次世代液晶ディスプレイの世界

EIZO ColorEdge CG318-4K

文:宇江由美子(フォートン)

ColorEdgeシリーズで初めての4K対応カラーマネジメントモニター

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モニター部のスペック
表示サイズ 31.1型
表示方式 IPS方式液晶(広色域LEDバックライト)
表示画素数 4,096×2,160(17:9)
画素密度 149ppi
Adobe RGBカバー率 99%
視野角 左右・上下178度
コントラスト比 1,500:1
最大輝度 350cd/㎡
カラーマネジメント ハードウェアキャリブレーション対応、キャリブレーションセンサー内蔵、セルフキャリブレーション、ムラ補正など
ペン入力
タッチ入力
2015年3月20日発売/直販価格:税込540,000円

4096×2160ピクセルのDCI 4K解像度に対応

EIZOのColorEdgeシリーズから待望の4K対応モデルが登場した。4K対応のPCモニターは世の中にたくさん出回っているが、このColorEdge CG318-4Kが他と大きく違うところは、本格的なカラーマネジメント液晶モニターとして色の再現性に信頼性が置けること、そしてDCI規格で定められている 4K(4096×2160)解像度に対応していることだろう。

実機を2週間ほど試用することができたので、実際に使ってみた感想を述べたいと思う。

まず最初に気がついたのは、ボディが薄型化されて、ベゼル(モニターの周りの額縁の部分)も細くなり、全体的にスマートなデザインとなったこと。いつも作業している環境に置いても違和感がなく、非常になじみやすい感じがした。

弊社フォートンでは、2011年に発売されたEIZO初の4KモニターFDH3601を導入しているが、こちらは36.4型とかなりの大画面で、重厚感のあるデザインともあいまって、モニターとしてはかなり存在感がある。

キャリブレーションセンサー内蔵
img_special_display03_03.jpg 内蔵キャリブレーションセンサーを使って、定期的かつ自動的にモニターを再調整できるので、常に安定した表示が可能。

DCI 4K解像度(4096×2160)
img_special_display03_02.png 一般的な4Kモニターの解像度はUHD 4K(3840×2160)だが、本機はDCI規格の4K解像度(4096×2160)をそのまま表示できる。

これに対してCG318-4Kは31.1型で、いつも使っている29.8型のCG301Wとほぼ同じ感覚で使用できる。重さも約11.3kgと、FDH3601の約27.9kgの半分以下。4K対応モニターだからといって、あまり仰々しい感じがしないのは好感が持てる。

カラーマネジメント関連の機能や性能に関しては、従来のColorEdgeシリーズと同等。工場で1台ごと階調を調整していたり、輝度と色度のムラを抑える補正回路を搭載したり、内蔵キャリブレーションセンサーによって常に最適な表示を維持するなど、一般的な4K対応モニターには見られないこだわりが光っている。

冒頭にも述べたが、DCI 4Kに対応しているのも他社製品にはないこだわりだ。DCIというのは米国のデジタルシネマ規格のことで、DCI 4Kの解像度は4096×2160。一般的な4Kよりも横方向に256ピクセルほど長い。REDやソニー、キヤノンなどのデジタルシネマカメラの解像度は、いずれも4096×2160となっている。

4Kの素材をフル画面で100%等倍表示できる

筆者は普段テレビCMの動画レタッチの仕事に携わっているが、最近、日常業務の中で実感するのは、4Kデジタルシネマカメラでの収録素材が増えているということ。地上波で放送するテレビCMであっても、4K解像度で作業をすることが増えてきている。

そういう環境にあるからだろうが、4K素材をフル画面で、しかも100%の等倍で表示できるCG318-4Kは、本当に使いやすいモニターだと思う。普通のモニターなら、フォーカスを確認するために等倍表示と全体表示を頻繁に切り替えながら作業しなくてはいけないが、CG318-4Kはその必要がない。常に画面全体を見渡しながら、まつ毛の1本1本や肌の肌理のディテールまでを、等倍表示でチェックできるので作業効率が上がる。

豊富な入力端子
img_special_display03_04.jpg 背面にはHDMI端子2ポート、DisplayPort 1.2端子2ポートの他に、モニターコントロール用USBが1ポート、側面にUSBハブが3ポートある。

デジタルシネマのDCI-P3色域をほぼ忠実に再現
img_special_display03_05.jpg DCI-P3カバー率は98%。上のようにカラーモード=DCI、色域=REC2020と設定すると、REC2020の色域のシミュレーションも可能。

また、筆者の仕事では、クライアント立ち会いの下でレタッチ作業を行なうことがよくあるが、本機は視野角の広いIPSパネルを搭載しており、斜めから見ても色の変化は少ないので、そういう時でも安心して作業ができる。さらに、黒の締まりも大幅に改善されており、コントラスト比1500:1の深い黒を再現できるという。

背面の入力端子は、DCI 4K/60Pの表示が可能なDisplayPort 1.2と、4K/30Pまで対応したHDMIが2系統ずつ。FDH3601では4K表示のためにはDisplayPortのケーブルが2本必要だったが、本機ではケーブル1本で済むようになった(ケーブル1本で接続するには、グラフィックカードがDisplayPort 1.2に対応しているかどうかの確認が必要となる)。

CM案件では通常、sRGBモードで作業をしているが、CG318-4KはDCIの色の規格であるDCI-P3を98%カバーしているので、デジタルシネマの色域をほぼ忠実に再現できる。Adobe RGBも99%カバーするので、静止画の用途でも幅広く使えるだろう。

今回は試用期間が短かったので静止画での使用について充分な検証はできていないが、写真用のデジタルカメラも高画素化が進んでいるので、CG318-4Kは静止画のレタッチでも威力を発揮するだろう。


※この記事はコマーシャル・フォト2015年2月号から転載しています。

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