カメラとイメージングの総合展示会「CP+」が、今年も2月22日から横浜の「パシフィコ横浜」にて開催となった。
コロナ禍での開催中止が続き昨年、再開となったこのイベントだが今年はインバウンドの影響も強く見られ、会場はとても賑やかだった。
ここ数年は国内イベントであるこのCP+に合わせた新製品発表も少なくなり、この会場で初お目見えの製品も珍しくなったがイメージング業界の貴重なお祭りとして楽しめるイベントだった。
(写真・文◎吉村 永)
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●COLBOR

中国の照明機器メーカー「COLBOR(コルバー)」。使いやすくコンパクトなLED照明機材で注目される新しいメーカーだ。さまざまな電源に対応、ライトをNATOレールを使って連結して使えるようにするなどの工夫を凝らしたモデルが用意されていた。

スマホを一回り大きくしたほどのサイズの超小型LEDライトWシリーズ。「W100R」(左上)は90WのRGBライトで29,999円、「W60R」(右下)は、54WのRGBライトで25,999円。左のグリップハンドルはバッテリーでD-Tap出力。ディフューザーやソフトボックスなどのアクセサリーも用意されている。

参考出品の600Wクラスの大光量LEDライトシステム。多機能表示パネル付きのバッテリーユニット部分では、光量が0.1%という小ささまで絞れることが確認できた。市価20万円前後でリリースされそうなので期待大!
●EVOTO

EVOTOは、シンガポール発の人物写真専用AIレタッチソフト。ブースでは、モデル撮影からそのままレタッチへと移るデモンストレーションが展開されていた。

難しい操作をすることなく、後れ毛の消去や背景の交換、ツルツルになりすぎない肌補正などが行える。

実際のパソコン上でどれだけの効果があるかを確かめることができる。ソフトウェアは誰でもダウンロードできて効果を試すのは無料、できた写真を書き出すのは1200枚書き出し以上のプランに加入する必要があり、プランにより1枚あたり7〜10.5円のコストがかかる。
●NEEWER

Amazonなどでよく見かける安価な写真機材の中国メーカーとして知られていたNEEWERだが、最近は本格的な照明やカメラリグ、アクセサリーなどのメーカーとしてラインナップも品質も大幅に向上してきた。

演者がカメラ目線のまま原稿を読むことができるテレプロンプター「X17 II」(39,999円)。iPadに専用アプリで原稿を表示し、それをハーフミラーでカメラのレンズ前に投影するものだ。折りたたんでケースに入れられるポータブルタイプで、4mほど離れた位置からでも原稿が読める。

わずか390gというハンディサイズのスティック状RGB LEDライト「RGB1」(12,999円)。内蔵バッテリーで90分使用可能で、操作は背面のタッチバーで行える。スマホアプリ連携で、音楽に合わせた色変更と点滅効果なども楽しめる。ジップロックに入れて水中使用などのアイディアも◎!!

上部にハンドルの付いたユニークな形状の400Wsバッテリーストロボ「Q4 400Ws 2.4G TTL」(62,999円)。TTL、ワイヤレストリガー、HSS、後幕/先幕シンクロに対応し、最大光量でチャージ時間は1.2秒、400回発光の頼もしさ。スタンドが立てにくい場所でのロケ撮影にも便利そう。
●revolve

英国の「revolve tec」のブースでの展示製品は三脚と一脚の各一種。日本での販路はまだ未定だが、英国紳士がにこやかに迎えてくれる。

この小さなバッグにフルサイズの三脚が収納されているという。。??
飛行機で荷物を預けなくても良さそうなのはありがたいのだが、果たしてどういう仕組み?

バッグの中身は、カーボンシートが丸められた形で収納されている。これをするすると伸ばせばカーボンチューブの出来上がり。右後ろに見えるフルサイズの三脚の脚になるというわけ。耐荷重は驚きの20kg!

バッグの収納物はこんな感じ。カーボンシートは6枚入っており、ローポジション用の短いものとフルサイズの長いものが各々3枚。高さの微調整はセンターポールの上げ下げと開脚度調節で行える。
●SUNEAST

高性能なメモリーカードを中心に展開する日本メーカーのSUNEAST。ブースではSDカード、micro SDカード、CFexpress Type B、SSDドライブなどを展示していた。

今回の参考出品。左から最大読み込み速度2000MB/sの高速ポータブルSSD、CFexpressカードリーダー、中央は後述、そしてビデオ規格VGP400対応と、CFexpress4.0対応のカード。

先の写真中央にあったのは「Pita」という名前のポータブルSSD。AppleProRes収録可能で話題になったiPhone 15にMagSafe対応のマグネットでぴたりと張り付き、長時間の収録が可能になる。1TBと2TBが用意される予定だ。
●お祭り

TAMRONでは、「BMW & MINI Racing」と共同での展示。レースクイーンっぽい女性モデルがハイレグでないのはさすが令和の展示会といったところか。

PERGEARのブースでは、CineWindという撮影用のポータブルファンを展示。庭用のmakitaのブロワーで髪をなびかせていたのは、これもやはり昭和の時代だったからなのか。セーラー服のお姉さんはずっと風に吹かれ続けながら何やらスマホ配信のようなことを続けておりました。

富士フイルムでは和テイストなステージが。確かにこれ、高解像度がどれほどのものか服地などで試したくなりますな。
CP+(シーピープラス)2024
会場イベント:2024年2月22日(木)~ 25(日)
開場時間・10:00~18:00最終日のみ17:00まで
会場イベント:パシフィコ横浜

コマーシャル・フォト 2025年7月号
【特集】レタッチ表現の探求
写真を美しく仕上げるために欠かせない「レタッチ」。それはビジュアルを整えるだけでなく、一発撮りでは表現しきれないクリエイティブな可能性を引き出す工程でもある。本特集では、博報堂プロダクツ REMBRANDT、フォートンのレタッチャーがビジュアルの企画から参加し、フォトグラファーと共に「ビューティ」「ポートレイト」「スチルライフ」「シズル」の4テーマで作品を制作。撮影から仕上げまでの過程を詳しく紹介する。さらに後半では、フォトグラファーがレタッチを行なうために必要な基本的な考え方とテクニックを、VONS Picturesが実例を通して全18Pで丁寧に解説。レタッチの魅力と可能性を多角的に掘り下げる。
PART1
Beauty 石川清以子 × 亀井麻衣
Portrait 佐藤 翔 × 栗下直樹
Still Life 島村朋子 × 岡田美由紀
Sizzle 辻 徹也 × 羅 浚偉
PART2
フォトグラファーのための人物&プロダクトレタッチ完全実践
講師・解説:VONS Pictures (ヴォンズ・ピクチャーズ)
基礎1 フォトグラファーが知っておくべきレタッチの基本思想
基礎2 レタッチを始める前に必ず押さえておきたいポイント
人物レタッチ実践/プロダクトレタッチ実践
ほか