レタッチの基本ワザ

第6回 Photoshop CS5 Extendedの進化した3D機能を使いこなす

画像処理・解説:大里宗也(VONS pictures)

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3D機能自体はCS3 Extendedから搭載されていたが、CS5 Extendedではさらに表現の幅が広がっている。

img_soft_retouch06_01.jpg Photo:片岡竜一

独自の3D機能を理解しながら、作りたい立体を組み立てる

Photoshopの3D機能は CS4 Extendedでもプリセットで11種類のプリミティブな3Dオブジェクト(立方体、円柱、球、ピラミッドなど)が作成できる機能が搭載されていたが、任意の形状のオブジェクトを成形できるモデリング機能がなかった。

CS5 Extendedには新たに「成形」という機能が搭載され、テキストレイヤーや選択したパスなどから3Dオブジェクトをモデリングすることが可能になった。

今回はその「成形」機能を使ってPhotoshop内で複数の3Dオブジェクトをモデリングし、それらを組み合わせることで、エレキギターの3Dオブジェクトを作ることにした。レイヤーに3Dオブジェクトが作成できるため、その後のレタッチワークも容易に行なえる。

すでに他の3Dソフトを使ったことのある人は独自のインターフェイスに少々戸惑うかもしれないが、慣れてくると他のソフトにはない手軽さが楽しめる。

2D画像を「押し出し」で基本となる3Dオブジェクトをつくる。

img_soft_retouch06_02.jpg 新規レイヤーを用意し、白などで塗りつぶしておく。そこにギターのボディラインをパスで描く。
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img_soft_retouch06_04.jpg 「3D」メニューから「成形」→「選択したパスを選ぶ」を適用すると、上のデフォルト画面が現れて、右画面のようにパスのアウトラインで押し出した3Dオブジェクト状が作られる。
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3Dオブジェクトの厚さを調整し、角を落とし、穴をあける。

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img_soft_retouch06_07.jpg 「押し出し」の深さを0.05に変更し、「ベベル」の高さと幅を2、「輪郭」はプリセットの中から円弧形状を選びオブジェクトの角を落とした。
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img_soft_retouch06_09.jpg 新たにfホールのパスを引き、「3D」→「成形」→「選択したパス」から「コンストレイントを作成」を選ぶ。
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img_soft_retouch06_11.jpg 成形ウインドウ下部の「内部コンストレイント」の「種類」から「中抜き」を選ぶと、パスの形状で3Dオブジェクトがくり抜かれる。

パーツとなる3Dオブジェクトを作り、組み上げてゆく

「押し出し」や「中抜き」を組み合わせるだけでも、さまざまな3Dオブジェクトを作ることができるが、対称的な形も断面図を描いて、簡単に成形することができる。

成形した複数の3Dオブジェクトは、それぞれ個別のレイヤーになっていて、統合することで同一空間内に置くことができる。3Dレイヤーは統合した後でも3Dオブジェクトを個別に動かしたり、成形の数値を変更したりすることが可能なので、ある程度パーツが揃ったらどんどん統合してゆくとよい。統合することでカメラアングルやライティングなどの変更が1度で済むので、別アングルでの確認、各オブジェクトのサイズや位置などのバランス調整が容易に行なえるようになる。

断面図から回転体を作成する

img_soft_retouch06_12.jpg 断面図をパスなどで描き、それを回転させることで3Dオブジェクトを作ることもできる。
img_soft_retouch06_13.jpg デフォルトでは上図のように押し出された形だが、プリセットの選択を変えると、回転体となる。
img_soft_retouch06_14.jpg 「成形シェイププリセット」から「カーブ5」を選択。デフォルトでは回転体が閉じきらないので「押し出し」の「X角度」を360に変更する。
img_soft_retouch06_15.jpg 断面図を360°回転させて、上画面のような3Dオブジェクトが成形されたが、よく見てみると面やエッジが角張っている。
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img_soft_retouch06_17.jpg 「シーン設定」の「メッシュ画質」を高くすると右画面のように滑らかな形状になる。
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各オブジェクトはレイヤー統合しても、個別で編集が可能。上画面のようにボディ部分だけを非表示にしたり、ノブなどのサイズや位置を変更することができる。

3Dオブジェクトと実写の合成もPhotoshop内で完結

一般的な3D作成ソフトでは背景をテンプレートとして読み込み、3Dオブジェクトのアングルやライティングを決めた後、レンダリングした画像をPhotoshopに持っていき合成作業を進める。

Photoshopで3Dオブジェクトを扱う場合は背景の画像の色調整を行ないながら、3Dオブジェクトのアングルを調整したり、3Dオブジェクトの作業と背景の2D作業を同時に進行するような感覚で進められる。

レンダリングに関しては、作業中は「ドラフト」で進めておき、最後にレイトレーシングでレンダリングすれば良いだろう。ちなみにレンダリングを中止する場合は、画面上をクリックすることで止めることができる。

背景画像に合わせて3Dオブジェクトのアングルとライティングを調整

img_soft_retouch06_20.jpg 背景に使用した画像。
img_soft_retouch06_21.jpg 背景画像にモデリングした3Dオブジェクトを合成してアングルハンティングしてみる。
img_soft_retouch06_22.jpg 色調補正は調整レイヤーなどを用いて通常のレタッチをする手順で行なっている。
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オブジェクトに直接ペイント/表面のディテールを作成する

− ペイント −
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3Dパレットで画質をインタラクション(ペイント)に変更すると、3Dオブジェクトに直接ペイントすることが可能になる。より細かく書き加えたい場合は、テクスチャを開いて作業すればよい。

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img_soft_retouch06_27.jpg
− ディテール −

表面の細かな凹凸のディテールはバンプで表現している。

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左画面を選ぶと別ウィンドウが開くので、白く塗りつぶしたレイヤーにノイズを入れて保存すると上図のような凹凸がオブジェクト表面に反映される。

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Photoshopの3D機能で作成したキノコと人物を合成。

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大里宗也 Souya Ohsato

熊本工業大学附属情報技術専門学校メディアデザイン学科卒。2000年より株式会社VONSpictures所属。チーフCGデザイナー。http://www.vons.co.jp

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