2018年09月06日
演出家/映像ディレクターとしてMVやライブ映像作品の制作に、さらにはCM制作や番組の構成、舞台演出にと、幅広く活躍する奥藤祥弘さん。最近では、井上陽水やモーニング娘。'18、桑田佳祐、氷室京介、さらにはTHE ORAL CIGARETTES、和楽器バンド、女王蜂といったアーティストのMVやライブパッケージを手がけ話題を呼んでいるが、今回はその奥藤さんにサンディスクの外付け高速SSD「エクストリーム900 ポータブルSSD」と、持ち運びなども可能な小型の「エクストリーム ポータブルSSD」をテスト使用してもらった。超高速保存メディアは、プロの現場でどう活用されたのだろうか。
THE ORAL CIGARETTES「容姿端麗な嘘」Music Video
制作=祭 Dir=奥藤祥弘 P=橋本聡
ねごと - LIVE BD/DVD「“ETERNALBEAT” 」
制作=P.I.C.S. Dir=奥藤祥弘 P=今村辰也
1985年生まれ。ミュージックビデオ・ライブ映像を中心に、TVCMやイベント映像も手掛ける。
──最近はどんな映像作品を手がけたのでしょうか?
奥藤 Zepp Tokyoとさいたまスーパーアリーナでのライブ撮影とMV撮影、さらにはアトラクション向けの映像の撮影なども行ないました。
ライブ収録では10〜15台ほどの放送用のフルHDのカメラを使いました。MVは4K撮影ができるソニーFS7 IIで、アトラクション向けの映像はREDで4K収録しています。
──ライブの収録ではデータの扱いに特徴がありますか?
奥藤 ライブ収録の場合、規模にもよりますが10〜15台のカメラを使い、それぞれ2時間ほどの映像を収録することになりますので、データ量が膨大になります。フルHDで撮ったとしても、合計で800GBくらいになると思います。
MVの場合は一曲はだいたい5分程度ですから、4Kで10〜20テイク撮影したとしてもそこまで大きくはなりません。
──データはどのように保存して扱うのですか?
奥藤 私の場合、1台の外付け記録メディアに1つのプロジェクトのすべてのデータをまとめて保存しています。撮影データや編集中のデータ、さらには編集後の完成データの出力先としても利用します。2時間のライブだと2TBは必要になりますね。
──外付け記録メディアの性能が作業効率と密接に関係していると言えそうですね。
奥藤 個人的にはこれまで2度ほど、外付けメディアが革命的に進化した体験をを実感しています。1度目がFirewire 800の外付けHDDが登場した時、2度目がUSB3.0やThunderbolt規格の外付けHDDが登場した時なんですが、今回、サンディスクの「エクストリーム900 ポータブルSSD」を使ってみてこれが3度目の進化の経験なのかな、と感じました。
──どんな作業でそう感じたのでしょうか?
奥藤 ライブ収録では撮影が終わったところで、それぞれのカメラの記録メディアを手元に集め、内容を確認しながら1台の記録メディアにコピーをするのですが、これまでのHDDを使うとライブ終了後、4時間以上かかるので、メディアを持ち帰って作業をしていたのですが、エクストリーム900 ポータブルSSDに変えたところ約1時間半、ライブの撤収作業が行われている間に終わってしまんたんです。カタログには最大転送速度が850MB/秒とありますが、実際にこれまでとは次元の違うスピードが出ていると感じました。
奥藤監督はサンディスク製品のヘビーユーザーでメディアも各種揃えている。
──編集作業はどうでしたか?
奥藤 フルHDの映像はもちろん、ソニーのFS7 IIで撮影した4K映像でも、エクストリーム900 ポータブルSSDに保存してあるネイティブデータをダイレクトに読み込みながら編集することができました。REDで撮影した4K映像は編集用のPC環境の問題もあって、いったんプロレゾに変換してから作業をしたのですが、こちらもまったく問題ありませんでした。
──書き出し作業についてはどうですか?
奥藤 書き出し時間がかなり短縮できたのもそうなんですが、ポスプロでクライアントさんを前に部分的な編集をして出力する、といった作業を高速かつスムーズに進めることができました。地味な点ですが、映像の仕事をしている者なら誰しも嬉しくなるポイントだと思います。
──一方、「エクストリーム ポータブルSSD」のほうは、550MB/秒の速度を実現しつつもサイズが小さく、2メートルの高さから落としても問題ないという堅牢さが特徴です。
奥藤 今回はバックアップ用に利用したのですが、飛行機の移動時のような、荷物サイズが制限されるケースでは特に便利だと思いました。移動のことを考えると、堅牢さも嬉しい点ですね。
──その他、実際の使い勝手の面で、他になにか感じたことはありますか?
奥藤 現在、使用している某社の外付けHDDは、ケーブルごと収納できる頑丈なハードケースが付属しているんです。そうしたケースがあると見やすいラベルを付けておくことができ、複数台を並行して運用する場合にも間違えることもない。そんなケースを用意していただけるとさらに嬉しいかな、と。
──今後の仕事にも役立ちそうでしょうか。
奥藤 ええ。現在のワークフローにも自然に入れ込むことができますし、「もっと前から使っておけばよかった」と、ちょっと後悔しています(笑)。外付けHDDに比べるとやや高価ではありますが、時間と安心を買うと思えば、コストパフォーマンスは高いと思います。
Type-C対応、プロ仕様の超高速ポータブルSSD。最大850MB/秒の超高速転送により、ポータブルHDDの最大9倍の速度を実現。最大容量は1.92TBと、 4Kビデオでの作業、高解像度写真の撮影、大きなグラフィックファイルの作成に大きなメリットが得られる。
USB 3.1 Gen 2に対応し、最大速度550MB/秒のデータ転送速度を実現した、ポータブルSSD。防塵防滴性能や最大2メートルの落下に耐える高耐久性能を備え、屋外でも安心して利用できる。データ復旧ソフトが付属し、3年間保証を備えている点も心強い。
協力:サンディスク(株)
ホームページ www.sandisk.co.jp