黒川隆広「商品撮影」基礎レッスン ReEdit 18

スケールダウンした
風景を 被写体に映し込む

時計やボトルのガラス面に風景を映し込むことで、
ロケで撮影したようなイメージを作ることができます。

昔は、風景写真を8×10の大判ポジフィルムにデュープ(転写)して

ディフューザーの前に貼ったり、さらに大がかりなものでは
スタジオの白ホリに投射して背景を合成しましたが、
現在はプロジェクターでデジタルフォトイメージを投影することも簡単です。

小さな被写体ならば、タブレットに画像(風景写真など)を表示して、

映り込みをつくることもできます。

タブレットを使いスケールダウンした風景を映し込む

時計のガラス面と床背景に夕景を映し込んだ作例。写真下がその撮影の様子。
TIPS 32で紹介した五條製紙のスペシャリティーズペーパー「No.381」に時計を置き、
左右にレフとして銀ペーパー(同「No.210」)を立てて、iPadで風景を映し込んでいる。
右からLEDペンライト(金色の筒)で、iPadの白いフレームに光をあて、
反射した光でベゼル右側の明るいハイライトを作っている。

風景写真素材協力:KYON.J
iPadの表示画像を変えれば、様々なバリエーションが可能。
風景ではなく白黒のハイライト素材を映し込んだ作例。
ガラス面の丸みを感じさせる。



フィルム撮影時代の作例

8×10ポジをスタジオの白ホリゾントに映写。青空背景を作り、瓶の中にも空を映し込ませている。









黒川隆広
くろかわ・たかひろ/amanaにて、30年間、商品撮影を中心に活動。2016年退社後、アライアンス社員として連携。現在は大手ECサイト商品撮影講座講師、写真の学校特別講師他、セミナー、イベントなどで写真の学びの場を提供。プロからアマチュアまで、また企業から個人向けまで、プライベートレッスンも受け付けています。
kuro1868@icloud.com
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黒川隆広「商品撮影」基礎レッスン ReEdit バックナンバー 一覧

01 ワインボトル撮影のポイントとアイデア

02 スプラッシュの合成用素材は水に墨を混ぜる

03 缶を水に落とす時の隠し技

04 円形のカラーサンプル撮影方法/同じ形の「こぼれカット」を撮る

05 ハーフミラーによる反射物の平面撮影

06 ペーパーを丸めて背景を暗くおとす

07 ハイライトの「後のせ」合成

08 撮影素材からハイライトを拾い合成する

09 骨白アクリルの背景で影に色をつける

10 ライティングが上達するコツはモノクロで確認すること/写真を見るときの背景色に注意

11 黒バックで商品を浮かせて撮る時のポイント

12 クリップを使い、小さな被写体を斜めにセットする/耐震マットで小物を吊して撮影

13 指輪の背景にシルバーマットを使う/ビーズクッションを背景として利用

14 スープの具材を液面に並べる/被写体を傾け真俯瞰のアングルをつくる

15 テーブル面に映る壁の白かぶりを抑える

16 鏡面の被写体は シルバーペーパーを床背景に使う

17 「注ぎカット」は撮影時の傾きで印象を変える

18 スケールダウンした 風景を 被写体に映し込む

19 ライティングで浮遊感を出すアイデア

コマーシャル・フォト 2025年1月号

特集】フォトグラファーたちの これまでとこれから
2024年もそろそろ終盤。フォトグラファーたちが2024年に発表した作品や仕事、取り組みを作品とインタビューとともに掲載。それぞれの写真観や作品制作、仕事についてなどたっぷりと語ってもらった。
ソン・シヨン、𠮷田多麻希、濱田英明、金本凜太朗、服部恭平

FEATURE 01  薄井一議「Showa99 / 昭和99年」
FEATURE 02  金澤正人「KANA Kana Kitty」

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■ニッポンフォトグラファー探訪 Vol.08
 長野の森で過ごしながら、日常の視点で撮り続ける  砺波周平

■写真を楽しむスペシャリストたち 中野敬久