キヤノン EOS 5Ds の実力

5060万画素の衝撃! 5Dsの実力を徹底検証する③

5060万画素35mmフルサイズセンサーを搭載したキヤノンEOS 5DsとEOS 5Ds Rは、高精細な画像データを必要とする広告写真の市場を想定して開発されたカメラである。発売は6月予定となっているが、コマーシャル・フォト編集部では一足先に開発中の実機によるテスト撮影を行ない、その実力を様々な角度から検証した。今回で、3回連載の最終回となる。

5Dsの「ディテール重視」の発色と階調表現は
5D Mark IIIよりも柔らかく、後処理がやりやすい

img_products_eos5ds_03_01.jpg 新ピクチャースタイル「ディテール重視」を使用し、細かい葉脈を持っているほおずきを撮影した。色味も忠実に再現しつつ、繊細な部分もしっかりと描写することができた。
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[撮影データ]EOS 5Ds=レンズ:TS-E90㎜F2.8、撮影モード:マニュアル露出、絞り:F11、シャッター速度:1/125 秒、ISO感度:100、ホワイトバランス:色温度(4800K)、ピクチャースタイル:ディテール重視/EOS 5D Mark III=ピクチャースタイル:スタンダード以外は上記に準拠
[スタッフ]P=中村雅也(凸版印刷 TIC映像企画部) ST=BOOK.inc 渡辺太・鈴木俊哉

EOS 5Dsから搭載された、新ピクチャースタイル「ディテール重視」を使用し、ほおずきを撮影。黒バックにて強めのストロボ光を照射。繊細な葉脈と、ビビットな色味を高コントラストな状況下でどれほど再現できるか試してみた。

EOS 5D Mark IIIの「スタンダード」で撮影した画像と比較してみる。まず、ほおずきの左側上部のハイライト部であるが、EOS 5Dsの「ディテール重視」の方が、白飛び部分が軽減されており、質感、立体感とも「スタンダード」よりも描写が優れていた。また、ほおずきの右下の透過されている部分では、ほおずきの赤みが忠実に再現され、細かい葉脈のディテールもよりはっきりと表現できている。

解像感を保ちつつ、白飛び、色飽和の少ない、体力のあるデータを生成することができ、フィニッシュまでのレタッチも安心して取り組める。5060万画素という豊富なデータ量と豊かな色調再現に伴い、紙に印刷した時の印刷特性も向上している。従来の「スタンダード」より、繊細な質感が描写でき、階調性を重視した「ディテール重視」。その特性を充分に実感することができた。

今後、キヤノンの現像ソフトDigital Photo Professional 4でも「ディテール重視」が選べるようになるので、該当する機種のRAWデータにも積極的に活用していきたい。(中村雅也)

EOS 5Ds[ディテール重視]

img_products_eos5ds_03_02.jpg 5Dsの「ディテール重視」は、コントラストが低めでハイライトの白飛びが少なく、赤色の微妙な階調も描き分け、葉脈も細かい部分まできちんと表現できている。 クリックすると別ウィンドウで拡大表示

EOS 5D Mark III[スタンダード]

img_products_eos5ds_03_03.jpg 5D Mark IIIの「スタンダード」は、コントラストと彩度が高いので見た目はきれいだが、レタッチまで考慮に入れると「ディテール重視」の方が扱いやすい。 クリックすると別ウィンドウで拡大表示

豊富なレンズが使えるEFマウントは
中判フォーマットにはない魅力を備える

img_products_eos5ds_03_04.jpg 拡大専用レンズを使用して、ロマネスコの微細な房の表面にある凹凸を超高画素でどこまで表現できるか探ってみた。 クリックすると別ウィンドウで原寸表示
[撮影データ]レンズ:MP-E65㎜ F2.8 1-5x マクロフォト、撮影モード:マニュアル露出、絞り:F11、シャッター速度:1/4 秒、ISO感度:100、ホワイトバランス:色温度(3400K)、ピクチャースタイル:ディテール重視
[スタッフ]P=中島孟世(ティエイチエス) ST=BOOK.inc 渡辺太・鈴木俊哉
img_products_eos5ds_03_05.jpg 上の写真はロマネスコというカリフラワーの一種を撮影したもの。幾何学的な形状をしている花蕾を超クローズアップで捉えるために、レンズのすぐ近くまで寄って撮影している。

EOS 5Dsの魅力は解像度だけではなく、35mmフォーマットならではの壮大なレンズシステムが大きな後ろ支えとなっている。その中で、キヤノンだけが持ち得ているような、5倍までの拡大撮影が可能なマクロレンズMP-E65mm F2.8 1-5x マクロフォトを使ってみた。

これは無限遠撮影ができないマクロ撮影専用レンズで、おそらく他社の現行レンズにはこういった製品は存在しない。鏡胴には倍率リングしかないので、スライダーでカメラを動かしピントを合わせる。昔で言うとベローズがついたマクロレンズみたいなもので、こういったレンズも超高画素機で使える面白さがある。マクロでここまでの高解像度の表現というのは、他では真似ができないだろう。

ほかにもこの特集では、ティルト・シフト機能を備えたTS-E90mm F2.8(ほおずきの写真)、中望遠マクロのEF100mm F2.8L マクロ IS USM(香辛料の写真)など、スタジオで使われるだろう様々なレンズを使用している。EOS 5Dsが持つ可能性の大きさを感じてもらえると思う。

COLUMN | スタジオ撮影でカメラのブレを抑えるための工夫

img_products_eos5ds_03_06.jpg ブレを抑えた状態
img_products_eos5ds_03_07.jpg ブレてしまった状態
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[撮影データ]レンズ:MP-E65㎜ F2.8 1-5x マクロフォト、撮影モード:マニュアル露出、絞り:F11、シャッター速度:1.6 秒、ISO感度:100、ホワイトバランス:白色蛍光灯(A3,G2)、ピクチャースタイル:ディテール重視
[スタッフ]P=中島孟世(ティエイチエス) ST=BOOK.inc 渡辺太・鈴木俊哉

等倍から5倍まで拡大撮影が可能なEFレンズ MP-E65mmを使用し、グレープフルーツの果実を撮影した。このレンズを選んだ理由は、ブレに対してシビアな精度が求められるからだ。


撮影時は、大型三脚にギア付雲台とマクロ用スライディングボードをしっかり固定。光源はLEDミニライトを2灯使用した。カメラ側は「LV静音撮影」に設定。ミラーアップと電子先幕シャッターの組み合わせのおかげで、微小振動から回避することができた。三脚座の剛性の強化も、カメラブレの抑制に一役買っている。


また、新機能として「レリーズタイミング設定」が搭載された。シャッターボタンを一度押すとミラーアップし、設定した秒数後に露光が開始される機能だ。これで、ミラーアップとシャッターボタン押しに伴う振動を一度に解消できる。


これらの対策のおかげでカメラマンはブレというストレスから開放され、純粋に被写体と向き合うことができる。そして、超高画素の鮮鋭な描写を余すことなく実現してくれるだろう。(中島孟世)


img_products_eos5ds_03_08.jpg カメラ振動ブレに対する対策として、ミラーアップ状態からのレリーズタイミングを任意に設定できる。ミラーアップの状態にすることで、まずその衝撃を吸収し、さらにレリーズから実際に撮影するまでの時間を1/8秒、1/4秒、1/2秒、1秒、2秒に設定することで、レリーズの振動が収まってから露光が開始される。

関連情報

デジタルフォト&デザインセミナー 2015 開催!
http://shuffle.genkosha.com/event/dpds/2015_1/8873.html
大阪会場:2015年5月20日(水)
東京会場:2015年5月22日(金)


デジタルフォト&デザインセミナーの中で、この記事の筆者・南雲暁彦氏が「5060万画素の衝撃! キヤノンEOS 5Dsの実力」と題して講演を行ないます(参加無料・事前登録制)。詳しくは上記URLを参照のこと。

協力:キヤノンマーケティングジャパン(株)


※この記事はコマーシャル・フォト2015年4月号から転載しています。

南雲暁彦 Akihiko Nagumo

1970年神奈川県生まれ。幼少期をブラジル・サンパウロで育つ。1993年日本大学芸術学部写真学科卒業後、凸版印刷株式会社入社。トッパンアイデアセンター映像企画部所属。チーフフォトグラファー。コマー シャルフォトを中心に映像制作、セミナー講師なども行う。海外ロケを得意とし世界中をフィールドに映像制作を行う。APA広告年鑑、全国カタログ・ポスター展グランプリなど受賞歴多数。APA会員。知的財産管理技能士。

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