2011年03月10日
動いている映像がぴたりと止まるストップモーションや、ふたつの映像が長く二重露出する映像は魅力に溢れる効果のひとつだ。後者はディゾルブと混同されるが、ディゾルブは深い(継続時間が長い)場合でも先行クリップから後続クリップに転換していくが、二重露出は同じ状態が続くのがポイント。ここでは動画から静止画を得る方法とトラックを使った二重露出を覚えよう。
動画に静止画が長時間かぶる映像を作る
間欠泉動画の上に、別動画から切り出した静止画像をフェードイン、しばらく二重に重ねた後で静止画がフェードアウトしていくカットを作成する。
動画から静止画を作成(フリーズフレーム)
あらかじめ「ユーザ環境設定」でフリーズフレームの時間を設定。ビデオから特定のフレームを選んで、設定した秒数の静止画として書き出す手順。この設定は静止画(写真やイラスト)を読み込む際の秒数設定でもある。1〜2フレームに設定しておくとアニメ作成に使える。
フリーズフレームで作成したクリップを「V2」トラックに配置
クリップを重ねるには「スーパーインポーズ」でもよいが、ここではソースとターゲットのトラック接続を変更し「上書き」する手順もマスターしよう。どちらを使ってもよいが、トラック数が増えて複雑なシーケンスになっている場合は、ターゲットトラックを明示するこちらのほうが分かりやすい。
ドラッグ&ドロップ
フリーズフレームの二重露出具合を設定し、フェード効果を加える
上のトラックの重なり方を不透明度で設定し(今回は50%)、前後にフェードイン/アウトを設定することで静止画が現れ、しばらく重なり、再び消えていく一連の動きを作成する。
フェードアウトに絡めてブラー(ガウス)を加えると効果的
単にフェードアウトするだけでなく、そのタイミングでフォーカスアウトするとより印象的な映像になる。ブラー(ガウス)を適用し、フェードアウト開始点の少し前に0、フェードアウトの終了点でMAXに設定するのがコツ。
※この記事は「Final Cut Pro 実践講座」から抜粋しています。
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斎賀和彦 Kazuhiko Saika
CM企画/演出時代にノンリニア編集勃興期を迎える。現在は駿河台大学メディア情報学部、デジタルハリウッド大学院等で理論と実践の両面から映像を教えながら、写真、映像作品を制作。
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