黒川隆広「商品撮影」基礎レッスン ReEdit 12

クリップを使い、
小さな被写体を斜めにセットする

小さな被写体に角度を付けて撮影台に置きたい時、
クリップを使うと角度を自在に調整できて便利。
ダブルクリップは銀の持ち手部分の開きで角度を調整。
ゼムクリップは折り曲げて角度を調整します。
ダブルクリップは両方の持ち手に小さな耐震ジェルマットを貼り、
撮影台と商品を固定。練りゴムなどを挟んで持ち手の角度を調整する。

ゼムクリップは折り曲げて、商品、撮影台に両面テープで固定。




耐震マットで小物を吊して撮影

イヤリングのような被写体は、置き撮りでは「ぶら下がり感」が表現しにくい。
そこで耐震ジェルマットに被写体を貼り付けて撮影します。
用意するのは、アールの付いた透明アクリルフォトスタンドと、同じく透明の耐震ジェルマット。
アクリルフォトスタンドに耐震マットを貼った状態。
耐震ジェルマットは両面に粘着力があり、被写体を固定しやすい。
このピアスは通常の置き方にすると「ぶら下がり感」を出すのがやや難しかったので、
逆さで固定してぶら下げた印象に。ライティングも下からのライトをメインにして、
最終的に天地を逆にした時に、仕上がりが自然に見えるようにした。





黒川隆広
くろかわ・たかひろ/amanaにて、30年間、商品撮影を中心に活動。2016年退社後、アライアンス社員として連携。現在は大手ECサイト商品撮影講座講師、写真の学校特別講師他、セミナー、イベントなどで写真の学びの場を提供。プロからアマチュアまで、また企業から個人向けまで、プライベートレッスンも受け付けています。
kuro1868@icloud.com
LINE ID:kuro390714


黒川隆広「商品撮影」基礎レッスン ReEdit バックナンバー 一覧

01 ワインボトル撮影のポイントとアイデア

02 スプラッシュの合成用素材は水に墨を混ぜる

03 缶を水に落とす時の隠し技

04 円形のカラーサンプル撮影方法/同じ形の「こぼれカット」を撮る

05 ハーフミラーによる反射物の平面撮影

06 ペーパーを丸めて背景を暗くおとす

07 ハイライトの「後のせ」合成

08 撮影素材からハイライトを拾い合成する

09 骨白アクリルの背景で影に色をつける

10 ライティングが上達するコツはモノクロで確認すること/写真を見るときの背景色に注意

11 黒バックで商品を浮かせて撮る時のポイント

12 クリップを使い、小さな被写体を斜めにセットする/耐震マットで小物を吊して撮影

13 指輪の背景にシルバーマットを使う/ビーズクッションを背景として利用

14 スープの具材を液面に並べる/被写体を傾け真俯瞰のアングルをつくる

15 テーブル面に映る壁の白かぶりを抑える

16 鏡面の被写体は シルバーペーパーを床背景に使う

17 「注ぎカット」は撮影時の傾きで印象を変える

18 スケールダウンした 風景を 被写体に映し込む

19 ライティングで浮遊感を出すアイデア

コマーシャル・フォト 2025年1月号

特集】フォトグラファーたちの これまでとこれから
2024年もそろそろ終盤。フォトグラファーたちが2024年に発表した作品や仕事、取り組みを作品とインタビューとともに掲載。それぞれの写真観や作品制作、仕事についてなどたっぷりと語ってもらった。
ソン・シヨン、𠮷田多麻希、濱田英明、金本凜太朗、服部恭平

FEATURE 01  薄井一議「Showa99 / 昭和99年」
FEATURE 02  金澤正人「KANA Kana Kitty」

【好評連載】
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  Vol.5 「みくふぉと」 金村美玖

■ニッポンフォトグラファー探訪 Vol.08
 長野の森で過ごしながら、日常の視点で撮り続ける  砺波周平

■写真を楽しむスペシャリストたち 中野敬久