黒川隆広「商品撮影」基礎レッスン ReEdit 19

ライティングで浮遊感を出すアイデア

高さ15cmほどのクリスタルの置物を一発撮り。
宙に浮いているように見えますが、テグスで吊った訳でも、

後からPhotoshopで合成した訳でもありません。
クリスタルは撮影台の乳白アクリルボード上に直置きしています。

ポイントは下からの透過光で作った被写体の影。
乳白アクリルボード上の被写体は下から透過光を入れているため影は出ませんが、

アクリルボードの裏に、丸く切った黒い紙を輪にしたセロテープで留めて
フェイクの影を作ると、このように浮遊感のあるイメージが作れます。


クリスタルの置物は乳白アクリルボードAの上に直置き。
乳白アクリルボードは被写体が映り込まないようにマット面を上にしている。

乳白アクリルボートBをアーチ状に湾曲させ、被写体を覆うようにセット。
その上からライト❶❷を打つ。

黒ペーパーはBのアーチに合わせてカット。
ライト❶❷の光が背景に影響しないようにしている。

ライト❸はポリカラー(舞台照明用カラーフィルター)をつけて、背景に色を入れた。
ライト❹❺で下からの透過光を入れる。ライト❹にはポリカラーをつけている。

乳白アクリルボードAの裏側に、丸く切った黒紙を貼って影を作ることで被写体が浮いて見える。
その際、セロテープで輪を作り、ボードと黒紙との間を空けることで、自然な影ができる。








黒川隆広
くろかわ・たかひろ/amanaにて、30年間、商品撮影を中心に活動。2016年退社後、アライアンス社員として連携。現在は大手ECサイト商品撮影講座講師、写真の学校特別講師他、セミナー、イベントなどで写真の学びの場を提供。プロからアマチュアまで、また企業から個人向けまで、プライベートレッスンも受け付けています。
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LINE ID:kuro390714

黒川隆広「商品撮影」基礎レッスン ReEdit バックナンバー 一覧

01 ワインボトル撮影のポイントとアイデア

02 スプラッシュの合成用素材は水に墨を混ぜる

03 缶を水に落とす時の隠し技

04 円形のカラーサンプル撮影方法/同じ形の「こぼれカット」を撮る

05 ハーフミラーによる反射物の平面撮影

06 ペーパーを丸めて背景を暗くおとす

07 ハイライトの「後のせ」合成

08 撮影素材からハイライトを拾い合成する

09 骨白アクリルの背景で影に色をつける

10 ライティングが上達するコツはモノクロで確認すること/写真を見るときの背景色に注意

11 黒バックで商品を浮かせて撮る時のポイント

12 クリップを使い、小さな被写体を斜めにセットする/耐震マットで小物を吊して撮影

13 指輪の背景にシルバーマットを使う/ビーズクッションを背景として利用

14 スープの具材を液面に並べる/被写体を傾け真俯瞰のアングルをつくる

15 テーブル面に映る壁の白かぶりを抑える

16 鏡面の被写体は シルバーペーパーを床背景に使う

17 「注ぎカット」は撮影時の傾きで印象を変える

18 スケールダウンした 風景を 被写体に映し込む

19 ライティングで浮遊感を出すアイデア



コマーシャル・フォト 2025年1月号

特集】フォトグラファーたちの これまでとこれから
2024年もそろそろ終盤。フォトグラファーたちが2024年に発表した作品や仕事、取り組みを作品とインタビューとともに掲載。それぞれの写真観や作品制作、仕事についてなどたっぷりと語ってもらった。
ソン・シヨン、𠮷田多麻希、濱田英明、金本凜太朗、服部恭平

FEATURE 01  薄井一議「Showa99 / 昭和99年」
FEATURE 02  金澤正人「KANA Kana Kitty」

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■ニッポンフォトグラファー探訪 Vol.08
 長野の森で過ごしながら、日常の視点で撮り続ける  砺波周平

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