2022年02月15日
「商品写真」の目的は、商品の形、色、材質、さらにはクオリティやイメージを正しく伝えること。その目的に合わせて最適なレンズやライティングが決まります。
この連載では「商品撮影」を基本から考えます。
光の硬さによって商品の質感やイメージが変わります。ライティングでは光の硬さをコントロールすることが大切です。
スタジオでライトを使う場合は、ディフューザーを使って光の硬さをコントロールします。
ディフューザーの役割は、光を柔らかくすることとハイライトを綺麗に伸ばすことです。
ディフューザーの素材には、トレーシングペーパー、堀内カラーディフュージョンフィルター、ユポ、乳白アクリルボードなどがあり、目的や被写体に合わせて使い分けます。
またライトとディフューザーの距離を変えることでも、光の硬さは調整できます。
窓辺の撮影
窓からの距離を変える
窓辺からの自然光での撮影。窓と被写体の距離が離れるほど、 光は柔らかく暖色になっていく。
ディフューザーの種類による
光の硬さの変化
ライトから20cm離してトレーシングペーパーと乳白アクリルでの撮り比べ。
厚みのある乳白アクリルの方が光が柔らかくなる。
リフレクター直光で、光が硬い。(写真左)
光が拡散して影も柔らかくなる。(写真中央)
さらに光が柔らかくなる。(写真右)
ディフューザーと
光源の距離を変える
光源(ライト)とディフューザーの距離でも光の硬さは変化する。
距離を変えることで、被写体に合う光の硬さに調整する。
光源にディフューザーを近づける。光が硬くなる。(写真左)
光源からディフューザーを離す。光が柔らかくなる。(写真右)
柔らかい光と
硬い光の使い分け
ゴルフクラブでの「柔らかい光」と「硬い光」を使い分けた作例。
上の写真は稚内のゴルフ場で、早朝、小雨降る中、8×10カメラでの撮影。
周囲の木々がクラブに写り込んでいる。8×10で小さなものを拡大して
撮ることでのボケの良さと、自然光曇天の柔らかな光での金属表現。
下の写真はスタジオでのデジタル撮影。金属の素材感や塗装の粒子、
商品の凹凸などを繊細にライティング。硬い光で商品イメージを表現した。
自然光曇天での柔らかい光。
スタジオライティングで質感を出した硬い光。
黒川隆広 くろかわ・たかひろ
amanaにて、30年間、商品撮影を中心に活動。2016年退社後、アライアンス社員として連携。現在は大手ECサイト商品撮影講座講師、写真の学校特別講師他、セミナー、イベントなどで写真の学びの場を提供。プロからアマチュアまで、また企業から個人向けまで、プライベートレッスンも受け付けています。
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