最新ライティング機材ガイド

グラスファイバー製16本骨を採用した大型アンブレラ「アンブレラ・エクストリーム」をポートレイトライティングで試す

写真・解説:玉内公一

拡散光のアクセサリーの代表、アンブレラ

日本のフォトグラファーの撮影現場において、ストロボ照明機材はアンブレラとともにスタートしたといっても過言ではないだろう。最初にアメリカから輸入された大型ストロボは白や銀色の反射面を持つ傘をつけた状態でお披露目されたと聞く。

ライティングといえばタングステン機材を用いて、組み立ててゆくものであり、ピカッと閃光一発では写真なんか撮れないという思いが大方の評価だった時代である。

ストロボライティングといえばアンブレラという流れを作ったのは、バルカー社だと言われている。ストロボヘッドから出る光はアンブレラにバウンスして、擬似的な平行光線とアンブレラ素材表面で乱反射した光がミックスして、適度な拡散光をもたらすというのがライティングアクセサリーとしての効果であった。その後、ストロボライティング=アンブレラライティングという時代が長く続いている。

現在、アンブレラなどのライティングアクセサリー機材は中国製が大変多く、その販売元が欧米でも、実際の製造は中国というケースもかなりある。また安価ではあるが、品質に問題がある物も見受けられることもある。

今回テストしたアンブレラの製造元は中国。しかし日本の撮影現場の状況を知る中国在住の日本人フォトグラファーが企画した製品だという。そのためか、他社製品を研究しながら、撮影現場での要望を取り入れた設計が施され、材質や細部の素材までこだわりが感じられた。

img_tech_umbrella_01.jpg189cmサイズを使い、スタジオでのポートレイト撮影のライティング例。

ホワイトとシルバーの反射面、どちらを選ぶか?

反射面はホワイト、シルバーの2タイプがあり、サイズは直径100cm、150cm、189cmの3種類。16本の骨で支えられ、ほぼ円形に近い拡散光が得られる。傘骨の素材はグラスファイバーで白に塗装されている。キャッチライトの写り込みもきれいである。

反射面がシルバーのアンブレラでは、キャッチライトはにアンブレラの形が生じるが、16本骨による緩やかな多角形で、ほぼ円形ので、写り込んでもそれほど嫌味がない。

特にホワイトの反射面の素材はいままでのアンブレラには見受けられなかったソフトな表面質感、感触を持つ生地である。その見た目だけでなく反射特性も柔らかく、これまでの白の反射面とはひと味違うライティング効果を期待しても良いだろう。

反射された光はナチュラルで、ストロボヘッドから出る光を素直に拡散反射させている印象だ。

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189cmサイズのホワイト(白)の反射面を使い、撮影したポートレイト。丸く柔らかな拡散光で被写体を包み込み、1灯でも背景まで光が回り素直で自然な階調が得られる。

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目の中のキャッチライト。一般的な8本骨のアンブレラに比べて、円形に近いのでキャッチライトの形状も丸く、気にならない。

img_tech_umbrella_09.jpg

銀の反射面を持つシルバーアンブレラは、拡散光というより集光性をもつバウンス光のというライティング効果が得られる。ハイライト部分はぴしっと決まり、逆に光が回らないバックグラントの光量はやや落ちて、被写体が浮き出てくる感じに仕上がる。

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189cmサイズのシルバー(銀)の反射面を使い、撮影したポートレイト。スポット効果があり、背景が落ちて人物が浮き立つ。光量的にはホワイトの反射面よりも2EV程度明るい。

シルバーはちょっとクセがあるため、ホワイトよりもライティングは難しくなるが、うまく使うと印象的なイメージが創り出せるので、これまでのアンブレラのライティングに飽き足らない方は挑戦してみていただきたい。

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189cmサイズならば1灯ライティングでもフルショット(全身)撮影もこのとおり対応できるほど。

アンブレラの芯棒は中空ではなく、ある程度の剛性をもたらせた構造の金属を使っているらしい。一番大きな189cmサイズではややしなりが生じるが、ライティングにはさほど影響しない。しかしこのサイズの傘部分の重量ともなると、芯棒を保持する部分や、雲台に負担がかかるので、ヘッド類はしっかりしたものを選びたい。

img_tech_umbrella_05.jpg189cmサイズの傘の芯は径が8mm。写真のように若干のしなりはあったが、ライティング効果自体にそれほど影響せず、剛性は充分保たれている。

サイズが大きく骨が多いので、取り扱いに注意

 

アンブレラを開く時に、作法があるのはご存じだろうか。写真用アンブレラに限らず雨傘も同様なのだが、開く前に数回芯棒を中心に軽く回転させて布どおしの絡みつき、まとわりつきを捌いてからゆっくり開くのが良い。特にサイズの大きな傘になると、こうした点に注意して開かないと、骨の繋ぎ部分を破損する恐れがあるのだ。

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骨を支える部分も白いグラスファイバー製で、映り込みもキレイに入る。
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傘の石突部分(アンブレラエンド)は削りだしのアルミを採用。割れることはなく、軽いのが特徴。
 

これまでの大型サイズアンブレラは、高額だったために手に入れることを躊躇された方も多いことだろう。この製品の価格ならば手元において、これまでのアンブレラとは、異なる次元のライティングで撮影するには、それほど高い買い物ではないだろう。

反射面はホワイトとシルバーの2種類の製品になるので、購入時にはサイズと反射面のタイプをよく検討してもらいたい。

img_tech_umbrella_08.jpg 上段が189cmサイズのホワイトの反射面タイプ(左)とシルバー(右)、下段が150cmサイズ。


アンブレラ・エクストリーム(ホワイトタイプ/シルバータイプ)

【Lサイズ】
直径:189cm 長さ:約112cm(収納時) 芯径:8mm 重さ:約1,200g 付属品:布製ケース(肩紐付)
●税込定価29,400円 → GENKOSHA STORE価格 26,250円


【Mサイズ】
直径:150cm 長さ:約90cm(収納時) 芯径:8mm 重さ:約1,000g 付属品:布製ケース(肩紐付)
●税込定価22,050円 → GENKOSHA STORE価格 18,900円


【Sサイズ】
直径:100cm 長さ:約62cm(収納時) 芯径:8mm 重さ:約465g 付属品:布製ケース(肩紐付)
●税込定価12,600円 → GENKOSHA STORE価格 10,500円


【販売】玄光社オンラインショップ http://store.genkosha.jp/
【製品元・問い合わせ先】スーペリア・メンテ 03-3810-0331

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玉内公一 Kohichi Tamauchi

ドイテクニカルフォト、コメットストロボを経て、2000年に独立。銀塩写真、デジタルフォト、ライティングに関する執筆、セミナーなどを行なっている。日本写真映像専門学校非常勤講師、日本写真学会、日本写真芸術学会会員、電塾運営委員。

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