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電源の取れないロケ撮影に有効な小型バッテリータイプ

解説:玉内公一

broncolor モービルA2R アガイ商事

broncolorの1200Wsバッテリータイプジェネレーター。フル出力(1200Ws)で、約130回の発光が可能なため、屋外でのファッション撮影などでも便利に使える製品だ。broncolorのヘッド、アクセサリーはすべて使えるが、機動性を活かした小型ヘッド、モビライト2と組み合わせたトラベルキットが用意されている。AC電源に繋いで、充電しながら、発光することも可能なため、スタジオでも使える。

ジェネレータースペックは、1200Ws×2灯出力。均等、不均等切り替え付き。不均等モードは、70%:30%、80%:20%。調光はFULL〜1/16を1/10EVステップ。リサイクリングタイムは2.9秒〜0.8秒(ファーストチャージモード)、5秒〜1.2秒(ノーマルチャージモード)。

発光回数はFULL光量で約130回(ファーストチャージ)、約170回(ノーマルチャージ)。RFS受信機と赤外線受信機を内蔵しており、RFSトランスミッターや赤外線発信器(IRX2、FCM2)を使用してワイヤレスでトリガーが可能。

img_tech_lightingguide02_16.jpg閃光時間 t0.1 (t0.5) :1灯1/230 (1/680)秒、2灯1/360 (1/1100)秒、RFS(ラジオ電波システム)有効距離:屋外50m/屋内30m(最大200m到達可能)、サイズ:240×152×294mm、重量:9.2kg。460,000円(税別)

img_tech_lightingguide02_17.jpgモービルA2R電源部は、3200Wsまでのbron colorのヘッドが使用可能

img_tech_lightingguide02_18.jpgモービルA2Rトラベルキット:モービルA2R電源部、モビライト2ランプヘッド、チャージャー、ショルダーストラップ、シンクロケーブル、専用バッグ。

TOKISTAR e-Z Flash PB2.0 ワイドトレード

2009年のPIEで登場したバッテリータイプストロボのニューフェース。ニッケル水素電池を使用してFULL出力(200Ws)で800回の発光が可能だという。

光量切り替えはシリーズカット方式を採用し、1/64光量まで1/3ステップ19段階。FULL出力時のリサイクリングタイムは2.5秒。通常の発光のほかマルチ発光モードも持っている。

標準セットでは取り外し可能な手持ち用グリップがセットされているが、アンブレラアダプターも用意されている。今後小型のライトバンクもラインナップされる予定。ホットシューシンクロケーブルが付属しているが、スレーブ機能は通常のフォトセルモードのほかプリ発光対応モードも装備している。

数十年前はこうしたタイプのバッテリーストロボが数社から出ていたのだが、当時の電池技術と銀塩フィルムでの撮影、そしてメーカー純正オートストロボの普及で、各社撤退してしまった。ちょっと空白の製品だったため、デジタルカメラ全盛の現在、どこまで需要が伸びるか、興味深い新製品といえる。

img_tech_lightingguide02_19.jpg最大出力:200Ws、ガイドナンバー:72〜9(1/64)、閃光時間:1/300〜1/9500、調光方式:シリーズ方式/マルチ発光方式、チャージ時間:2.5秒(FULL)、色温度:5600K。

img_tech_lightingguide02_20.jpg バッテリーチャージ:AC100V〜240V、サイズ:105×180㎜、重量:930g(本体)、790g(バッテリー)。実売価格70,000円。バッテリー単体の実売価格は30,000円

img_tech_lightingguide02_21.jpgimg_tech_lightingguide02_22.jpg
カメラ内蔵ストロボのプリ発光にも対応(1/1、1/2、1/4、1/8、1/16、1/32、1/64)する。2灯均等出力も可能。また、スタンド取り付け用の雲台にはアンブレラ取り付け部付き。

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玉内公一 Kohichi Tamauchi

ドイテクニカルフォト、コメットストロボを経て、2000年に独立。銀塩写真、デジタルフォト、ライティングに関する執筆、セミナーなどを行なっている。日本写真映像専門学校非常勤講師、日本写真学会、日本写真芸術学会会員、電塾運営委員。

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