Nikon デジタル一眼レフ プロの現場

B0サイズの10連貼りポスターをニコンD800Eで撮影

35mmのデジタル一眼レフとして世界最高の3630万ピクセルを誇るニコンD800/D800E。中判デジタルに迫る超高画素機を、プロのフォトグラファーはどのように使いこなしているのか。最新の事例とともに紹介しよう。

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ニコン D800E
有効画素数3630万ピクセルの35mmフルサイズセンサーを搭載したD800。その高い基本性能と機動性を一切損なうことなく、より高い解像感を実現したモデルがD800Eだ。今回紹介する事例の撮影では、このD800Eが使用されている。
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ニコン Nikon 1 J4 これが、わたしの写真です。(交通広告・パンフレット・Web) 企画制作=電通 CD=鹿子木寛 AD=原田珠美 P=井上佐由紀 ST=伊賀大介 HM=牧田健史 Model=本田翼 Ret=桜井素直

Nikon 1 J4は、女性の手にも収まるくらいのレンズ交換式デジタルカメラ。小さなボディからは想像できないほどの高速連写と高画質を特長としており、そのレンズを通して見れば、ふだん目にしている日常がいつもと違う表情をのぞかせる。広告では「これが、わたしの写真です。」のコピーと共に、女優・本田翼がいつもと違うナチュラルな表情で登場し、このカメラの持っている世界観を表現している。

一連の広告は駅貼りポスターをはじめ様々な媒体で展開されているが、一番大きなサイズはB0サイズの10連貼り(ページの一番下参照)。そのため、撮影には3630万ピクセルのニコンD800Eとニッコールレンズを使用しているという。その撮影舞台裏を詳しく見ていこう。

制作者に聞く

D800Eは解像度が高いだけでなく
空のグラデーションや人物の肌がきれいに写り
特にハイライトの表現が豊かになった

Nikon 1 J4 の広告を撮影したのはフォトグラファーの井上佐由紀氏。フィルムもデジタルも使う井上氏に制作の舞台裏について聞いた。

シャープでクリアな画質のD800Eとニッコールレンズ

──デジタルカメラはいつ頃から仕事で使っていますか。

img_products_nikond800e03_02.jpg 井上佐由紀氏  撮影:坂上俊彦

井上 私の師匠は蓮井幹生なんですけど、その師匠が10年以上前から「いずれデジタルカメラで仕事をすることが増えるはずだから、今からデジタルも同時に勉強しておいた方がいいぞ」と言っていたので、アシスタント時代からフィルムとデジタルを並行して勉強していました。独立して10年になりますが、自分の作品はフィルムで撮っていて、仕事ではほぼデジタルです。

──普段はどんなデジタルカメラを使っていますか。

井上 デジタル一眼レフも使いますし、中判デジタルバックも使いますが、本田翼さんを起用したNikon 1 J4の広告ではニコン D800Eを使いました。D800Eはハイライトや空のグラデーションが柔らかくて、人物の肌もすごくきれいに出るなと思いました。

自分の作品に関してはフィルムで撮っているんですが、ハイライトの表現は、デジタルよりもフィルムの方が一日の長があると思っています。でもD800Eのハイライトはかなりいい感じですし、逆光で人物を狙ってもエッジの部分が粗くなったりしません。

──D800Eは解像度も高いですね。

井上 そこは一番びっくりしました。広告の仕事だとデザインの関係で一回り引いて撮ることも多いのですが、このカメラはそういう場合でも全然問題ありません。今回一番大きな媒体はB0サイズのポスターで、実際に駅で貼られているのを見たんですが、とてもいい感じに仕上がっていました。

──今回はいろんなシチュエーションで撮影されていますが、レンズは何を使いましたか。

井上 テストの段階では、ズームはもちろん、単焦点の広角から望遠まで、かなり多くのニッコールレンズを試しました。本番では人物撮影に合わせて単焦点のAi AF DC-Nikkor 105mm f/2D、それからズームレンズの性能も結構いいので、AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G ED、AF-S NIKKOR 70-200mm f/4G ED VRを主力として使いました。

もともと学生時代からニコンのフィルムカメラを愛用していましたし、師匠が初めて導入したデジタルカメラもニコンでした。昔からニコンを使ってきて思うのは、レンズの性能がとても良いということ。独特のシャープさと透明感がありますよね。

後継機のD810ではさらなる画質向上を実感

──今回の写真の狙いはどんなところにあるのでしょうか。

井上 本田翼さんのイメージは、いつも元気で笑顔の可愛い女の子という感じですが、今回はコピーが「これが、わたしの写真です。」なので、彼女がふだん見せないような表情、1人でいるときにしか見せない一面を引き出そうと思いました。そういう写真の狙いと、ニッコールレンズの持っているトーンや、D800Eのクリアな画質がうまくマッチングしたと思います。

──撮影時のエピソードがあれば教えてください。

井上 冬に撮影をする場合、中判デジタルだと気温の影響で動作が鈍ることもあるのですが、D800Eは寒い環境でも問題なく使用することができました。タレントさんの撮影でカメラが動かないというのは絶対に避けなければいけないことなので、本当に助かりました。

また、中判デジタルだとISO200の感度でもノイズが出ることがありますが、D800EはISO640やISO800に上げても大丈夫ですし、ロケでの機動力は高いですね。これ以降、他の仕事でもD800Eを頻繁に使うようになりました。

──最近、後継機としてD810が発売になりました。ローパスフィルターが完全になくなり、画像処理エンジンも新世代になっています。

井上 つい先日、仕事で使ってみました。画素数はD800Eと変わらないんですが、さらに画質が向上したように思います。屋外で人物を撮ったのですが、肌の色がクリアで、一枚ベールをはがしたような感じ。空もニゴリがなくなったという印象です。

それからシャッター音がすごく静かになっていて、これは劇的な変化だと思います。営業中のカフェでロケをしたのですが、音が静かなので、周りの人に対する配慮も行き届きますね。

できれば今後も、D810を使っていきたいと思っています。

img_products_nikond800e03_03.jpg Nikon 1 J4のB0サイズ10連貼りポスター。上段の左から3枚目は、ページトップの写真からトリミングしたものだが、画質的に全く問題はなかったという。 ※画像をクリックすると拡大表示


協力:株式会社ニコンイメージングジャパン
D800 / D800E ホームページ http://www.nikon-image.com/products/camera/slr/digital/d800/


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