Photoshop ユーザーに聞く

「Creative CloudとPhotoshopが切り拓くビジュアル表現の新しい形」Nick Yamazaki

img_soft_pscc_user_yamazaki_1.jpg 媒体:Linc Magazine Make Up:Yusuke Okita Hair:Kunio Kohzaki/SEE management Ret:Miwa Kato Studio:E19 studio NY

──ビューティの撮影が多いそうですが、レタッチもご自分で?

Yamazaki 細かな補正をレタッチャーさんにお願いするケースもあるのですが、基本的な流れとしては、Camera Rawを使って現像をした後、Photoshopを使ってレタッチをして仕上げをしています。

──Photoshopではどんな作業を?

Yamazaki スタンプやパッチ、ブラシなどのツールを使った基本的な補正作業を行なった後に、全体の調整をします。フィルム写真の空気感が好きなので、特に色味やボケの調整をすることが多いです。そのための参考になるよう、撮影時にはフイルムカメラを持参して数枚撮影することもあります。

──アートディレクションやプロデュースの仕事をしていた頃とは、写真を見る目は変わりましたか?

Yamazaki 自分で撮影をする立場になってしばらくの間は、引いた目線で作品を見ることの難しさに悩まされました。客観性を失うからか、ディレクターの頃に見えていたものが見えなくなってしまうんですね。今は、できるだけ引いたところから作品を見ることができるよう、イメージをしっかりと固めてから撮影に臨む、撮り終わってからレタッチ作業を始めるまでに少し時間を置く、といった工夫をしています。

──Photoshop CCを使ってみての感想はいかがですか?

Yamazaki 実は、現在メインで使用しているのは「Photoshop CS5」なんです。よく使う機能がベーシックなものに限られていることや、利用しているプラグインソフトの対応状況などを推し量っている間に、CS6へのバージョンアップのタイミングを逃してしまった、といったところがその理由です。それもあって、今回Photoshop CCを使ってみて、全体的な処理速度が速くなるなど、基本的な部分の機能が向上していることに驚かされました。

──CS6でグラフィックエンジンが刷新されるなど、全体の処理速度は大きく向上しています。

Yamazaki それを聞いて納得しました。それと「ぼかしギャラリ−」や、ダークグレーを基調としたインターフェイスがいいですね(いずれもCS6の追加機能)。写真がキレイに見えるようになった、というのは気のせいかもしれませんが(笑)。

──表現との関わりという点では今回のバージョンアップはどんな印象でしょうか。

Yamazaki 最近のPhotoshopで、「3D」や「映像」といった、写真の周縁の機能が強化されている点に注目しています。この数年、写真をめぐる状況や、写真の概念そのものが変わりつつあるのではないか、といった感触を受けているのですが、そういった動きとPhotoshopの変化がリンクしているように思えるからです。自分としても、新しい挑戦をしてみたいと考えています。

──最近、“ZINE”「LINC MAGAZINE」を刊行されましたね。

Yamazaki 自分の作品だけではなく、フォトディレクションをしていた時期に知り合ったフォトグラファーに作品を提供してもらって制作したのですが、その過程で、デザインも自分で手掛けたら面白いものができるのではないかと感じました。ちょうどいい機会なので「Creative Cloud」を導入して、InDesignやIllustratorといったアプリケーションにも触れてみようかと思っています。

img_soft_pscc_user_yamazaki_2.jpg Make Up:Yusuke Okita Hair:Takeshi Stylist:Yuri Arai HONEY magazine Hawaii Issue


Profile:

Photographer
Nick Yamazaki

Paris、 NYでプロデューサー、アートディレクターとして多くの広告、雑誌のプロダクション業務に関わる。2006年帰国、フォトグラファー転身。
http://yz-graphics.com/


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