キヤノン EOS 5Ds の実力

EOS 5Ds × レスリー・キー Shooting Review

約5060万画素センサーを搭載し、一眼レフ最高の解像度を誇るキヤノンEOS 5Ds。手持ちで高精細な画像を撮れることから多くのフォトグラファーの注目を集めている。このカメラでファッションストーリーを撮影したレスリー・キー氏に話を聞いた。

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EOS 5Ds
約5060万画素の35mmフルサイズCMOSセンサーを搭載。ミラー振動制御システムを採用し、ミラーショックによるブレを防ぐ。ローパスフィルター効果キャンセルモデルEOS 5Ds Rも用意されている。

img_products_eos5ds_09_01.jpg ESQUIRE KOREAのために撮影したグループショット。スピードライト600EX-RTによる日中シンクロで撮影した。

EOS 5Dsは高画質とライブ感、一石二鳥のカメラだと思います

───パリでのロケにEOS 5Dsを持って行ったそうですね。

レスリー 台湾、中国、韓国の雑誌のファッションストーリーを撮るために、10日間ほどパリに行ってきました。その間に屋外でのロケを4つ、スタジオでの撮影を3つもこなして、それ以外にもパリコレを取材したり、風景を撮ったりしていたから、毎日ものすごく忙しかった。5Dsはピクセル数が大きいし、写真もたくさん撮ったので、日本から持って行ったCFカードだけでは足りなくなって、パリでもカードを買ったくらいです。

今回は私自身初めてのことが多くて、いつもならスタジオでは中判デジタルカメラを使うんだけど、今回はロケもスタジオも5Dsだけ。それからアシスタントを使わないで、ずっと一人で撮影したのも初めてでした。中判カメラだとアシスタントが必要になるけど、DSLRだから一人でも大丈夫だった。

───そんなに忙しかったのに、アシスタントを使わなかったのはなぜですか?

レスリー それはモデルの数を増やしたかったから。向こうではエディトリアルの場合、モデルは無償で出てくれるんだけど、モデルが増えるとスタイリストやへメイクなど他のスタッフも増えるからね。

私はいつもモデルをたくさん使って撮影したいと思っています。ファッションでグループショットを撮る人はあまりいないので、それが私の個性になっていると思っています。今回はエディトリアルの仕事で予算も限られていたから、アシスタントはあきらめて、モデルの人数を優先したんです。

───そんなことが可能になったのは、一人でも撮れる5Dsのおかげですか?

レスリー その通り。10日間で7本ものファッションストーリーが撮れたのは5Dsのおかげ。このカメラが自分に自信をつけてくれたと思う。

5Dsは画質がいいのに加えて、ボディが小さくて機動力がある。自由に飛び跳ねながら撮れるので、ライブ感はダントツ。高画質とライブ感、一石二鳥のカメラだと思います。

───画質についてはどうですか?

レスリー 実際に出来上がった雑誌を見ても、クオリティ的にはまったく問題がないと思った。これまで中判デジタルで撮ったページと比べてほとんど違いはないし、今後は5Dsだけでファッションストーリーを撮っていけると思う。

5Dsで撮った写真を見ていると、昔フィルムで撮っていた頃のプリントの質感を思い出します。コントラストが柔らかくてやさしいトーンなので、アナログっぽい感じ。普通のデジタルカメラはコントラストが高いけど、5Dsはちょっと違う。

───画素数だけではなくて、トーンが大事なんですね。

レスリー 私がデジタルカメラを使い始めたのは2001年からですが、あらためて振り返ってみると、2005年〜2010年ぐらいの写真はコントラストが高くて、修正やレタッチがものすごく多かった。

レタッチは周りからの要求も強かったし、自分もそれでいいと思っていた。でも今見たら、ここまでやる必要があったのかなという気がする。

それに対して5Dsは、デジタルなんだけどアナログっぽいトーンなので、レタッチを加えたりするよりも、そのトーンを生かした写真にするほうがいい。これからもっと5Dsを使っていきたいと思います。

img_products_eos5ds_09_02.jpg 上段左・中段左・中段右・下段右:VOGUE TAIWAN 上段右:ESQUIRE KOREA 下段左:MEN’S UNO

自由に動いて撮れるのでグループショットに最適

───さきほどモデルをたくさん使って写真を撮りたいという話が出ましたが、こうしてパリで撮った写真を並べてみると、やはりグループショットが多いですね。

レスリー 70年くらい前にアーヴィング・ペンがVOGUEで発表した有名なグループショットがあります。当時のトップモデルを集めて撮ったものですが、私の写真の原点と言えるぐらい影響を受けた作品です。それに20代の頃から憧れて、ずっとグループショットを撮っています。

ペンの写真は、自然光で撮ってもブツを撮っても柔らかい。彼の人間的な優しさを感じます。私も彼のように、被写体の心の美しさを撮りたい。

もう一つ私の写真にポリシーがあるとしたら、それはライティングがシンプルであること。モデルがたくさんいても、性別、年齢、国に関係なく、それぞれの存在を平等なものとして、ひとつのライトだけでファッショナブルに撮りたい。

───5Dsはグループショットを撮るのに適していますか?

レスリー 中判デジタルだとPCとケーブルでつないで撮りますが、5Dsではカメラだけで撮影できるので快適です。グループショットを撮る時にとても動きやすいですね。連写のスピードも割と速いし、5Dsで撮ると動きのある写真が増えて良いと思います。

私は写真展をたくさん開いていますが、写真を大きく展示するには、やはりカメラの画素数も多い方がいい。写真を大きく伸ばしても、グループショットの一人一人が鮮明に見えるので、そういう意味でも私に向いているカメラだと思います。

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レスリー・キー
アート、ファッション、ドキュメンタリー、広告、CDジャケットの撮影、PV映像監督などを中心に東京、PARIS、NY、アジア各国で活動。
LeslieKee.com

※この記事はコマーシャル・フォト2015年10月号から転載しています。


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