キヤノン EOS 5Ds の実力

EOS 5Ds R × 杉山宣嗣 Shooting Review

キヤノンEOS 5Ds Rはローパスフィルターの効果をキャンセルすることで約5060万画素センサーの性能を最大限引き出すように設計されたモデルである。このカメラを使った海外ロケについて杉山宣嗣氏に詳しく話を聞いた。

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EOS 5Ds R
EOS 5Dsと同じく約5060万画素のフルサイズCMOSセンサーを搭載するだけでなく、ローパスフィルターの効果をキャンセルすることで、解像感を極限まで追い求めた高画素機。

img_products_eos5ds_08_01.jpg パプアニューギニアのラバウルの近くに住む部族。年に一度行なわれるフェスティバルでは、各部族が集まって、それぞれの伝統文化や宗教儀式を披露する。

5000万画素の5Ds Rと手ブレ補正のIS レンズはかなり相性がいい

───EOS 5Ds Rが6月に発売になって、すぐに実機を手に入れたそうですね。

杉山 ちょうどその頃、パプアニューギニア政府観光局から観光誘致の仕事を依頼されていたので、現地に持っていくカメラをどうしようかと考えていたところでした。ふだん広告の仕事をしている僕がせっかくツーリズムの写真を撮るのなら、明るく楽しい写真だけではなくて、現地の人たちの姿をシリアスな感じで撮りたいと思っていました。一眼レフだと機動力や防塵・防滴性能に優れているのでこういうロケに最適だし、5000万画素の画質は非常に魅力的でした。

ロケが7月と決まっていたので、できるだけ早くカメラを手に入れて、テストを繰り返しました。手持ちで撮る場合どのくらいのシャッター速度ならブレないのか、絞りと被写界深度の関係はどうなのか、レンズは自分が持っているレンズのままで充分なのか、などなど。

EF24-70mm F4L IS USM
img_products_eos5ds_08_08.png 非球面レンズ2枚とUDレンズ2枚で高画質化を実現し、手ブレ補正も搭載した標準ズームレンズ。今回掲載する作品はこのレンズを使用している。

───その結果はいかがでしたか?

杉山 5000万画素の画像を100%で表示すると、わずかなブレでもはっきりとわかってしまいます。試しに普通のレンズで手持ち撮影してみたところ、1/60秒でもブレました。しかし、手ブレ補正機能のあるISレンズなら1/15秒でもブレないことがわかったので、新たにEF24-70mm F4L IS USMや、EF16-35mm F4L IS USMなど、広角系ショートズームを買い直すことにしました。この2本は歪みが少なくて隅々までシャープに写る、いいレンズです。

───どちらも開放絞り値はf4ですね。

杉山 昔はf2.8の明るいレンズじゃないとダメだと思っていましたが、最近はカメラの感度特性が向上したので、f4でも問題ないですね。たとえf2.8のレンズでも、実際にはf5.6ぐらいからしか使わないですし、今回は特に被写体全部にピントを合わせるために、f8〜f11まで絞り込んでいました。

───レンズの考え方も昔と違いますね。

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杉山 手ブレ補正なんて望遠レンズの機能であって、広角系には必要ないと思っていましたが、5000万画素ともなると、広角でも微妙にブレているのがわかるんですよ。たぶん今までの5D Mark IIIでもブレていたんでしょうけど、そこまで画素数がないので、拡大しても見えなかった。そういう意味では、EOS 5Ds RとISレンズのショートズームは、かなり相性がいいと思います。

───フォーカスの確認はどうしましたか?

杉山 普段はPCで確認していますが、今回はそんな余裕がなかったので、背面液晶で等倍表示して確認しました。特にピクチャースタイルを「ディテール重視」にしていると、背面液晶だけでもはっきりピントが見えるんですよ。手前のここから奥のあそこまで被写界深度があるというのが厳密にわかるので、絞りをいくつにするかという細かい計算まで、カメラ1台だけで可能でした。

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巨大な白バックを日本から持ち込んで、儀式のための衣装を身につけた人たちのポートレイトを撮影した。

情報量が豊富だからこそ柔らかい質感が表現できる

───こちらの写真(上の3点)は白バックです。スタジオで撮ったポートレイトみたいですね。

img_products_eos5ds_08_06.jpg 白バックの簡易屋外スタジオでの撮影風景。

杉山 その昔、アーヴィング・ペンが白バックでニューギニアの部族を撮った写真のことが頭にあったので、同じことをやってみようと思ったんです。4m四方の大きな布で撮影用の白バックを作って、わざわざ日本から持って行きました。

こういう写真を撮ろうと思った理由としては、日本からパプアニューギニアに行こうとすると旅行代金が結構高くて、若い子が気楽に行ける場所ではないんですね。それなら年配の人が好むような、渋い写真の方がいいんじゃないかという発想です。

ロケは1週間くらいでしたが、天気はよくありませんでした。でも、このポートレイトに関しては、光が回って肌のディテールなどもよく出るので、良かったかなと思っています。

───5Ds Rの画質はどうですか?

杉山 5Ds Rを選んだのは少しでも解像感が欲しかったからですが、期待通り、いや期待以上でしたね。全身を撮ってもまつ毛の1本1本まで見えるし、儀式の衣装などもディテールがよく出ています。肌の質感が少しぬめっとした感じに見えますが、これなんかはまさに5000万画素の賜物で、情報量が豊富でないとこういう風には写らない。

ただし、「ディテール重視」の初期設定のままだとエッジが立ちすぎるので、DPPで現像する時にはシャープネスをオフにして、Photoshopでスマートシャープをかける方がいいと思います。

5000万画素の実力は、本当はB0サイズくらいの大きさで出力しないとわからないような気がします。今後、パプアニューギニアの観光イベントなどが開かれる時に、おもいきり大きなサイズで出力してみたいですね。

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すぎやま・のぶつぐ
広告、雑誌、写真集、写真展で活躍。最近はアプリ写真集、電子書籍写真集などを時代に先駆け発表。
nsp-jp.com
協力:パプアニューギニア政府観光局

※この記事はコマーシャル・フォト2015年9月号から転載しています。


杉山宣嗣写真展 - 部族の肖像 TRIBE@PAPUA NEW GUINEA

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必要な情報が一瞬で手に入る現代において、一部の都市部以外では、水道、電気もないエリアがまだ存在するパプアニューギニア。外国からの文化の流入が少なく、昔ながらの生活様式そのままで暮らす人々が多く存在する。800以上あると言われる部族の中から、杉山宣嗣氏が今回撮影したのはほんの一部だが、それぞれの写真のファッションやメイク、仮装などからもその生活や意識を垣間見る事ができる。本写真展の作品は一切の意図的な要素を含まないリアル・ポートレイト。高精細のEOS 5Ds Rで撮影、ポスターサイズに出力したものが展示される。写真展特設サイト http://nsp-jp.com/tribe/

キヤノンギャラリー銀座
2016年4月28日(木)~5月11日(水) 10:30~18:30(最終日 15:00まで)日、祝休館
東京都中央区銀座3-9-7 トレランス銀座ビルディング1F 03-3542-1860

キヤノンギャラリー札幌
2016年6月9日(木)~6月21日(火) 10:00~18:00 土、日、祝休館
札幌市中央区北3条西4-1-1 日本生命札幌ビル 高層棟1F 011-207-2411

キヤノンギャラリー名古屋
2016年6月30日(木)~7月13日(水) 10:00~18:00(最終日 15:00まで)日、祝休館
名古屋市中区錦 1-11-11 名古屋インターシティ1F 052-209-6180

日本国内展開催後に、パプアニューギニアのポートモレスビー・ジャクソン国際空港、ポートモレスビー美術館などでの展示が予定されている。

Printing Director:小島 勉 (トッパングラフィックコミュニケーションズ)
協賛:パプアニューギニア政府観光局
後援:パプアニューギニア大使館 ニューギニア航空


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