Photo EDGE Tokyo 2017

Lightroom や Photoshop の作業を快適にする、インテル「Core i7」プロセッサー搭載のフォトグラファー向けPC

取材・構成:小泉森弥

ユーザーのニーズに応じてカスタマイズできるBTOパソコンの世界では、インテルの高性能プロセッサーを搭載してLightroomやPhotoshopに最適化した製品が多数登場している。Photo EDGE Tokyoに出展した5つのブランドのフォトグラファー向けパソコンを紹介する。

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インテルの最新プロセッサー Core i7-8700Kのパッケージ。

デジタルカメラの画素数が5,000万画素を超える時代に入ると、Lightroomを利用したRAW現像や、Photoshopでのレタッチワークにも、ハイスペックなPCが求められるようになってきた。そんななかで注目が集まるのは、インテルの「Core i7」のような高性能なプロセッサーを搭載したマシンということになるのだが、大手メーカー製品はどうしても高価になりがちだ。

その一方で、同じインテルの高性能CPUを搭載したPCを安価に、しかも自身の求める環境に合わせてカスタマイズして購入できるBTO(Build to Order)方式のPCメーカーにも注目が集まるようになってきた。とくに最近では、フォトグラファーやレタッチャーのニーズに応え、「RAW現像」や「写真編集」向けに仕様をカスタマイズして販売するメーカーが増えている。

その流れに沿うように、10月20日に東京で行われたプロフェッショナルのための写真&映像展示会「Photo EDGE Tokyo 2017」では、BTOメーカーも展示を行ない、来場者の大きな注目を集めていた。

そこで今回は「@sycom」「raytrek」「DAIV」「eX.computer」「SENSE∞」の5つのブランドの最新マシンを取材しレポートしてみることにした。いずれもフォトグラファーにとって魅力的なPCを用意したPCブランドだ。

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「Photo EDGE Tokyo 2017」の展示エリアには、プロ向けのカメラや大型ストロボ等のほかに、@sycom、raytrek、DAIV、eX.computer、SENSE∞の5つのPCブランドが出展した。撮影:坂上俊彦


ハイスペックながら静音を実現。
作業環境にも配慮した@Sycomの「Lepton」

こだわり度の高いBTOメーカーとして知られる@Sycom(サイコム)のクリエイター向けPCブランド「Lepton(レプトン)」。これまで動画編集ソフトである「DaVinci Resolve」での利用に焦点を当てたモデルや、マンガ向けペイントツールとして高い人気を誇る「Clip Studio Paint」用にカスタムされたモデルがその中心となっていたが、ここにきて「フォトグラファーからの問い合わせが増えた」(同社:山田正太郎氏)こともあり、そのニーズに応えたモデルの提供をスタートさせた。

そのなかでも今回、RAW現像用としてPhoto EDGEには3つの異なるタイプのモデルが持ち込まれた。1つは、6コア12スレッドの強力な最新CPU「インテル Core i7-7800X」を搭載可能な、プロフェッショナル向けワークステーションをうたう「Lepton WS3600X299」(展示会場では4コア8スレッドのi7-7700を搭載したモデルが展示されていた)。

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6コア12スレッドの強力な最新CPU「インテル Core i7-7800X」を搭載可能な「Lepton WS3600X299」。水冷システムを採用し、静音も重視。

しかもグラフィックボードには10ビットカラーでの表示を可能にする「NVIDIA Quadro P600」を採用、まさにワークステーションともいうべき強力なスペックであるにもかかわらず、本体価格は187,970円~(税込)。標準ではストレージが500GBのハードディスク、メモリ16GBとなっているが、ここにSSDドライブを追加し、場合によってはメモリの増設を行なえばRAW現像からレタッチ、さらには動画編集まで視野に入れた強力な環境ができあがるだろう。

ただしこのPCの特長はもうひとつある。@サイコムが得意とする水冷の冷却システムを搭載し、作業時のファンの排気音を抑えた仕組みになっている点だ。以前から静音性を重視したパソコンをリリースしてきた同社ならではのポイントだろう。

「負荷の高い作業をする際にファンの音が気になるという方は少なくないと思いますが、冷却能力の高い水冷システムはその音を抑える仕組みになっています。ユーザーのなかには『ふつうに利用している限りほとんど音が気にならない』と評価をしてくださる方もいるほどです。こういった静音性は、集中した作業を行なうクリエイターの方々には特に大きなメリットになるのではないかと思っています。なお、水冷というとメンテナンスが大変だと感じるかもしれませんが、実際には時折ファンのホコリを掃除機で吸い取っていただくだけ。面倒なことはありません」

今回、同社はひとまわり小形のミドルタワークラス筐体のマシン「WS3700Z370-M」と、さらに小さなキューブ型PCの「WS2700Z370-I」も展示した。

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こちらはミドルタワークラス筐体のマシン「WS3700Z370-M」。小形だが静音に関しても、メンテナンス面でもさまざまな工夫を織り込んだマシン。

WS3700Z370-Mは水冷機構を採用しているだけではなく、吸音シートを前面ドアと左右側面に搭載するなど音対策は十分。さらに小さいながらも標準的なグラフィックボードの搭載に対応していたり、ホットスワップ可能なストレージポートを前面に配置するなど、使いやすさにも配慮した設計になっている。

一方でWS2700Z370-Iは水冷機構こそ搭載していないものの、風切音の少ないファンを採用するなど静音に配慮したモデルとなっている。両モデルとも構成を変更して、最新鋭のCore i7やNVIDIA Quadroを搭載したハイスペックPCに仕立てることも可能で、置き場所に制約のあるユーザーにとって嬉しいマシンになっている。

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小さなキューブ型PCの「WS2700Z370-I」。こちらもハイスペックなCore i7を搭載可能だ。

「当社ではカスタムできるパーツに関してすべて検証を行なっていますので、スペックアップをしても安心してご利用いただけます。RAW現像やレタッチ用にとMac Proや大手メーカー製のワークステーションを検討している方も多いかと思いますが、それらよりも安価に、しかも用途に合わせた構成で利用できるなどメリットも多いと思います」

同社では今後さらにフォトグラファー向けのBTOパソコンに力を入れていきたいと考えているという。そのためにもさまざまなユーザーに利用してもらい、声を聞きたいと考えているとのこと。PCの購入を検討しているなら、このLeptonも選択肢に入れてみてはいかがだろう。

@Sycom 公式サイト
https://www.sycom.co.jp/


PCハードウェアの専門知識を活かして作れらた
ドスパラのクリエイティブPC「raytrek」

「raytrek」はPCハードウェアやBTOパソコンの販売で知られるDospara(ドスパラ)がリリースするクリエイター向けパソコンのブランドだ。動画や3DCG、マンガ・イラストレーション、CAD、DTMなどのジャンルに向けてそれぞれの作業に最適なPCをリリースするなかで、今回のPhoto EDGEで展示したモデルは、CPUに「インテル Core i7-7700」を採用したフォトグラファー向けデスクトップPC「LT P2」(本体価格17万4,980円~:税別)だ。

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今回展示されたreytrek「LT P2」(ディスプレイ別)。4コアのCore i7-7700から6コアのCore i7-8700へのアップグレードもできる。

「Core i7-7700は4コア8スレッドで動作する非常に高性能なCPU。LightroomでのRAW現像から、Photoshopでのレタッチ作業までをストレスなくこなす実力を持ったCPUです。ただ、映像の撮影も行なうようなフォトグラファーの方には最近リリースされた、最新世代のCPUである、6コア12スレッドの『インテル Core i7-8700』へのアップグレードをおすすめします。 映像の編集や書き出しといった負荷の高い作業には、コア数の多いCPUが有利に働くからです」

そう話すのは、ドスパラを運営するサードウェーブデジノスの坂本義文氏。坂本氏によると、このLT P2のハードウェアのポイントはもう一つ、一般的な8ビットカラー(RGBで24ビット:約1,677万色)を上回る、10ビットカラー(同30ビット:約10億6,433万色)での表示を可能とする「NVIDIA Quadro」シリーズのグラフィックボードを搭載している点にある。

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サードウェーブデジノスの坂本氏(右)。ドスパラのクリエイティブPCブランドraytrekはドスパラの知見を活かし最新鋭のハードウェアで構成されていると話す。

「対応ディスプレイの用意が必要となりますが、写真の色をより正確に表現したい、階調表現をより高精度に再現したいと考えるフォトグラファーにとっては選択のポイントになる部分だと言えると思います」

このLT P2はPhotoshop CCやLightroom CCの推奨スペックを満たし、快適に動かすことのできる「Adobe CC推奨モデル」。フォトグラファーが安心して利用できるモデルとして500GBのSSDと2TBのハードディスク、16GBのメモリを搭載しているが、こういった部分は自分の使い方に合わせて強化することができる。

「BTOのよいところは選択の自由度が高いところにあります。本機以外にも、さまざまなモデルを用意していますので、予算に合わせて検討していただければと思います」

もう一台、raytrekが展示したのがノートブックタイプの「GKF1060GF」(本体価格17万9,980円~:税別)。こちらはインテルのモバイル用高性能CPUである「Core i7-7700HQ」を搭載し、ノートブックタイプでありながらも、デスクトップに匹敵する性能を実現したモデル。グラフィックボードに「NVIDIA GeForce GTX1060」、16GBのメモリ、ストレージとして250GBのSSDと1TBのハードディスクを搭載しており、RAW現像から編集作業まで外出先でもこなせるノートPCだ。

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ノートブックタイプのraytrek「GKF1060GF」。モバイル用のインテル Core i7-7700HQを搭載し、デスクトップに匹敵する性能を実現。

なおraytrekでは、今後もいちはやく最新のハードウェアを導入し、ユーザーのニーズに合わせたPCを提供していきたいと考えていると話す。

「我々の強みはハードウェアの販売に長く取り組むことで得た知見があることです。ハードウェアに関してはさまざまなノウハウがあります。そのうえでLightroomやPhotoshopといったアプリケーションの進化の状況をあわせ見つつ、適切なモデルをリリースしていきたいと考えています」

スペックの高いモデルからコストバリューの高いモデルまで、さまざまな選択肢を用意しているraytrek。詳細はサイトや店頭で確認してみてほしい。

raytrek 公式サイト
http://www.diginnos.co.jp/raytrek/


クリエイティブの現場の声から生まれ、強化された
マウスコンピューターの「DAIV」

TVCMなどでもおなじみのマウスコンピューターがリリースするクリエイター向けのPCブランド「DAIV」。3年ほど前にスタートしたこのブランドは、映像や3DCG、イラストレーション作成などと並んで「写真」の分野にも力を入れており、高解像度で容量の大きなRAWファイルの現像やレタッチ作業をスムーズに、レスポンスよく行なうことを目的としたPCをリリースしている。

そのなかでも今回、Photo EDGEで展示されたデスクトップモデル「DAIV-DGZ510E1-SH2」は、CPUに4コア8スレッドの「インテル Core i7-7700」を、GPUには「NVIDIA GeForce GTX 1050」を、さらに高速なDDR4メモリー16GB、ストレージとして240GBのSSDと1TBのハードディスクを搭載した、高い処理性能を実現しながら12万9,800円~(税別)とリーズナブルな価格を付けたモデルだ。

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「DAIV-DGZ510E1-SH2」はフォトグラファーにターゲットを絞ったモデル。本体上部の持ち手(ハンドル)と本体下部の奥に取り付けられたキャスターが特色。

さらにここから6コア12スレッドの最新CPUである「Core i7-8700」や、さらなる多コア化を実現した「インテル Core i9シリーズ」などの上位CPUを搭載したり、メモリ、ストレージの増設、さらには冷却用のCPUファンなどのパーツをグレードアップして、さらなるハイスペックPCに仕立てることも可能だ。

ただし、このモデルの特色はむしろ、筐体の上部に付けられた手持ち用のハンドルや下部に取り付けられたキャスターに現れている。同社の森裕貴氏によると、このオリジナルの筐体は特にスタジオを利用するクリエイターの声を反映して作られたものだという。

「弊社では、PCの開発はそれが使われる環境に合わせて行なうべきという方針がありまして、単に高いスペックのPCを用意するだけでなく、それが現場できちんと使えるものにすることが大事だと考えています。その一つの例がこのハンドル(持ち手)とキャスターです。スタジオや職場で片手で持ち上げて移動させられるものにしてほしいとの現場からの要望を受け、独自で設計を行ないました。もちろん、見た目のために付けているものではありませんので、強度面を考慮したものとなっています。その他にも前面上部にインターフェイスをまとめている点や、複数のドライブを搭載しやすい内部構造、清掃を容易にする着脱式のフィルターなども、実際の要望に応えて実現した部分です」

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マウスコンピューターの森氏。その手前にあるのはスタジオ等での使い勝手を考慮して開発された「DAIV-DGZ510E1-SH2」(ディスプレイ別)。

今回展示されたもう一台、ノートブックタイプの「DAIV-NG5720S1-SH2」(本体価格16万4,800円~:税別)に関しても、“現場での活用”を念頭に置いたモデルということで、デスクトップタイプにも引けを取らないモバイル用高性能CPU「Core i7-7700HQ」に、グラフィックカード「GeForce GTX 1060」、そしてsRGB比95%の高い色再現性をもったフルHDディスプレイを組み合わせて、プロのフォトグラファーが安心して利用できる仕様に仕立てられている。

さらにこれでもスペックに不安があるというなら、「上位のNG7500/7610シリーズや必要に応じたカスタマイズが可能」とのことなので、興味のある人は同社Webサイトなどで確認をしてみてほしい。

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ノートブックタイプの「DAIV-NG5720S1-SH2」。CPUにインテル Core i7を搭載し、sRGB比95%対応のディスプレイを採用した高性能ノートブックPC。

なお、マウスコンピューターでは、DAIVシリーズ写真モデルの開発にあたって、クリエイティブ系の制作会社やフォトグラファー、レタッチャーらの意見を重視している。同社のWebサイトにはその取り組みの経緯や、プロ目線でのレビューが掲載されている(*)。そちらにもぜひ目を通してみてほしい。

*クリエイターインタビューのページ http://www.mouse-jp.co.jp/creator/ss/daiv/for_creator/#photographer


写真を趣味にする人にもハイスペックを。
バランスモデルを展示したツクモ「eX.computer」

PC用ハードウェアの販売で知られるツクモが展開するオリジナルのBTOブランド「eX.computer」。そのeX.computerでは、RAW現像や写真の編集を目的としたモデルがエントリー、スタンダード、プレミアム、マスターズと4タイプ用意されているが、そのなかで今回のPhoto EDGEに展示されたのが、フォトグラファー桃井一至氏の監修(*)のもと構成されたスタンダードモデル「PM7J-B91/T」だ。

*PM7J-B91/Tのページ(桃井氏のコメントも掲載)  http://www.tsukumo.co.jp/bto/pc/camera/2017/PM7J-B91T.html

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eX.computerのフォトグラファー向けスタンダードモデルの「PM7J-B91/T」(ディスプレイ別)。バランスに優れたモデルだ。

Lightroomでの現像作業と編集作業がストレスなく行なえる性能を備えながらも、10万9,800円〜(税別)と、安価な価格を実現したバランスのよいこのモデルは、写真を趣味にする人をターゲットにしたPCだ。ただし、その中身を見てみるとCPUに「インテル Core i7-7700」、グラフィックボードには「NVIDIA GeForce GTX 1050」、そしてDDR4規格の8GBメモリと、ストレージとして240GBのSSDと1TBのハードディスクを搭載するなど必要十分以上の性能を誇る。

同社の森秀範氏によれば「CPUに高いパフォーマンスを誇るCore i7-7700を搭載しているため、通常の現像や編集作業であればストレスなく快適に行なえる」とのことだが、「大量の画像を扱う場合には、少し予算を足してメモリの増設を検討することをおすすめしたい」とのこと。ただし、メモリを増設したとしても十分にリーズナブルだと言える価格に収まるのがPM7J-B91/Tのポイントだ。

「このモデルは、桃井さんと“家族がいるお父さんでも、それほど無理をせずに買えるPCを目指そう”というコンセプトとして企画がスタートしました。写真好きの方は、やはりカメラ本体やレンズにお金を使いたいという方も多いでしょうから、PCはコストパフォーマンスの高いモデルをベースに検討をいただければ、と」

もちろん、BTOパソコンやPCパーツの扱いに長い経験をもつ同社のPCゆえ、さらなるスペックを求めてカスタマイズすることもできるし、プロフェッショナルでも満足できるプレミアムモデルやマスターズモデルを選ぶことも可能だ。

例えば、10ビットカラー編集を可能にするグラフィックボード「NVIDIA Quadro」を搭載したり、動画編集なども見据え、CPUを6コア12スレッドで動作する最新鋭の「インテル Core i7-8700」を搭載したモデルを選ぶのも手だ。そういった選択肢が豊富に用意されているのもeX.computerブランドのメリットだ。なお、ツクモではカスタムできるパーツに関してはすべて動作を検証、問題なく利用できることを確認している。安心して利用できるだろう。

もともと、市販PCでは満足できないハイスペックなPCを提供することに主眼を置いてBTOを展開してきたというツクモだが、今後はエントリーユーザーに向けたモデルや、コストパフォーマンスを重視したモデルも充実させていきたいとのこと、特に写真を楽しむユーザーの声に素早く答えられるような体制を構築していきたいとも話している。なお、記事内でも触れている機種開発に至るプロセスは、ホームページ上で紹介されている。ぜひそちらも参照してみてほしい。

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ツクモでは今回、ドローンで撮影した4K動画の編集を想定した動画編集モデルなども展示。中央は、話を伺った森秀範氏。

eX.computer 公式サイト
http://www.tsukumo.co.jp/bto/pc/


詳細な検証をもとに作業に効くポイントを強化。
現場に向き合うクリエイティブPC「SENSE∞」

「SENSE∞(センス インフィニティ)」は、全国に店舗展開しているパソコン工房「iiyama PC」のクリエイター向けPCブランド。映像やイラストレーション、マンガ、音楽、Web制作、そして写真といった分野に関わるクリエイターに向けて、最適な性能のPCを提供しているが、その最大の特徴はクリエイターの作業にはどういった性能が必要なのか、アプリケーションを使用した検証を詳細に行なっている点にある。

SENSE∞の販売を行なうパソコン工房を運営するユニットコムの大日方心哉氏によれば、今回、Photo EDGEに出展したデスクトップPCの「SENSE-SA8R-i7K-LXZ-DevelopRAW」(本体価格20万9,980円~:税別)は、その結果を反映してハードウェアを構成したモデルだと話す(その詳細はWebサイト上にも公開されている(*))。

*「5,000万画素超時代を見据えたLightroom向けPCを作る」 https://www.pc-koubou.jp/blog/raw.php
2015年の記事だが、RAW現像や写真編集用PCにはどんな機能が必要になるのかについての検証は非常に参考になる。

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SENSE∞のフォトグラファー向けPC「SENSE-SA8R-i7K-LXZ-DevelopRAW」(ディスプレイ別)。Lightroomでの快適な作業を追求したモデルだ。

「検証は5,000万画素のRAW画像を用いて、Lightroom CC 2015で行なっていますが、その結果から、カタログ作成や等倍表示プレビューといった編集作業にはCPUのクロック数が、RAW現像処理においてはコア数が影響してくるということがわかりました。両方のスペックを求めていく方法もありますが、今回のモデルではどちらかというと編集作業に重点を置き、高クロックを設定できるCPU『インテル Core i7-7700K』を選択しました。Core i7-7700KでのRAW現像作業が遅いというわけではありませんが、より高速に行ないたいという場合は、6コア12スレッドの『Core i7-8700』などのコア数の多いCPUにアップグレードするのがおすすめです」

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SENSE∞の販売を行なうパソコン工房の大日方心哉氏(右)。今回はデスクトップ型PCとノートブックを展示。

編集作業の快適化にこだわった構成のこのモデル、さらに快適化に効くもう一つのポイントを押さえた構成になっている。

「注目をしていただきたいのはSSDです。Lightroomでは『カタログファイル』の読み書きの速さが作業の快適性を大きく左右しますが、本モデルではOS起動用のSSDと、データ保存用のハードディスクの他に、カタログファイルの保存専用の高速SSDを搭載しています。これが作業快適化に大きく貢献してくれます」

なお、今回使用している筐体は静音化を重視しており本体内に吸音用のスポンジを搭載している。作業空間の快適性にも配慮をしているというわけだ。

また、SENSE∞では、モバイル向けの高性能CPU、Core i7-7700HQを搭載したノートブックPCもリリースしており、今回のPhoto EDGEでは17.3インチのディスプレイを備えた「STYLE-17FH053-i7-HNFS」(本体価格9万4,980円~:税別)を展示した。最近ではデスクトップ型の代わりに選ぶ人も増えてきている人気のタイプ。このマシン自体は10万円を切るコストパフォーマンスの高いモデルだ。

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17.3インチのディスプレイを備えた「STYLE-17FH053-i7-HNFS」。コストパフォーマンスの高いモデルだ。

国内生産100%をうたうiiyama PCの信頼性に、フォトグラファーにとっての最適なバランスを狙ったSENSE∞のPC。安心して利用できるはずだ。

SENSE∞ 公式サイト
https://www.pc-koubou.jp/pc/aex.php

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