黒川隆広「商品撮影」基礎レッスン ReEdit 11

黒バックで商品を浮かせて撮る時のポイント

ボディが鏡面のシェーバーを黒バックで撮影してみました。
台や棒に立てることができない被写体のため、背後からの突き出し棒で宙に固定して、

LED表示を含めての一発撮りです。
撮影のポイントを紹介します。

黒背景に馴染まないように逆光のハイライトで輪郭を出す

上の写真のライティングセットイメージ。

黒ペーパーの前に突き出し棒でシェーバーを固定、全4灯のライティング。
背後からのライト❶による面光源でシェーバー左側エッジにハイライトラインを入れている。
ハイライトラインを細くするには、被写体前面に光が回り込まないように、
面光源をできるだけ被写体後ろ(黒バックのすぐ横)から打つ。
背後の面光源が画角に入ってしまう場合は下の「撮影で足りない黒バックを伸ばすには」を参照。

各ライトの役割

ライト❶ 黒バック紙の左からディフューザー越しの面光源。
逆光で左側面の輪郭を出す。
ライト❷ 左斜め前から。
ライト❶のハイライトのやや内側にグラデーションを入れる。
ライト❸ 右サイドからやや逆光気味に光を入れ、
右側のハイライトを作る。
ライト❹ 刃の部分の描写。
後ろ斜め上からの逆光で上部の輪郭を出す。
シャッター速度1/2秒のダブリングで、LED表示部を写す。




背景に商品を浮かせるセット

平板のアルミステーを使う。
首の部分を直角に折り、その後ろで90度ねじっておく。
グルーガンで商品をアルミステーにとめる。
グルーガンの熱から商品を守るため、ガムテープを重ねて貼っている。
高熱タイプのグルーガンの場合は、やや冷ましてからつける。
突き出し棒で被写体を宙に固定した状態。



スローシャッターでLED表示を写す

ストロボ撮影でLED表示を写すには、カメラのシャッター速度を1/2秒程度に設定。
ストロボの瞬間発光(露光時間は数千分の1秒)で被写体を描写後、
LEDの発光部を露光する(ダブリング)。
この際、露光に影響しないように、ストロボのモデリングライトはオフにしておくこと。




撮影で足りない黒バックを伸ばすには

黒バック撮影で、輪郭出しライトなどの仕掛けが画面端に写り込んでしまう場合、
遮光テープをレンズ前に貼り、ケラレを作って黒背景に馴染ませることができる。
撮影後のPhotoshop編集で黒く塗りつぶすこともできるが、撮影時にもできる。
背後からライトを入れる場合は、ハレーション防止にもなる。
当然ながら被写体はケラレないように。

写真上右が、レンズ前の遮光テープのケラレで、画面左を黒くした例。
絞り値でボケ足が変わるので、本来の黒バックとの繋がりに注意する。






黒川隆広
くろかわ・たかひろ/amanaにて、30年間、商品撮影を中心に活動。2016年退社後、アライアンス社員として連携。現在は大手ECサイト商品撮影講座講師、写真の学校特別講師他、セミナー、イベントなどで写真の学びの場を提供。プロからアマチュアまで、また企業から個人向けまで、プライベートレッスンも受け付けています。
kuro1868@icloud.com
LINE ID:kuro390714


黒川隆広「商品撮影」基礎レッスン ReEdit バックナンバー 一覧

01 ワインボトル撮影のポイントとアイデア

02 スプラッシュの合成用素材は水に墨を混ぜる

03 缶を水に落とす時の隠し技

04 円形のカラーサンプル撮影方法/同じ形の「こぼれカット」を撮る

05 ハーフミラーによる反射物の平面撮影

06 ペーパーを丸めて背景を暗くおとす

07 ハイライトの「後のせ」合成

08 撮影素材からハイライトを拾い合成する

09 骨白アクリルの背景で影に色をつける

10 ライティングが上達するコツはモノクロで確認すること/写真を見るときの背景色に注意

11 黒バックで商品を浮かせて撮る時のポイント

12 クリップを使い、小さな被写体を斜めにセットする/耐震マットで小物を吊して撮影

13 指輪の背景にシルバーマットを使う/ビーズクッションを背景として利用

14 スープの具材を液面に並べる/被写体を傾け真俯瞰のアングルをつくる

15 テーブル面に映る壁の白かぶりを抑える

16 鏡面の被写体は シルバーペーパーを床背景に使う

17 「注ぎカット」は撮影時の傾きで印象を変える

18 スケールダウンした 風景を 被写体に映し込む

19 ライティングで浮遊感を出すアイデア


特集「LEDライト最新活用術」&別冊付録「CM・映像 キャメラマン&ライトマンファイル 2026」。

巻頭特集ではフォトグラファー福岡秀敏が俳優・田中麗奈をLEDで撮り下ろし。さらに倭田宏樹、森山将人、川村将貴、須藤絢乃による現場事例や機材検証を通して、LEDライティングの実践的な活用方法を解説。「Aputure LED 4機種 実践検証」ではCOB型、パネル型、スポット型、ストリップ型という異なる光源を用い、静物撮影で検証。光の質や質感表現の違いを比較しながら、LEDライトの特性を具体的に探る。撮影と解説は中村雅也氏が担当した。

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