黒川隆広「商品撮影」基礎レッスン ReEdit 10

ライティングが上達するコツは
モノクロで確認すること


カラー写真では色に誤魔化されてしまい、

ライティングで一番重要な「階調」が判断しにくい時があります。

モノクロ写真では、見せたい場所に光があたっていて、

グレーの濃度差がきちんと出ていなければ、立体感のある写真になりません。

カラーが基本のデジタル撮影でも、一度データをモノクロ(グレースケール)にして

確認することが、ライティング上達の一つの方法です。
カラー写真単体で見ればAもCもよく見えてしまうかもしれないが、
モノクロにすると階調がきれいに表現できていない。
Aはコントラストがつきすぎ。いわゆる硬すぎる写真。
Cはコントラストがなく、いわゆる眠い写真。
モノクロにして見ると、Bがハイライトからシャドーまで階調の差が
きれいに出ていることがわかる。


写真を見るときの背景色に注意

写真をモニターで見る時、背景色が暗いと、目の錯覚で写真が鮮やかに見え、
背景色が明るいと写真が沈んで見えます。
たとえばPhotoshopの作業スペースを黒にして明るさを調整して、

実際に白い紙に印刷したら写真が暗かったということもあります。
媒体のベース色に合わせた背景色で画像編集することが必要。

媒体のベース色に合わせて写真の明るさを微調整するようにします。
上の図では左側の凸が鮮やかに、右側の凸が沈んで見えるが、実際は同じ色。

左右の写真は同じもの。周囲(作業スペース)を黒にして写真を観察すると鮮やかに見える。
その写真が白い背景色の媒体で使われると、印象が変わってしまう。





黒川隆広
くろかわ・たかひろ/amanaにて、30年間、商品撮影を中心に活動。2016年退社後、アライアンス社員として連携。現在は大手ECサイト商品撮影講座講師、写真の学校特別講師他、セミナー、イベントなどで写真の学びの場を提供。プロからアマチュアまで、また企業から個人向けまで、プライベートレッスンも受け付けています。
kuro1868@icloud.com
LINE ID:kuro390714


黒川隆広「商品撮影」基礎レッスン ReEdit バックナンバー 一覧

01 ワインボトル撮影のポイントとアイデア

02 スプラッシュの合成用素材は水に墨を混ぜる

03 缶を水に落とす時の隠し技

04 円形のカラーサンプル撮影方法/同じ形の「こぼれカット」を撮る

05 ハーフミラーによる反射物の平面撮影

06 ペーパーを丸めて背景を暗くおとす

07 ハイライトの「後のせ」合成

08 撮影素材からハイライトを拾い合成する

09 骨白アクリルの背景で影に色をつける

10 ライティングが上達するコツはモノクロで確認すること/写真を見るときの背景色に注意

11 黒バックで商品を浮かせて撮る時のポイント

12 クリップを使い、小さな被写体を斜めにセットする/耐震マットで小物を吊して撮影

13 指輪の背景にシルバーマットを使う/ビーズクッションを背景として利用

14 スープの具材を液面に並べる/被写体を傾け真俯瞰のアングルをつくる

15 テーブル面に映る壁の白かぶりを抑える

16 鏡面の被写体は シルバーペーパーを床背景に使う

17 「注ぎカット」は撮影時の傾きで印象を変える

18 スケールダウンした 風景を 被写体に映し込む

19 ライティングで浮遊感を出すアイデア

コマーシャル・フォト2024年3月号

■特集「料理写真徹底研究 もっと! おいしい瞬間」五感に訴えかける料理写真の極意とは!

料理撮影において最も重要なのが、被写体の“おいしい瞬間”を切り取ること。瑞々しい素材のカットや、調理場面、出来立てのテーブルフォト、食器で口に運ぶシーンなど、その瞬間はいたるところに存在し、被写体や使用用途に合わせて、ベストな瞬間を見極めると共に、見た人の五感を刺激するビジュアルを突き詰めることで、最高の料理写真が完成する。本特集では、食に特化したフォトグラファーが多数在籍しているアマナのシズル撮影専門クリエイターチームhue(ヒュー)に、経験による審美眼や画面構成のアイデア、シズル表現のテクニックなど、“おいしい瞬間”をビジュアル化するためのノウハウを解説してもらった。

■写真展「中森明菜」
中森明菜さんのデビュー40周年を記念し、新設された中森明菜さんのファンクラブ:ALDEA限定で発売された写真集。その撮影を担当した只友眞人氏が撮影について語る。

■feature 01 高橋秀行「3,776.12」
Shuffleでも以前取り上げた本展。コマーシャル・フォト3月号でもより深く、作品に迫る。