Nikon デジタル一眼レフ プロの現場

フォトグラファーが検証するNikon D810の実力

「ニコン史上最高画質」と言われるD810は、3635万画素の描写力と35ミリ判ならではの機動力を併せ持つ注目のデジタルカメラだ。博報堂プロダクツのフォトグラファー2人にD810を使ってもらい、その実力を検証した。
協力:博報堂プロダクツ フォトクリエイティブ事業本部 www.h-products.co.jp/photocreative/

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今回の検証に参加したフォトグラファーはいずれも、普段からニコンのカメラを使っているだけでなく、中判デジタルでも数多くの撮影をこなしている。そんな彼らの眼にD810はどのように映ったのか、撮影の現場を振り返りながら語ってもらった。

高い解像度と秒間5コマの連写性能は
シズル撮影のクオリティを上げてくれる

大木謙一 Kenichi Ooki

img_products_nikond810_02_02.jpg P=大木謙一 Ret=浦田淳

ニコンのカメラは、解像度が上がるのに連れて使用頻度が上がっています。特にD800は画素数が大きくてレタッチやトリミングに耐えるので、出番が多いですね。

今回のD810の撮影では、35ミリ判の利点である速写性と、バックタイプに負けない解像力を、シズルを絡めて活かそうと考えました。細かい粒や水が飛び散る瞬間の表情を、自分の目で見てシャッターを切れるのは35ミリ判ならではだと思います。

解像度に不安がないので、D810だけで商品とシズルを撮影しています。同じカメラで両方を撮ると完成度が上がりますし、テンポが一定でスピードも速いので、集中してどんどん乗っていけるようなリズムで撮影できました。Capture One Proのバージョンが8になって、D810の転送撮影に対応したので、PCへの転送に関しては全然ストレスなかったですね。

img_products_nikond810_02_03.jpg シズルだけを撮影したショット。1回に3枚くらいの連写ができるので、シズルの表情が豊かになる。

シズル撮影に関しては、秒間5コマの連写スピードが効きました。バックタイプは1回の現象に対して1ショットしか撮れませんが、D810だと3枚くらい連写できるので、粉シズルが最初に飛び散ったところから、少しずつ形が崩れていくところまでいろんな表情が撮れる。それもまた仕上がりに影響するんですよね。

画質面でもD800から大きく進化しました。ラメやビーズなど細かい素材の1粒1粒を再現できているし、中間調の色の微妙な違いを表現できている。ダイナミックレンジも広がっているので、こういったハイコントラストな表現に向いています。トーンカーブの足元を少し締めるようなエフェクトをかけてもつぶれない。キラッとしてくるんですよね。

カメラの設定を「フラット」にすることで
街の中を自由に歩き回ることができた

廣瀬達郎 Tatsuo Hirose

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img_products_nikond810_02_05.jpg img_products_nikond810_02_06.jpg
img_products_nikond810_02_07.jpg P=廣瀬達郎

仕事ではニコンのD3SやD800を使用することもあり、プライベートでも常にカメラを持ち歩いています。この写真はヨーロッパに仕事で行った時に、街を歩きながらD810で撮影しています。

街の中の光はいろんな条件があるので、撮影後に画像調整することも考慮に入れ、白とび・黒つぶれしづらいピクチャーコントロールの「フラット」に設定して、気になったものをバンバン撮っていきました。

そういうスタイルで撮影していたので、建物の窓ガラスになぜか赤い口紅の口づけの跡が2つ残っていたり、公園の中をウサギの群れが突然走りぬけたり、ふと振り返ると老夫婦が仲良く並んで佇んでいたり、街の中で何か見つけたらすぐ反応してシャッターを押すことができました。

img_products_nikond810_02_08.jpg 夜の街をISO6400で撮影。こうした街なかのスナップでは、ISO6400でもノイズは気にならない。

シャッターの音が小さいのも、街で撮る時にはいいですね。D810ではシャッター音自体が小さくなっていますし、静音連続撮影のレリーズモードが追加されたので、ほぼそのモードで撮っています。

日中はできるだけISO64で撮るようにして、ときどきISO400にしたり、ちょっと暗いときはガツッとISO1600まで上げたりと、撮影中は頻繁に感度を切り替えています。D800のベース感度はISO100、D3SはISO200なので、もうちょっと絞りを開けたいとか、人をぶらしたいときに融通が利きませんでしたが、D810では選択の幅が広がりました。高感度側もD3Sと遜色ない感じを受けました。

撮影したデータはCapture NX-Dで「フラット」を選んで現像しています。現像した時点では自分の目で見たものとは違う感じですが、最後にPhotoshopで仕上げるときに、自分が思っていた色とかコントラストに近づけやすかったですね。無理なくいじれるデータだと思います。

今回の検証で注目を集めたD810の7つのポイント

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新開発の
3635万画素センサー

3630万画素のD800から画素数はあまり変わっていないが、フルサイズのCMOSセンサーはD810のために新しく開発されている。光学ローパスフィルターレス仕様と新しい画像処理エンジンEXPEED4のおかげで、D800Eをも上回る鮮鋭感を実現している。

常用感度ISO64〜12800

CMOSセンサーの各画素が蓄積できる光の情報量を2/3段増やすことで、階調性を損なうことなくベース感度ISO64を達成。高感度側の常用感度はISO12800。D800の常用感度ISO100〜6400に比べて、低感度でも高感度でもそれぞれ広がっている。

撮像素子イメージ
 D810 img_products_nikond810_02_11.jpg
 従来機 img_products_nikond810_02_12.jpg オンチップマイクロレンズ
  img_products_nikond810_02_13.jpg フォトダイオードに蓄積された光の情報
img_products_nikond810_02_14.jpg 画像処理エンジンEXPEED 4

高感度ノイズ特性の向上

新しい画像処理エンジンEXPEED 4のおかげで、鮮やかで抜けの良い発色や豊かな階調を実現。ノイズ低減処理にも優れており、髪の毛などのコントラストが低い被写体でも、3635万画素のディテールを保ったまま高感度時のノイズを抑えている。

img_products_nikond810_02_15.jpg 51点のフォーカスポイント

精度が向上したオートフォーカス

画素数が高くなると、わずかなピントのズレでも目立ってしまう。D810ではAFの精度をさらに向上させ、画像品質の向上に貢献している。また液晶モニターの拡大表示も改善され、再生時のボタン操作で瞬時に100%に拡大できる(50%表示、200%表示の設定も可能)。

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秒間5コマの連写性能

フルサイズのFXフォーマットで最高約5コマ/秒の連写が可能(D800は約4コマ/秒)。3635万画素という高い画素数でこの連写性能は、他に比べられるものがない。撮像範囲[1.2×](2506万画素)、撮像範囲[DX](1536万画素)では、約6コマ/秒となる。

ピクチャーコントロール「フラット」

新しいピクチャーコントロール「フラット」を搭載。「ニュートラル」よりもトーンカーブが直線に近く、画づくりの演出も少ないため、被写体情報を最大限に取得でき、調整や加工を行なっても白とび、黒つぶれ、色飽和が起きにくく、階調性豊かに仕上げることができる。

Capture One ProがD810に対応

Capture One Proのバージョン8で、D810のRAWデータと連結撮影に対応した。ただし10月半ばの時点では非圧縮RAWデータで画像が乱れるという現象が起こっているので、今後の改善が望まれる(ロスレス圧縮RAW、圧縮RAWでは問題は発生しない)。

img_products_nikond810_02_17.png フェーズワン Capture One Pro 8
img_products_nikond810_02_18.jpg Capture One Pro 8はD810の連結撮影に対応

D810 ホームページ http://www.nikon-image.com/products/slr/lineup/d810/

※この記事はコマーシャル・フォト2014年12月号から転載しています。


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