【骨白アクリルの背景で影に色をつける】
通常、乳白アクリルを撮影台にして下からライトを入れる撮影では、
台(乳白アクリル)自体が透過光で明るくなり、台に置いた被写体の影は出ません。
ここでは「骨白アクリル」を使い、被写体のシャープな影を作り、
さらにその影に色をのせる方法を紹介します。
下からの光で色をつけているため、被写体(商品)の色味には影響しません。
ガラス板と骨白アクリル板を重ねた二階建てのセット。骨白アクリル板には商品を置き、
ガラス板の上には短冊状のカラーフィルターを置く。
ベアバルブ状態のライト❶で商品のシャープな影を作る。
ライト❷で商品内部を明るくするが、ライト❶で作った影を消さないように注意する。
グリッドを使い床面(骨白アクリル面)にあたらないようにするのもよい。
ライト❸で下から強い光を入れると骨白アクリルでも光を透過するので、
影に下のフィルターの色がのってくる。
フィルターの色、位置を調整して、影の中に色のグラデーションを作る。
*乳白アクリルと骨白アクリルの違い。
光をある程度透過し、ディフューザーなどで使用される白いアクリル板の
正式名は「乳半アクリル(乳白半透明アクリル)」だが、
撮影現場では慣例的に「乳白アクリル」と呼ばれることが多い
(記事中でも「乳白アクリル」と表記)。
一方、半透明ではない白い素材は「骨白アクリル」で、光の透過が少ない。
黒川隆広
くろかわ・たかひろ/amanaにて、30年間、商品撮影を中心に活動。2016年退社後、アライアンス社員として連携。現在は大手ECサイト商品撮影講座講師、写真の学校特別講師他、セミナー、イベントなどで写真の学びの場を提供。プロからアマチュアまで、また企業から個人向けまで、プライベートレッスンも受け付けています。
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黒川隆広「商品撮影」基礎レッスン ReEdit バックナンバー 一覧
04 円形のカラーサンプル撮影方法/同じ形の「こぼれカット」を撮る
10 ライティングが上達するコツはモノクロで確認すること/写真を見るときの背景色に注意
12 クリップを使い、小さな被写体を斜めにセットする/耐震マットで小物を吊して撮影
13 指輪の背景にシルバーマットを使う/ビーズクッションを背景として利用
14 スープの具材を液面に並べる/被写体を傾け真俯瞰のアングルをつくる
コマーシャル・フォト 2024年10月号
■特集「令和の時代に、フィルムで写真を撮るということ。」
写真家・石田真澄がフィルムを使い、ハウススタジオやフェリー、海辺で自然体の齋藤飛鳥を11Pにわたって撮り下ろした。また、これまで石田が積み重ねてきた仕事の数々から一部を抜粋して紹介する。
また、中森 真、大野隼男、木村和平、竹中祥平、三部正博という5人のフォトグラファーがフィルムを使って撮影した仕事例、作品を紹介。フィルム撮影に関する考え、使用機材やよく利用する現像所などを伺った。
■連載「撮影を楽しむスペシャリストたち」
写真業界には数多くの撮影ジャンルがあり、それぞれの分野で活躍するスペシャリストたちがいる。この連載では、フォトグラファー中野敬久氏が毎回気になるスペシャリストにインタビューを行ない、その分野ならでは魅力や、撮影への向き合い方を聞くことで、“撮影を楽しむ”ためのヒントを探っていく。今回のゲストは新津保建秀氏。
■連載「GLAY CREATIVE COLLECTION 2024- VOL.03」
GLAY 30年間のクリエイティブを網羅した書籍「GLAY CREATIVE COLLECTION 1994-2024」が好評につき連載化!今回紹介するのは9月18日発売の「GLAY 30th Anniversary GLAY EXPO 2024-2025 in BELLUNA DOME Blu-ray & DVD」のアートワーク。アートディレクターの吉野晋弥氏、フォトグラファーの岡田祐介・田辺佳子氏に取材した。