2021年02月09日
プロフェッショナルライティングの基礎から実践までを解説した技法書「基礎から始める、プロのためのライティング アップデート」。プロのスタジオライティングの考え方とテクニックが詰まったこの本から、「第5章 高速ストロボと水を使ったプロダクツイメージ」を5回にわたり掲載する。今回は、まるで被写体が水の中から飛び出してきたようなカットの撮影方法を解説。
水の中から商品が飛び出してきたような瞬間を捕らえる
深い水槽に水を張り、そこに商品を落として正面から撮るパターン。ボトルタイプの化粧品や、果実、野菜のイメージ写真などでよく使われる技法で、やや勢いをつけて被写体を水に落とし、水面に沈んだ瞬間を狙う。上の作例では、撮影した写真を天地逆にして、まるで水の中から被写体が飛び出してきたように見せている。
完成ライティング
水面近くにチャートを置き、カラーバランスをとる。シャッタータイミングはそれほど難しくないが、被写体を希望通りの「角度」「向き」で落とすのが難しい。実際の広告などの撮影では、商品の正面に見せるため、別撮りしたカットと合成することも多い。
ライトはフロント、サイド、水槽下のライト(写真を天地逆に使用しているのでトップライトとなる)に加え、乳白アクリルボード越しバックライトを入れて、水の透明感を出すことがポイント。
それぞれのライトの役割
動きのある撮影のため、ライトバランスは手に持った被写体を水中に入れて確認をする。
基礎から始める、プロのためのライティング アップデート
2002年刊行以来、プロ入門向け撮影/ライティング技法書として広く親しまれてきたMOOKを、現在のデジタルカメラ、照明機材に合わせ大幅に「アップデート」。ストロボの基本的な使い方、各種リフレクターによる光質の違いといった基本から、切り抜き商品撮影、水を使った高速ストロボ撮影、ポートレイトのライティングパターンなどの応用までを解説する。
価格は2,800円+税