【撮影素材からハイライトを拾い合成する】
被写体と同じ(または近い)素材を撮影して、Photoshopでハイライト部分を拾い、
白黒のハイライト用マスクを作れば、素材本来のツヤ感で瑞々しさを感じさせられる。
また光沢のある黒の塩化ビニール板を変形させてシワを作り、
ハイライト素材として撮影すれば、背景などの素材として使うこともできます。

ファンデーションの撮影。
商品を並べ120cmと60cmのバーライト2灯で撮影した写真。
黒い容器のシャープなハイライトはライティングで入れているが、
ファンデーション面のハイライトは合成で入れた。

ファンデーションをかき混ぜたもの。
何パターンか撮影し、実際のライトの方向と合わせて合成。
(かき混ぜていない)ファンデーションの、平らな面にのせても違和感は出ない。

背景に光沢のある布でドレープを作り、
メインの被写体と合わせて一発で撮影するのは大変。
ライティングも複雑になる。また布の目が見えてしまうと、
被写体とのスケール感にも違和感が生じる。
上の作例はゴルフクラブを別撮りして背景と合成したが、
背景はツヤのある黒い塩化ビニール板を撮影して作ったもの。
布のドレープに見えるように塩ビ板を
プラジェット(プラスチック用熱風加工機)で変形(熱湯でも変形可能)。
それをライティングして、ハイライトを拾っている。
後のせのハイライトなので、色やサイズなども自由に変えることができる。
黒川隆広
くろかわ・たかひろ/amanaにて、30年間、商品撮影を中心に活動。2016年退社後、アライアンス社員として連携。現在は大手ECサイト商品撮影講座講師、写真の学校特別講師他、セミナー、イベントなどで写真の学びの場を提供。プロからアマチュアまで、また企業から個人向けまで、プライベートレッスンも受け付けています。
kuro1868@icloud.com
LINE ID:kuro390714
黒川隆広「商品撮影」基礎レッスン ReEdit バックナンバー 一覧
04 円形のカラーサンプル撮影方法/同じ形の「こぼれカット」を撮る
10 ライティングが上達するコツはモノクロで確認すること/写真を見るときの背景色に注意
12 クリップを使い、小さな被写体を斜めにセットする/耐震マットで小物を吊して撮影
13 指輪の背景にシルバーマットを使う/ビーズクッションを背景として利用
14 スープの具材を液面に並べる/被写体を傾け真俯瞰のアングルをつくる

コマーシャル・フォト 2025年5月号
【特集①】
「ソニーα1 II×映画『SUNA』スチル&ムービーシューティング」
2025年5月公開を控える加藤シゲアキ監督映画「SUNA」。スチル・ムービーの撮影に使用されたソニーα1 IIの高画素、高感度耐性、AF性能を遺憾なく発揮した現場からレポート。(撮影:末長 真)
W主演を務める加藤シゲアキ・正門良規(A ぇ! group)がカバー&巻頭を飾る。
【特集②】
「フォトグラファーを目指す人のためのQ&A特集」
プロフォトグラファーがフォトグラファーを目指す人の素朴な疑問に答えます。撮影機材、仕事方法、ライフスタイルなどプロへの道を解説!
回答者:小暮和音/瀧本幹也/長山一樹/南雲暁彦/吉田明広/李 有珍
【連載】
長山一樹流 違いを生むコマーシャル・ポートレイト
「 ポートレイトisブラックアンドホワイト」
Create My Book -自分らしいポートフォリオブックを作る-
Vol.9 「風景写真」 金村美玖
ほか