ゼウスのスチルライフマジック

第2話「BOTCHANという名前の化粧水 桜子さんなら、どう撮る?」

Photo&Words:Tetsuro Takai/Photo assistant:Sakurako-San

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スタジオは白い空間
何もない宇宙の始まり
創造主ゼウスのように
光を操って宇宙を 創造しよう
スチルライフ それは あなたが
神になれる世界 楽しい夢

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高井哲朗が主催する「ゼウスクラブ」。月に2、3度は集まって、写真のアイデアやライティングを研鑽している。

クラブメンバー桜子さんと撮るのは、デザインメンズコスメ「BOTCHAN」の化粧水。今回も製品カットと、セットを作り込んだイメージカットを撮影。

これ 化粧水 中身は透明だから
商品の後ろから光をあてて

ほら 桜子さん もう 撮れるでしょ
これ 化粧水 中身は透明だから
商品の後ろから光をあてて わかるよね

――あ そうですよね
乳白アクリルに うしろから 光あてて
アクリルに 光でグラデーション 作っていくんですよね

そうそう なんとなくは わかってきたね
化粧水に そのグラデーションが 反映されるんだ

これで 中身の表現はできた
あとは 表面の顔
今回は ハイライトを 表面にはつくらないので
トップから ライト あてればいいかな
それで 化粧水の 表面のデザイン
商品名のロゴを はっきりと表現するんだ
商品を 説明するために 大切な光だよ

商品の説明 商品の品質の表現 それが 商品撮影の 基本
いちばん たいせつな使命

そのためにも 商品をよく見て 大事な事 しっかり理解しておく
気持ちを込めて 商品を作った人の思いを伝える

スチルライフ
それは 一瞬でわかる メッセージ

Ph.1 / 2 / 3のセット

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ライト:❶❷broncolor Pulso G Head+Standard Reflector P70+Honeycomb grid
カメラ:Canon EOS 5D Mark II/レンズ:EF50mm f/2.5 Compact Macro/1/125秒 f13 ISO100



img_tech_zeus02_03.jpgPh.1

ライト❶/アクリルボード後ろからのバックライト。背景にグラデーションを作り、ボトルの中を明るくする。


img_tech_zeus02_04.jpgPh.2

ライト❷/商品のロゴを出すためのライト。ボトル表面がマットなためシャープなハイライトを作る必要はない。そこで今回は斜め上からの直トレ。「直トレ」とはリフレクターの前に直にトレペを貼った状態。ライトの芯(中心のホットスポット)を外して、ボトル全体に均一に光があたるようにする。


img_tech_zeus02_05.jpgPh.3

ライト❶+❷/完成


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ライト❷の角度はこんな感じ。光の芯を被写体にあてないようにして、周囲に広がっていく光でボトルのトップとロゴを描写する感じ。

波間で光が 泳ぐその下の砂浜で
のんびりしてる そんなの 撮ってみよう

ぼっちゃん って 知ってる?
夏目漱石の小説の坊ちゃん
彼は 型にはまった生き方に
もがいて抵抗し 大人になりました

オシャレに敏感で 自由で自然体
きっとそんな個性派の 男の子が 主人公 なんだろうと

そんな 坊ちゃんたちの スキンケア
彼らの 未来志向の フレキシブルなまなざしに
寄り添いたい それが BOTCHAN
商品 渡してくれた ブランディングディレクターの
福岡さんは そんな 話をしてくれた
桜子さんも 聞いてたんでしょ

――そうですね
これから 生きていく わかものたちに エールを
って ことも あったような

自由に明るく 楽しくって イメージ なのかな?
桜子さんの 話も聞きながら のんびり 考えてみた
南の島で ゆったりと
森も川も 海も 浮かんできてね

波間で光が 泳ぐ
その下の砂浜で BOTCHAN  のんびりしてる
そんなの 撮ってみよう って ことにした
砂浜をつくり その上に 水槽を置く
ライトは 太陽光に近い サンライトチューブを使う

水を水槽にはって 揺り動かす いい感じで 爽やか リラックス
水際感をだすのに ブルーを入れて
シトラスフォレスト 香り感じさせるために グリーンも入れる
おっとり 桜子さん ゆっくり 水 動かしてね
その ゆらぎ を 映し込むんだから

フレキシブルな 頭脳構造には リラックス とても 大切
やさしく ゆったり

スチルライフは もうひとつの 世界
空想の海 ひろげていく

Ph.4 / 5のセット

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ライト:❶broncolor Sunlite(U-shaped special flash tube) ❷broncolor Striplite 60 Evolution ❸broncolor Pulso Spot 4+Optical snoot
カメラ:Canon EOS 5D Mark II/レンズ:EF50mm f/2.5 Compact Macro/1/125秒 f8 ISO100



img_tech_zeus02_08a.jpgPh.4

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ボックスライト❷はブルーゼラチンフィルターを貼り、乳白アクリルボードの後ろにセット。スヌートを付けスポットにした❸は、乳白アクリルボードの隙間からあてる。スヌートにもブルーフィルターを貼っている。トップ❶は日光を再現するサンライトチューブを使用(ベアバルブにした通常チューブでも可能)。この光が水槽の水を透過して、被写体のボトルを照らす。


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水槽の水にライトを透過させる二階建てのセット。組み立て式スチールラックの柱で組んだ撮影台。上には水をはった浅いアクリル水槽。下は同型のアクリル水槽に硅砂を盛る。

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ボトル内部を明るくするために、カメラアングルから見えない位置に、小さな銀紙を立てた。

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トップライト(ライト❶)は太陽光をイメージして高い位置にセット。broncolor Sunliteを使用。通常のストロボでもリフレクターを付けずにベアバルブ状態することで、同様のライティングが可能。

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上の水槽の水を揺らしながら撮影。トップからの光が水面で乱反射して、砂地にハイライトのゆらぎが生まれる。

img_tech_zeus02_13a.jpgPh.5

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背景用ライト(ライト❷❸)のみで撮影。トップからの光(太陽光)がない深海、夜の海のイメージ。


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背景用ライト❷は、細長いボックスライトの前面にブルーのフィルターを貼り、乳白アクリルの後ろからあてている。ブルーフィルターは発光面全体を覆うのではなく、下側を1.5cmほど開けておくことで、背景に青から白へのグラデーションができる。白いグラデーションの幅は、ライトと乳白アクリルの距離で調整、ライトを後ろに下げれば、白い帯の幅が広がる。


img_tech_zeus02_15a.jpgPh.6

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プラスαの演出で、水槽の水をブルーインクで着色。ボトル、砂全体に青みが増し、水深が深くなったような仕上がり。


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水性インクを流し込み、水を揺らしながら撮影。水を一気に染めるのではなく、少しずつゆっくりと。その間、シャッターを切り続け、インクの混ざり具合、濃度でカットのバリエーションができる。

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高井哲朗 たかい・てつろう


1978年 フリーとして活動開始。1986年高井写真研究所設立。広告写真を中心に活動するかたわら、ゼウスクラブを開催し、写真の可能性を伝導する。


www.kenkyujo.co.jp/
twitter.com/TetsuroTakai(ツイッター)




※この記事はコマーシャル・フォト2021年6月号から転載しています。


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