的にどうしてもALEXAやEPICが使えないことがあって、そういう時に同等のラチチュードが稼げるBMCCは大変重宝します。

こうした場合、これまで多くの現場ではDSLRムービーで撮影していましたが、CinemaDNG RAWの画質がそれらの素材とは明らかに違うので、我々の現場では現在ではすでにBMCCが主流になっています。


※この記事はコマーシャル・フォト2013年10月号 特集「Blackmagic Cinema Camera」を転載しています。

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