【スープの具材を液面に並べる】
作例のような具沢山のスープ。
普通にカップに盛り付けると、具材が沈んでしまい「具沢山感」が出ません。
カップの底にラップでくるんだ粘土を沈め、
その上に具を盛ってスープ液面から覗くようにします。


左図のように、粘土をラップでくるみカップの底に沈めておく。
粘土の形でがたつきを作り、
具材がスープ液面に自然な感じで並ぶようにする。

黒パネルで床、背景にあたる光をカット。
木目の背景は先月号で紹介したピノスタジオ「背景シート」を使用。
湯気ありシズルカット

湯気、スモークの演出には、昔から様々な煙やドライアイスなどが使われてきたが、
食品はハンディタイプのミストスチーマーが便利。
この作例は一発撮りだが、黒バックで合成用素材を撮影して、後から写真にのせることもある。
湯気、スモークのいろいろ(合成用素材)

【被写体を傾け真俯瞰のアングルをつくる】
作例はカラーシャツを並べた真俯瞰アングルですが、
俯瞰撮影アームでカメラを商品の真上に据えるのは、
セットも大掛かりになって大変です。
このような被写体では、撮影台(天板)ごと傾けて斜め俯瞰で撮影すれば、
普通の三脚でも簡単に真俯瞰のアングルが可能です。


黒川隆広
くろかわ・たかひろ/amanaにて、30年間、商品撮影を中心に活動。2016年退社後、アライアンス社員として連携。現在は大手ECサイト商品撮影講座講師、写真の学校特別講師他、セミナー、イベントなどで写真の学びの場を提供。プロからアマチュアまで、また企業から個人向けまで、プライベートレッスンも受け付けています。
kuro1868@icloud.com
LINE ID:kuro390714
黒川隆広「商品撮影」基礎レッスン ReEdit バックナンバー 一覧
04 円形のカラーサンプル撮影方法/同じ形の「こぼれカット」を撮る
10 ライティングが上達するコツはモノクロで確認すること/写真を見るときの背景色に注意
12 クリップを使い、小さな被写体を斜めにセットする/耐震マットで小物を吊して撮影
13 指輪の背景にシルバーマットを使う/ビーズクッションを背景として利用
14 スープの具材を液面に並べる/被写体を傾け真俯瞰のアングルをつくる

コマーシャル・フォト 2025年6月号
【SPECIAL FEATURE:TAKAY】
撮り下ろし:ドリアン・ロロブリジーダ
TAKAYインタビュー/作品紹介
NYと東京を拠点としファッション誌からラグジュアリーブランドの広告、アーティストのジャケットワークまでを手掛けるTAKAY氏。ドラァグクイーン、ドリアン・ロロブリジーダ氏とのフォトセッションを皮切りに作品紹介とインタビュー、写真展紹介で綴る22ページ。
【特集】
この春、編集部が選んだ「今、注目すべき5人のフォトグラファー」。彼らがシャッターを切る理由は? 写真で何を語ろうとしているのか?キャリアの原点から最新作までを深掘りし、それぞれの”視点”に迫る。未来の一枚をつくるヒントが、きっとここに。
大野隼男/クロカワリュート/杉田知洋江/Miss Bean/Leslie Zhang
【連載】
長山一樹流 違いを生むコマーシャル・ポートレイト
「 ハッセルブラッドで撮るポートレイト」
Create My Book -自分らしいポートフォリオブックを作る-
Vol.10 「オールドレンズ」 金村美玖
ほか