【鏡面の被写体は
全体が鏡面の鍋の撮影。
シルバーペーパーを床背景に使う】
周囲の映り込みを防ぐために両サイドに乳白アクリルのディフューザーをセットして、
その間からレンズを出して撮影をします。
床面も鍋に映り込みますが、通常の白ペーパーだと
両サイドのディフューザーの映り込み(ハイライト)よりも、
床面の映り込みが暗くなってしまうため、
反射率が高いシルバーペーパーを使ってハイライトの明るさを揃え、
境界を馴染ませます。
またハイライトをつなげるためには、
左右のディフューザーを撮影台下まで垂らすことも重要です。
シルバーペーパーの場合、ペーパーにも被写体が映り込んでしまうため、
影イキの写真に仕上げる場合、白ペーパーで撮影した影のみを合成します。
五條製紙のスペシャリティーズペーパー
五條製紙のスペシャリティーズペーパーは、メタリック、パール調などに
加工をされた特殊紙で、パッケージなどに使われるが、
様々な種類があり撮影でも利用できる。
上の鍋の撮影では明るめのシルバー「No319-1」(12μダルペットシルバー)を使用。
下の時計の作例は、暗めのシルバー艶ありの「No381」(特殊蒸着PET)を
使用して被写体を映り込ませ、画像編集で背景全体を暗くしている。
五條製紙:https://www.gojo.co.jp/
黒川隆広
くろかわ・たかひろ/amanaにて、30年間、商品撮影を中心に活動。2016年退社後、アライアンス社員として連携。現在は大手ECサイト商品撮影講座講師、写真の学校特別講師他、セミナー、イベントなどで写真の学びの場を提供。プロからアマチュアまで、また企業から個人向けまで、プライベートレッスンも受け付けています。
kuro1868@icloud.com
LINE ID:kuro390714
黒川隆広「商品撮影」基礎レッスン ReEdit バックナンバー 一覧
04 円形のカラーサンプル撮影方法/同じ形の「こぼれカット」を撮る
10 ライティングが上達するコツはモノクロで確認すること/写真を見るときの背景色に注意
12 クリップを使い、小さな被写体を斜めにセットする/耐震マットで小物を吊して撮影
13 指輪の背景にシルバーマットを使う/ビーズクッションを背景として利用
14 スープの具材を液面に並べる/被写体を傾け真俯瞰のアングルをつくる
コマーシャル・フォト 2024年10月号
■特集「令和の時代に、フィルムで写真を撮るということ。」
写真家・石田真澄がフィルムを使い、ハウススタジオやフェリー、海辺で自然体の齋藤飛鳥を11Pにわたって撮り下ろした。また、これまで石田が積み重ねてきた仕事の数々から一部を抜粋して紹介する。
また、中森 真、大野隼男、木村和平、竹中祥平、三部正博という5人のフォトグラファーがフィルムを使って撮影した仕事例、作品を紹介。フィルム撮影に関する考え、使用機材やよく利用する現像所などを伺った。
■連載「撮影を楽しむスペシャリストたち」
写真業界には数多くの撮影ジャンルがあり、それぞれの分野で活躍するスペシャリストたちがいる。この連載では、フォトグラファー中野敬久氏が毎回気になるスペシャリストにインタビューを行ない、その分野ならでは魅力や、撮影への向き合い方を聞くことで、“撮影を楽しむ”ためのヒントを探っていく。今回のゲストは新津保建秀氏。
■連載「GLAY CREATIVE COLLECTION 2024- VOL.03」
GLAY 30年間のクリエイティブを網羅した書籍「GLAY CREATIVE COLLECTION 1994-2024」が好評につき連載化!今回紹介するのは9月18日発売の「GLAY 30th Anniversary GLAY EXPO 2024-2025 in BELLUNA DOME Blu-ray & DVD」のアートワーク。アートディレクターの吉野晋弥氏、フォトグラファーの岡田祐介・田辺佳子氏に取材した。