2022年05月17日
何もない宇宙の始まり
創造主ゼウスのように
光を操って宇宙を 創造しよう
スチルライフ それは あなたが
神になれる世界 楽しい夢
大好きなおばあちゃんをずっと撮っている日大写真学科4年中山優瞳(ゆめ)さん。そんな彼女にゼウス高井から「それなら、おばあちゃんの大切にしているものも撮ってみよう」という提案。彼女が持ってきたのは、マーチン社製のウクレレとカラフルなスカーフ。ギターが好きだったおじいちゃんからのプレゼント? 定常光を重ねて、ハワイアンなイメージを作る。
「大切なもの 思い出としての宝物」
ゆめちゃん って
おばあちゃんの写真
よく撮っているよね
大好きなんだね
まぁ なんとなくわかるけど
優しくて
いろんなこと してくれるからね
ところで おばあちゃんを 撮っても
持ってるものは
あんまり 撮ってないでしょ
撮ってみれば どう
大切なもの 思い出としての宝物
写真は記録だけど 記憶も残るから
いろんな 発見もあるかも
一応 写真 習っていることだし
やってみたら いいと思うよ
なんてことで
おばあちゃんの 大切なもの
撮影することに
お家にある 簡単な照明器具だけで
撮るなんてのも 面白いんじゃないの
背景になる 下に敷くものとか
思い出につながるもの
なんかも 持ってきてね
光を あてれば その光を 受けて
写真は 撮れる
どこから どんな 光を あてるか
それだけのことだけど
どうなるか だね
あ いい物持って来たね
ミラーボール キラキラ
ダンスパーティだ
Ph.1 / 2 / 3のセット
床にスカーフを広げウクレレを置き、家庭用LED電球を左右からあてて、俯瞰で撮影。LED電球はストロボのようには出力調整をできないため、被写体との距離で明るさを調整。
ライト:❶❷LED電球 ❸RDS ELISPOT 200W
カメラ:Canon EOS 5D Mark IV/レンズ:EF24-70mm F2.8L II USM/1.3秒 f11 ISO100
Ph.1
ライト❶。ウクレレのやや近い位置から。
Ph.2
ライト❷。❶よりも少し離れた高めの位置から。
Ph.3 完成
ライト❸。定常光のスポットライト(製品名:エリスポット/龍電社・生産終了品)をミラーボールにあてて、反射した光を画面に入れる。
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写真:中山優瞳
「物から発する言葉を聞く」
「さて 君は どこから来たんだ?」
ハワイアンのチャンネルに
スイッチ 入れて
ウクレレに 聞いた
スタジオの サイコロに
ユザワヤで 買ってきた
黒布を 広げながら
トップから 電球を あててみる
おじいちゃんと
一緒に ハワイに行ったときの
記念のものなのかな
ポロン って ゆるやかな 音
時々は おじいちゃんのギターと
一緒に 奏でていたんだね
でも ちょっと
置き忘れてて ほこりも うっすら
直のライトは 見えすぎるから
ディフューザーを 間に かまそう
ゆめちゃん
ハワイに 行ったことないんだってね
おばあちゃんたちは
二人だけで 仲良くあちこち
楽しんでたんだね
僕は 行ったことあるよ
おだやかな時間が流れる
うるわしい島
寝ぼけまなこ ゆっくり バスタブ
ぬるめのお湯に 浸かりながら
目を覚ましていく 朝
海を 眺めながら
フルーツと ライオンコーヒー
ビーチを 散歩したあとは
甘めたっぷりの パンケーキ
泳いで 寝転んで
海遊び 堪能したあとは
アラモアナの ドンキーで
サンドとビール 買って
赤く染まりつつある 海を眺める
ゆったりと 幸福な時間
夕日 松明 ゆるやかな 愛おしい音
ポロン ポロン ドンドコ ドンドコ
そんな 話を
君は聞かせてくれるのかな
写真は コンセプトが大事 って
評論家が よく言うよね
だけど 僕は 思うんだ
「物から 発すること」
それを 聞くことも 大事 ってね
ハワイ語は
文字を持ってなかったんだってさ
だから フラで 感情 表現してた
知識だけの 文字じゃなく
体からの言葉を 大切にしてたのね
目と耳 五感を働かせて
感覚的に生活してたんだ きっと
また 行けたらいいな
あの 南洋の楽園
音が 優しく響いてくるよ
アロハ マハロ
フラは 愛 虹の国
Ph.4
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Ph.4のセット
ライト:❶ 100W電球(大:ボール型)/❷RDS ELISPOT 300W/❸100W電球(小:なす形)/❹LEDイルミネーションツリー
カメラ:Canon EOS 5D MarkII/レンズ:EF50mm F2.5 コンパクトマクロ/1.3秒 f9 ISO100
白熱電球、「エリスポット」を使用するため、カメラの色温度設定は3800Kとした。
ライティングの組み立て
定常光は、光の状況を目視しながらライティングを組み立てていくことができる。今回は1日の時間の流れをなぞるように、光を重ねていった。
ライト❶。ボール型家庭用白熱電球。ディフューザー越しの上からの柔らかい光。夜明け前。
スポットライト❷(エリスポット)をサイドから入れる。朝日が差し込んできたイメージ。
右サイドから❸のライトで椰子の木を映し込む。午前の窓辺のイメージ。
クリスマスなどで飾られるLEDのイルミネーションツリー❹の光を、眩しい海の照り返しに見立ててウクレレに映し込む。午後の強い日差し。完成。
ガラスを使ったレイヤー合成
ライト❸のディフューザーにはインクジェットプリンターでOHPシートに出力した椰子の木の写真を貼り、その絵柄を、カメラ前に斜めにセットしたガラス板に映り込ませる。ガラス越しに撮影をすれば、二重露光したような絵が出来上がる。
高井哲朗 たかい・てつろう
1978年 フリーとして活動開始。1986年高井写真研究所設立。広告写真を中心に活動するかたわら、ゼウスクラブを開催し、写真の可能性を伝導する。
※この記事はコマーシャル・フォト2022年5月号から転載しています。
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