黒川隆広「商品撮影」基礎レッスン ReEdit 04

円形のカラーサンプル撮影方法】 

ネイルカラーなどのカラーサンプルを、
ハイライトの入った立体的な写真で撮る方法。
これまでは平らな面に垂らして切り抜きで丸く形を整えていたが、

液体の表面張力を利用し、細い円柱アクリルの上に液体を垂らして撮影してみました。
この方法ならいくつものカラーサンプルを撮影する場合も、

同じサイズの円形サンプルが簡単に撮影可能。
ツメと同サイズの直径の円柱を使うことで、

ラメ感なども実際にツメに塗った状態を正確に再現できます。
透明素材も撮影可能です。
ツメと同じくらいのサイズの直径を持つアクリル円柱を用意。
ネイルカラーを慎重に垂らすと、粘度のある液体の表面張力でフチからこぼれずに、
正確な円の形になる。複数のネイルカラーも同じセットで撮影すれば、同じ形、
同じサイズ、同じ位置にハイライトを入れて仕上げることが可能。
アクリル円柱は透明ガラスの上に置き、乳白アクリルを20cmくらい離して重ね、
下から光を入れて背景を飛ばしている。




同じ形の「こぼれカット」を撮る

テーブルにこぼしたような液体を自由な形で撮りたい場合、
透明なガラスやアクリル板にサンドブラストなどで浅く型を彫り、
液体を流し込みます。
表面張力で液体が盛り上がるように流し込めば、

立体感のある「こぼれカット」が撮れます。
透明の液体は彫り跡が透けてしまうので、

アクリル板をレーザーなどで型抜きして、下にもう1枚アクリル板を重ねます。
型を使って撮影した液体の「こぼれカット」。
ガラスや透明アクリルにサンドブラスト、レーザーカットで型を彫る。
専門の業者に依頼するのが簡単。








黒川隆広
くろかわ・たかひろ/amanaにて、30年間、商品撮影を中心に活動。2016年退社後、アライアンス社員として連携。現在は大手ECサイト商品撮影講座講師、写真の学校特別講師他、セミナー、イベントなどで写真の学びの場を提供。プロからアマチュアまで、また企業から個人向けまで、プライベートレッスンも受け付けています。
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黒川隆広「商品撮影」基礎レッスン ReEdit バックナンバー 一覧

01 ワインボトル撮影のポイントとアイデア

02 スプラッシュの合成用素材は水に墨を混ぜる

03 缶を水に落とす時の隠し技

04 円形のカラーサンプル撮影方法/同じ形の「こぼれカット」を撮る

05 ハーフミラーによる反射物の平面撮影

06 ペーパーを丸めて背景を暗くおとす

07 ハイライトの「後のせ」合成

08 撮影素材からハイライトを拾い合成する

09 骨白アクリルの背景で影に色をつける

10 ライティングが上達するコツはモノクロで確認すること/写真を見るときの背景色に注意

11 黒バックで商品を浮かせて撮る時のポイント

12 クリップを使い、小さな被写体を斜めにセットする/耐震マットで小物を吊して撮影

13 指輪の背景にシルバーマットを使う/ビーズクッションを背景として利用

14 スープの具材を液面に並べる/被写体を傾け真俯瞰のアングルをつくる

15 テーブル面に映る壁の白かぶりを抑える

16 鏡面の被写体は シルバーペーパーを床背景に使う

17 「注ぎカット」は撮影時の傾きで印象を変える

18 スケールダウンした 風景を 被写体に映し込む

19 ライティングで浮遊感を出すアイデア



コマーシャル・フォト 2024年10月号

■特集「令和の時代に、フィルムで写真を撮るということ。」
写真家・石田真澄がフィルムを使い、ハウススタジオやフェリー、海辺で自然体の齋藤飛鳥を11Pにわたって撮り下ろした。また、これまで石田が積み重ねてきた仕事の数々から一部を抜粋して紹介する。

また、中森 真、大野隼男、木村和平、竹中祥平、三部正博という5人のフォトグラファーがフィルムを使って撮影した仕事例、作品を紹介。フィルム撮影に関する考え、使用機材やよく利用する現像所などを伺った。

■連載「撮影を楽しむスペシャリストたち」
写真業界には数多くの撮影ジャンルがあり、それぞれの分野で活躍するスペシャリストたちがいる。この連載では、フォトグラファー中野敬久氏が毎回気になるスペシャリストにインタビューを行ない、その分野ならでは魅力や、撮影への向き合い方を聞くことで、“撮影を楽しむ”ためのヒントを探っていく。今回のゲストは新津保建秀氏。

■連載「GLAY CREATIVE COLLECTION 2024- VOL.03」
GLAY 30年間のクリエイティブを網羅した書籍「GLAY CREATIVE COLLECTION 1994-2024」が好評につき連載化!今回紹介するのは9月18日発売の「GLAY 30th Anniversary GLAY EXPO 2024-2025 in BELLUNA DOME Blu-ray & DVD」のアートワーク。アートディレクターの吉野晋弥氏、フォトグラファーの岡田祐介・田辺佳子氏に取材した。