【黒バックで商品を浮かせて撮る時のポイント】
ボディが鏡面のシェーバーを黒バックで撮影してみました。
台や棒に立てることができない被写体のため、背後からの突き出し棒で宙に固定して、
LED表示を含めての一発撮りです。
撮影のポイントを紹介します。
黒背景に馴染まないように逆光のハイライトで輪郭を出す


黒ペーパーの前に突き出し棒でシェーバーを固定、全4灯のライティング。
背後からのライト❶による面光源でシェーバー左側エッジにハイライトラインを入れている。
ハイライトラインを細くするには、被写体前面に光が回り込まないように、
面光源をできるだけ被写体後ろ(黒バックのすぐ横)から打つ。
背後の面光源が画角に入ってしまう場合は下の「撮影で足りない黒バックを伸ばすには」を参照。
各ライトの役割

逆光で左側面の輪郭を出す。

ライト❶のハイライトのやや内側にグラデーションを入れる。

右側のハイライトを作る。

後ろ斜め上からの逆光で上部の輪郭を出す。

背景に商品を浮かせるセット

首の部分を直角に折り、その後ろで90度ねじっておく。

グルーガンの熱から商品を守るため、ガムテープを重ねて貼っている。
高熱タイプのグルーガンの場合は、やや冷ましてからつける。


スローシャッターでLED表示を写す

ストロボの瞬間発光(露光時間は数千分の1秒)で被写体を描写後、
LEDの発光部を露光する(ダブリング)。
この際、露光に影響しないように、ストロボのモデリングライトはオフにしておくこと。
撮影で足りない黒バックを伸ばすには
黒バック撮影で、輪郭出しライトなどの仕掛けが画面端に写り込んでしまう場合、
遮光テープをレンズ前に貼り、ケラレを作って黒背景に馴染ませることができる。
撮影後のPhotoshop編集で黒く塗りつぶすこともできるが、撮影時にもできる。
背後からライトを入れる場合は、ハレーション防止にもなる。
当然ながら被写体はケラレないように。

絞り値でボケ足が変わるので、本来の黒バックとの繋がりに注意する。
黒川隆広
くろかわ・たかひろ/amanaにて、30年間、商品撮影を中心に活動。2016年退社後、アライアンス社員として連携。現在は大手ECサイト商品撮影講座講師、写真の学校特別講師他、セミナー、イベントなどで写真の学びの場を提供。プロからアマチュアまで、また企業から個人向けまで、プライベートレッスンも受け付けています。
kuro1868@icloud.com
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黒川隆広「商品撮影」基礎レッスン ReEdit バックナンバー 一覧
04 円形のカラーサンプル撮影方法/同じ形の「こぼれカット」を撮る
10 ライティングが上達するコツはモノクロで確認すること/写真を見るときの背景色に注意
12 クリップを使い、小さな被写体を斜めにセットする/耐震マットで小物を吊して撮影
13 指輪の背景にシルバーマットを使う/ビーズクッションを背景として利用
14 スープの具材を液面に並べる/被写体を傾け真俯瞰のアングルをつくる

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