【テーブル面に映る壁の白かぶりを抑える】
明るい部屋の自然光撮影では、白壁の反射で
家具天面や濃いフローリングが「白かぶり」をしてしまいます。
作例では部屋中央のテーブルに奥の白壁が映り込んで反射しているので、
ペーパーで「白かぶり」を抑えたカットを素材として撮影しておき、
部屋全体の写真と合成しました。
その際、黒ペーパー、グレーペーパー、茶色のペーパーをそれぞれ試し、
茶色のペーパーをセレクトしました。
ロケのインテリア撮影では、このように複数の色違いの
ペーパーを用意しておくと良いでしょう。
テーブルが白くかぶっている

ペーパー 黒

ペーパー グレー

ペーパー 茶色


撮影協力:萩原株式会社
http://e-hagihara.co.jp
【フレアをつくり光が溢れる空間を演出】
カーテン部分にフレアを作り、光が部屋に溢れる様子を演出しました。
レンズ前に透明アクリル板をつけて、カーテン部分にあたる付近にだけ、
アクリル面にヘアワックスを塗り光を滲ませています。
ヘヤワックスでは光が滲み過ぎという場合、鼻の脂を塗るだけでも効果が出ます。
フレア なし

フレア 鼻の脂

フレア ヘアワックス


左の写真ではわかり易いように厚塗りをしているが、鼻の油くらいでも効果的。
黒川隆広
くろかわ・たかひろ/amanaにて、30年間、商品撮影を中心に活動。2016年退社後、アライアンス社員として連携。現在は大手ECサイト商品撮影講座講師、写真の学校特別講師他、セミナー、イベントなどで写真の学びの場を提供。プロからアマチュアまで、また企業から個人向けまで、プライベートレッスンも受け付けています。
kuro1868@icloud.com
LINE ID:kuro390714
黒川隆広「商品撮影」基礎レッスン ReEdit バックナンバー 一覧
04 円形のカラーサンプル撮影方法/同じ形の「こぼれカット」を撮る
10 ライティングが上達するコツはモノクロで確認すること/写真を見るときの背景色に注意
12 クリップを使い、小さな被写体を斜めにセットする/耐震マットで小物を吊して撮影
13 指輪の背景にシルバーマットを使う/ビーズクッションを背景として利用
14 スープの具材を液面に並べる/被写体を傾け真俯瞰のアングルをつくる

コマーシャル・フォト 2025年7月号
【特集】レタッチ表現の探求
写真を美しく仕上げるために欠かせない「レタッチ」。それはビジュアルを整えるだけでなく、一発撮りでは表現しきれないクリエイティブな可能性を引き出す工程でもある。本特集では、博報堂プロダクツ REMBRANDT、フォートンのレタッチャーがビジュアルの企画から参加し、フォトグラファーと共に「ビューティ」「ポートレイト」「スチルライフ」「シズル」の4テーマで作品を制作。撮影から仕上げまでの過程を詳しく紹介する。さらに後半では、フォトグラファーがレタッチを行なうために必要な基本的な考え方とテクニックを、VONS Picturesが実例を通して全18Pで丁寧に解説。レタッチの魅力と可能性を多角的に掘り下げる。
PART1
Beauty 石川清以子 × 亀井麻衣
Portrait 佐藤 翔 × 栗下直樹
Still Life 島村朋子 × 岡田美由紀
Sizzle 辻 徹也 × 羅 浚偉
PART2
フォトグラファーのための人物&プロダクトレタッチ完全実践
講師・解説:VONS Pictures (ヴォンズ・ピクチャーズ)
基礎1 フォトグラファーが知っておくべきレタッチの基本思想
基礎2 レタッチを始める前に必ず押さえておきたいポイント
人物レタッチ実践/プロダクトレタッチ実践
ほか