2014年04月22日
若手フォトグラファー2名にアスカネットのマイブック、アマナイメージズ Visual Book Proをそれぞれ使用してもらい、写真の組み方、印刷品質や本の体裁、質感など既存のポートフォリオブックとの違いなどを含めて使用感をレポートする。今回は、アマナイメージズVisual Book Proを使用したTOMOKAZU HAMADAさん。
アマナイメージズVisual Book Proを使用して完成させたフォトブック
世界観を存分に出した写真集を作る
───どういった仕事をされてますか?
HAMADA ファッションカタログや、美容業界誌が主ですね。以前は積極的に持ち込みをしてたんですけど、最近はあらかじめWebで作品を見てもらって決まったり、スタイリストの紹介で撮影する場合が多いです。
───どんなプロモーションツールを使ってますか?
HAMADA 基本的にブックだけです。ブックの他には、仕事になったカタログや冊子の現物を持ち歩いています。フォトブックを作るのは初めてですね。
現在のプロモーションツール
───今回、フォトブック構成のポイントは?
HAMADA 気を付けたことは色を意識した構成とバランスです。全て同じ手法で撮られた写真ですけど、写真によって“強い”“弱い”があるので、平坦な印象にならないようにはバランスをとってます。と、言ってもほぼ感覚ですけどね(笑)。
───表紙と表4の作り方が印象的ですね。
HAMADA 写真の候補はいくつかあったんですが、中の構成に一番しっくりくるなと。敢えて表紙の写真をひっくり返して、不思議な世界観を出しました。表4は表紙と同じ写真を正位置で。表4に持ってくるような写真がなかったと言うのが、正直なところです(笑)。だったら、アートディレクションの部分で少し面白いことをしようって意図があります。
ストーリーがある構成や緩急をつけた組みにしているわけではないので、逆に表4(写真が正位置の方)から見てもらっていいですし。見た人が思ったように見て欲しいです。デザインワークで作るのは、僕の実力では無理だなと考えて、自分の写真でシンプルに攻めました。
───ページ数は? 30Pをセレクトされてますね。
HAMADA 最低でも30Pはあった方がいいなと思いました。ざっくりセレクトした写真は初め80枚くらいあったんですよね。でも全部入れるとゴチャゴチャになりそうだったので、その中から厳選してコンパクトに30Pがいいなと。
───レイアウト作業はいかがでしたか?
HAMADA Photoshopで作業したんですが、とても簡単でした。レイアウト作業は単純に写真をはめ込んでいくだけです。Photoshopの方が使い慣れてるから安心感があります。完成が楽しみですね。
編集過程
───完成品をご覧になっていかがですか?
HAMADA 色は自分で出力したものと一緒ですね。黒潰れもしてないし。元々、僕の写真は黒潰れしやすいので、黒が混じる部分はすごく気を遣うんですよ。全体的に色が綺麗に出ていて良かったです。
───紙の質感はいかがですか? 初めからマットを希望されてましたよね。
HAMADA 光沢だと作品のトーンに全然合わないんです。ブックだとマット紙に出力しても、リフィルに入れるとどうしてもピカピカに見えてしまいますけど、これなら純粋にマットな質感で写真が見せられる。もっとマット感が強くてもいいくらいだなあ(笑)。
それに、サイズが変わるとブックと見え方がずいぶん変わりますね。このサイズ(A3Q 266×266mm)だとどちらかと言うと、6×6に近い印象かな。個人的にはギリギリにトリミングして良かったなと。この微妙な余白がいいのかなと思いました。
───プロモーションツールとしてどう使いますか?
HAMADA 営業先にブックとセットで持っていこうかと。人に写真の説明をするのが上手いほうではないので、口で説明するより先に、相手に自分のテイストが飛び込んでいくようなものを作りたいと思っているんですね。今回はそれができて良かったです。
完成したフォトブック
完成したブック。
形態:ビジュアルブックプロEX/サイズ:A3Q
(266×266mm)/ページ数:30P/専用ブックカバー箔押しなし/ラミネート加工(マット)/巻きカバー付き
TOMOKAZU HAMADA
1979年 大阪生まれ。スタジオ勤務後、フリーランスとして活動。国内外でファッションを中心にポートレイト、音楽雑誌などでも活動中。フォトグラファー活動の他、海外マガジンエディターとしても活動している。noise999.jimdo.com/
※この記事はコマーシャル・フォト2014年3月号 特集「フォトグラファーのための高品質フォトブック」を転載しています。