【ペーパーを丸めて背景を暗くおとす】
テーブルトップ撮影でカラーペーパーに商品を置いて撮影する際、
奥を暗く落とすと被写体が際立って、ニュアンスのある写真になります。
ただしトップから被写体にライトをあてると、背景まで光が回ってしまうため、
黒いボードを上にセットして、奥に行く光をカットします。
さらに簡単なのは、ペーパー自体を丸めて光をカットする方法。
この方法ならペーパーの丸め方で、影の入り方やグラデーションもコントロールしやすいです。

黒ボードで背景を暗くする

左サイドからのディフューザー越しのライトをメインに、
パウンドケーキの背後からのトップライトで、ケーキ上面にハイライトを入れる。
アングルに入らない位置に黒ボードを渡し、上からの光をカット。
画面奥にシャドーを作る。
ペーパーを丸めて背景を暗くする

ライトの配置は上と同じ。
カラーペーパー自体を前に折り曲げてトップライトの光を遮り、
奥にシャドーを作る。
手持ちで紙の角度や位置を自由に変えられるので、
バリエーションを作りやすい。
黒川隆広
くろかわ・たかひろ/amanaにて、30年間、商品撮影を中心に活動。2016年退社後、アライアンス社員として連携。現在は大手ECサイト商品撮影講座講師、写真の学校特別講師他、セミナー、イベントなどで写真の学びの場を提供。プロからアマチュアまで、また企業から個人向けまで、プライベートレッスンも受け付けています。
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黒川隆広「商品撮影」基礎レッスン ReEdit バックナンバー 一覧
04 円形のカラーサンプル撮影方法/同じ形の「こぼれカット」を撮る
10 ライティングが上達するコツはモノクロで確認すること/写真を見るときの背景色に注意
12 クリップを使い、小さな被写体を斜めにセットする/耐震マットで小物を吊して撮影
13 指輪の背景にシルバーマットを使う/ビーズクッションを背景として利用
14 スープの具材を液面に並べる/被写体を傾け真俯瞰のアングルをつくる

コマーシャル・フォト 2025年7月号
【特集】レタッチ表現の探求
写真を美しく仕上げるために欠かせない「レタッチ」。それはビジュアルを整えるだけでなく、一発撮りでは表現しきれないクリエイティブな可能性を引き出す工程でもある。本特集では、博報堂プロダクツ REMBRANDT、フォートンのレタッチャーがビジュアルの企画から参加し、フォトグラファーと共に「ビューティ」「ポートレイト」「スチルライフ」「シズル」の4テーマで作品を制作。撮影から仕上げまでの過程を詳しく紹介する。さらに後半では、フォトグラファーがレタッチを行なうために必要な基本的な考え方とテクニックを、VONS Picturesが実例を通して全18Pで丁寧に解説。レタッチの魅力と可能性を多角的に掘り下げる。
PART1
Beauty 石川清以子 × 亀井麻衣
Portrait 佐藤 翔 × 栗下直樹
Still Life 島村朋子 × 岡田美由紀
Sizzle 辻 徹也 × 羅 浚偉
PART2
フォトグラファーのための人物&プロダクトレタッチ完全実践
講師・解説:VONS Pictures (ヴォンズ・ピクチャーズ)
基礎1 フォトグラファーが知っておくべきレタッチの基本思想
基礎2 レタッチを始める前に必ず押さえておきたいポイント
人物レタッチ実践/プロダクトレタッチ実践
ほか