2016年10月04日
「Adobe Stock」コントリビューター向けポータルサイトがオープン
アドビは、ストックフォトサービス「Adobe Stock」のコントリビューター向けポータルサイトを9月21日にオープン、素材の受け入れを開始した。これを記念してのイベントが9月30日、東京・恵比寿のact*squareで開催された。来場者には軽食とアルコールが振る舞われ、まさに祝賀パーティーといった華やいだ雰囲気。dot by dot inc.代表の富永勇亮氏が祝辞を述べ、Adobe Stockカラーであるピンクのオリジナルカクテルで参加者全員による乾杯。旅行券10万円が当たる抽選会や、アーティストFrankie Cihi氏によるLIVE Digital Drawing パフォーマンスなど楽しい催しで大いに盛り上がったが、ここではAdobe Stockに関して紹介された情報をレポートする。
米国アドビ社から来日したスコット・ブラウト氏
まず、アメリカ本社から来日したCreative Cloud事業におけるコンテンツ戦略と運営を統括するスコット・ブラウト氏が「Adobe Stock」の概要を語った。
「アドビ社は、クリエイティビティの作成ツールを30年間にわたり提供してきました。今ではPhotoshop、Lightroomなど20以上のデスクトップアプリケーション、10のモバイルアプリ、そして700万人のデザイナーが参加するコミュニティサービスを提供しています」
質の高いビジュアルコンテンツが求められる時代に寄り添ってきたアドビ社の現状が説明される。そして、昨年6月に発表した「Adobe Stock」は、バイヤー(素材購入者)であるデザイナーの時間とお金の節約を実現すると同時に、コントリビューターとなるアーティストにとってもメリットが大きいという点について言及。
「Adobe Stockに投稿していただく良い点としては、(1)簡単に実現できる、(2)何百万というCreative Cloud利用者に皆さんのブランドをアピールすることができる、そして(3)容易に収入につながるため寝ている間でも稼げるようになる、という3点です。ストックフォトになじみがない方は戸惑っているかもしれませんが、Creative Cloudメンバーには何百万ものバイヤーとなる人々が存在します。あらゆる素材を必要としているのです」と、世界中で多くのクリエイターに使用されているアドビならではの優位性が述べられた。
必要とされる素材については、「建物・建築に関するもの、ビジネス、人物、科学・テクノロジー、そして文化的なものも必要です。日本は2020年のオリンピックを控えているので、これはさらに重要な機会になると言えます」
「もう1つ、どのようにすれば最高の素材になるかをお伝えします。まず、真実に裏打ちされたもの。そして非常にカラフルなイメージ、ファッショナブルなイメージ。特に、画像を見るだけでストーリーが語られるような画像も求めます。さらに、構図として整っているもの。クリエイティブなイメージ。構図がシンプルであるという点も重要です」
コントリビューターとして成功するためのコツとしては、「情熱を持てるものを持ってくださいとお願いしています。一番よく知っている主題について撮ってください。またテクノロジーにも注目してください。そして、デザイナーは素材をどのように使うのか。投稿する画像は、商業目的に使われることを想定してください。権利の取得も必要ですので、モデルリリース、プロパティリリースを取ってください。そして最も成功を修めたコントリビューターは、定期的に投稿を行なっているということをお伝えしておきます」
そして、「Adobe Stock」コントリビューター向けポータルサイトがオープン。同時に、BridgeやLightroomといったアプリケーションから簡単にマーケットプレイスに投稿できる仕組みがアップデートされたことが紹介された。さらに、検索エンジンのための自動タグ付機能も付いたそう。機械学習を通じて画像を分析し、適した推奨キーワードを自動で示すというものだ。これにより、投稿する画像に対していちからすべて関連する言葉を打ち込む手間が省かれるという。「実際のデモは後ほど」ということで、後半のデモに引き継がれた。
コントリビューター向けのアップデートを紹介
アドビ社 栃谷宗央氏。ジャケットの中には「Adobe Stock」Tシャツを着用して登壇。写真では確認できないが、背中には「St」のアイコンがデザインされている
休憩後の「Adobe Stock」デモには、アドビ社の栃谷宗央氏が登壇。まずは「Adobe Stock」発表当初より言及されていた、バイヤーであるデザイナーのワークフロー効率アップのデモが行なわれた。使用する素材の検索から、見つけた素材を透かし入りの状態でカンプ制作、そして決定後はそのまま購入といった一連の流れをすべてアプリケーション上で行なう様子を披露していく。
そしてこの日のメイン、コントリビューター向けの新たなアップデートのデモに入る。コントリビューターになるためには、まずポータルサイトにアクセスしてアカウントを作成。あとはファイルをブラウザにドラッグ&ドロップするだけでアップロードという容易さだ。
また、前半に登壇したスコット・ブラウト氏も紹介していたBridge、Lightroomからの直接投稿がなんといっても便利そうだ。BridgeもLightroomも、画像のブラウズや整理によく使用されているアプリである。これらと連携することは、作品選びからアップロードまでの効率が格段にアップされ、画像の投稿もはかどるだろう。
ブラウト氏からは、「定期的に投稿を行なっているコントリビューターが成功を修めている」との指摘があった。すっかり投稿の環境が整った今、日本からも人気コントリビューターが何人も登場するかもしれない。
Bridge画面の右上を拡大。「公開」タグの中にAdobe Stock
画像がアップロードされたら「Adobe Stock」サイトに移動して、タグ付けを行なう
Lightroomでは、画面左側の「公開サービス」から「Adobe Stock」が選択できる
「Adobe Stock」サイトに画像をアップロードした状態
画像を選択し「審査中」の文字をクリックすると、販売のための審査に回される
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