次世代液晶ディスプレイの世界

VAIO Prototype Tablet PC

文:御園生大地

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正しい色で画像を見られる上にPhotoshopが高速に動くタブレット

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モニター部のスペック
表示サイズ 12.3型
表示方式 IPS方式液晶
表示画素数 2,560×1,704(3:2)
画素密度 250ppi
Adobe RGBカバー率 95%
視野角 未公表
コントラスト比 未公表
最大輝度 未公表
カラーマネジメント 内蔵モニターはソフトウェアキャリブレーションが可能。PCとしては外部モニターのハードウェアキャリブレーションが可能。
ペン入力 対応(筆圧感知)
タッチ入力 対応
開発中のプロトタイプのため、スペックは実際の製品とは異なる場合がある。

クリエイター向けマシンに注力するVAIOブランド

現在、ロケでの画像確認用モニターとしては、カメラの背面液晶、iPadなどのタブレット、ノートPC、デスクトップPCの4つの選択肢がある。機動力重視の場合は、背面液晶かタブレットとなるが、もちろん厳密な色の確認はできない。

いっぽう「キャリブレーションのとれるモニター」や「PhotoshopやLightroom、Capture Oneでの作業環境」などが必要な場合は、ノートPCかデスクトップPCとなるが、「機動力」と「きちんとした作業環境」の両立は、なかなか簡単なことではない。

そこで現状を打破する方法として、筆者は「PCのOSが動くタブレット」である「Windows 8タブレット」の将来性に非常に期待している。

Windows 8タブレットは操作性などで、まだまだ扱いが難しい面はあるものの、「きちんとした作業環境」を容易に持ち運べるのは大きな魅力だ。

そこで今回は、VAIO Prototype Tablet PCの検証をしてみたい。このマシンはまだ正式な製品ではなく、VAIO株式会社が発足してから、最初のオリジナルマシンとして発表されたコンセプトPCだ(註)。同社は今後クリエイター向けマシンに力を入れることを明言しており、Prototype Tablet PCを公開したのも、実際のユーザーの声をフィードバックして開発を進めるという姿勢の現れである。

註:2015年2月16日に正式に製品化されることがアナウンスされた。製品名はVAIO Z Canvas、価格は20万円台後半から、発売日は5月となっている。
大きさはiPadとMacBook Pro 15inchの中間

img_special_display07_04.jpg iPadより大きく、MacBook Pro Retina 15inchより小さい。どこへでも持ち運べるメインマシンにもなりうるし、ロケ専用機としても使える。

まずはこのマシンを、Macユーザーにイメージしやすい表現で、誤解を恐れず言い表すとどうなるだろうか。筆者個人としては「12インチのタブレットの中に、MacBook Pro Retina 15inchの性能が入っているマシン」と言えるのではないかと思う。

モニターは、Adobe RGBカバー率95%、250ppiのIPS液晶で、視野角も十分な印象だ。ソフトウェアキャリブレーション時の設定を細かく行なうことで、EIZOのColorEdgeシリーズと非常に近い色傾向に調整することにも成功した。Mini DisplayPortからColorEdgeにつないで外部出力を行ない、ColorNavigator 6でのハードウェアキャリブレーションも問題なく行なうことができた。

内蔵モニターのキャリブレーション
img_special_display07_02.jpg ソフトウェアキャリブレーションになるが、モニターのキャリブレーションがしっかりとれる、貴重なタブレットPCだ。
外部モニターのキャリブレーション
img_special_display07_03.jpg Mini DisplayPort 経由でColorEdgeのキャリブレーションもとれる。VAIOをサブモニターにしたり、液晶ペンタブ的に使用することも可能。

キャリブレーションのとれるタブレットPCは貴重な存在

実際の演算能力を見てみよう。まず3GBのファイルをPhotoshopで開いたが、かかった時間はMacBook Pro Retina 15inchとほぼ同じ(約18秒)。付属のペンでマスクワーク等のレタッチもストレスなく行なえた。Lightroomでのテザー撮影では、ニコンD800のRAWを高速連続撮影モードで13連写し、カメラのバッファが詰まった後は1~2秒ごとにシャッターを切り続けることができた。3600万画素クラスの静止画を扱う範囲では、不満を感じることはまずないだろうなという印象を持った。

重量やバッテリー駆動時間は試作品につき非公開。よって明言は避けるが、重さは1kg強ぐらいか。撮影現場で片手で持ち続けるには600g台が限度というのが筆者個人の基準であるので、タブレットを手に持ったまま移動するよりも、各所でタブレットを設置しながらの撮影向きだと言えるだろう。

ハイスペックと引き換えに、天面に排気口が設けられているので、小雨が降る中の外ロケなどもあまり向かないかもしれないが、そのぶん排熱効率が非常に良く、ボディは全然熱くならないし、ファンも静かだ。

自由な角度で止まるスタンド
img_special_display07_05.jpg スタンドの性能は現行のタブレットPCの中では最高クラス。自由な角度で止めたまま、ペン作業を行なってもしっかりホールドしてくれる。
分離して使用できるキーボード
img_special_display07_06.jpg キーボードは完全分離使用を前提としている。VAIOを液晶ペンタブレット的に使う場合は、キーボードを横や後ろに置いての操作も可能だ。

一通り検証して強く印象に残ったのは、ColorEdgeと似た傾向の色に仕上げられるモニターだ。Windowsで動いているのだからキャリブレーションはとれて当たり前だと感じる方もいらっしゃるかもしれないが、実は意外とそうではない。

タブレットPCは、そもそもビデオカードが搭載されていなかったり、ドライバーがiccプロファイルの上書きを拒否することがあり、2014年12月の時点で筆者が把握している限りでは、きちんとキャリブレーションがとれるWindows 8タブレットは、ワコムのCintiq Companion、パナソニックのTOUGH PAD 4K、そしてこのVAIO Prototype Tablet PCだけしか見つかっていない。これはとてもとても貴重なことなのである。

VAIO Prototype Tablet PCが、フォトグラファーのワークフローにどのような変化をもたらすか。筆者は今から楽しみにしている。


※この記事はコマーシャル・フォト2015年2月号から転載しています。

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