【缶を水に落とす時の隠し技】
ビール缶などのラベルを上に向けて水槽に落とす俯瞰撮影。
そのまま水に落とすと、缶の丸みでしぶきがラベル面にも回り込んでしまいます。
しぶきはできるだけ勢いよく跳ねさせたい。
しかし商品の顔であるラベルや商品名が水で隠れてしまうのはNG。
そこでラベルと逆の面に薄い板(アルミ板など)を貼り、
水にあたる部分を平面にしておくことで、しぶきを外に広げます。

水を張った透明アクリル水槽に薄手の乳白アクリルを沈め、缶を落として俯瞰から撮影する。
基本のライティングは、トップ(水槽上)からのライトでラベル面を明るくし、
水槽下からのライトで水の透明感を出す(ライトの数は撮影状況によって変わる)。
ライトにカラーフィルターをかけると水に色をつけることもできるが、
透明の水のままだと缶にあてたライトでアクリルの白さが出てしまい、
カラーフィルターの色が再現できない。
ここでも水に墨汁を混ぜてグレーにしてバランスを取ると、フィルターの色を綺麗に再現できる。
黒川隆広
くろかわ・たかひろ/amanaにて、30年間、商品撮影を中心に活動。2016年退社後、アライアンス社員として連携。現在は大手ECサイト商品撮影講座講師、写真の学校特別講師他、セミナー、イベントなどで写真の学びの場を提供。プロからアマチュアまで、また企業から個人向けまで、プライベートレッスンも受け付けています。
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黒川隆広「商品撮影」基礎レッスン ReEdit バックナンバー 一覧
04 円形のカラーサンプル撮影方法/同じ形の「こぼれカット」を撮る
10 ライティングが上達するコツはモノクロで確認すること/写真を見るときの背景色に注意
12 クリップを使い、小さな被写体を斜めにセットする/耐震マットで小物を吊して撮影
13 指輪の背景にシルバーマットを使う/ビーズクッションを背景として利用
14 スープの具材を液面に並べる/被写体を傾け真俯瞰のアングルをつくる

コマーシャル・フォト 2025年3月号
【別冊付録】CM・映像 キャメラマン&ライトマン ファイル 2025
【別冊付録】
CM・映像 キャメラマン&ライトマン ファイル 2025
CM業界、映像業界関係者必携の1冊! CMやMVの分野を中心に活躍する、キャメラマンやライティング・テクニシャンの185人のプロフィールや仕事データを掲載。※電子版では、付録は本誌の後のページに収録されています。
【特集】
「写真におけるAIの今」
今回の巻頭特集は「写真におけるAIの今」。博報堂プロダクツREMBRANDTが行なった、レタッチャーによる 生成AIビジュアル作品展「PHANTOM」を取り上げ、写真におけるAIの現状を紐解いていく。
【誌上写真展】
写真学生たちの挑戦 2025
日本大学 芸術学部 写真学科/東京工芸大学 芸術学部 写真学科/長岡造形大学 視覚デザイン学科/日本写真芸術専門学校/東北芸術工科大学 グラフィックデザイン学科
【新連載】
長山一樹流 違いを生むコマーシャル・ポートレイト
「 ポートレイトisブラックアンドホワイト」
【FEATURE】
「Tokyo Moonscapes 東京恋図」 南雲暁彦
「FLORA / ECHO」 大和田良
「フィルムの世界、4人の視点」増田彩来/鈴木文彦/染谷かおり/松本慎一
ほか