CINEMA EOS SYSTEM

EOS-1D C制作事例「FLAME FRAME」

『FLAME FRAME』

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キヤノンギャラリー銀座での展覧会には、写真や映像関係者などを中心に約3,900人の来場者が訪れた。4Kムービーから抜き出された静止画作品はキヤノンのPIXUS PRO100でプリント。映像はキヤノンが開発中の30型4Kディスプレイ2台を使って、常時4K出力による上映が行なわれた。

img_products_eos1dc02_03.jpg 制作=(株)CINEMAFORCE Pr+Dir+DP=貫井勇志 AP=貫井枝里 制作=松永勉 助監督=水島貞之 制作助手=山口義行 撮影助手+セカンドカメラ=安本奈緒子 カメラテクニシャン+スタビライズOP=岡英史 撮影助手=椛島秦資 特機OP=水島陽介・鈴木英士 T=高田有紗・尚玄 ST=石野美穂 衣装アシスタント=田中祥子・山本佳織 HM=中林希美子 HMアシスタント=岡崎翔 AD=高橋謙一 グラフィックデザイナー=渡邉真介 小道具=臼田三良・山田瑠里子 映像設計=堀進太郎 モーションデザイナー=下山敦 ビジュアル・テクノロジスト=矢部一芽

4Kスタイルで撮影したショートラブストーリー

4K(4096×2160)動画をカメラ本体内で記録でき、またスチルカメラとしてもEOS-1D Xとほぼ同等の機能を持つ、CINEMA EOS SYSTEMのデジタル一眼レフタイプカメラ「EOS-1D C」。昨年末に発売され、まだリリース間もないこの時期に、EOS-1D Cで全カット撮影された、4K動画と静止画によるギャラリー展示作品『FLAME FRAME(フレーム・フレーム)』が完成、キヤノンギャラリー銀座で2月に展示公開された。

この作品を手がけたのは映像作家でフォトグラファーの貫井勇志氏。長くアメリカでプロフォトグラファーとして活躍、2001年に帰国後は一転して映像作家となり、自らが撮影・監督を務めたインディペンデント映画を制作。低予算ながらもハリウッドスタイルで制作した作品は海外の映画祭でも高い評価を得ている。またフォトグラファーとしては、世界遺産撮影において1日24時間の中で変幻してゆく景色を数日にわたり定点撮影する作品で、幅広い層から人気を集めている。

貫井氏曰く「久しぶりに自分で所有したいと思ったカメラだ」というEOS-1D Cを使って、『FLAME FRAME』ではまず動画撮影で新たに4Kという領域に挑戦。さらに動画の1コマを抜き出し、静止画としてもその独特の世界観を保ちながら、感動を与えるクオリティを生み出している。

Interview 貫井勇志(監督・撮影)

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ぬくい・ゆうじ
1964年 東京生まれ。東京綜合写真専門学校を経て単身渡米、86年からロサンゼルスを拠点に米国でプロフォトグラファーとしてのキャリアをスタート。01年に帰国、スチルとムービーを分け隔てなく手がける“映像作家”として活動開始。DVカメラで撮影した映画『血族』が海外の映画祭で高評価。07年、自身の映像制作会社 (株)CINEMAFORCE(シネマフォース)を設立、08年から世界遺産の24時間を同一ポイントから定点撮影する企画をスタート。2010年には初の個展となる「世界遺産−時と光の深層 VOL.1」開催。

EOS-1D Cは様々なレンズの
微妙な味わいの違いを表現でき、
4Kムービー撮影可能な待望のカメラ

──『FLAME FRAME』はどんな作品?

貫井 モデルの男と女子大生という、実際の出演者そのままのシチュエーションを活かして、2人の初デートまでの日常と、どんなデートになるかを想像する互いの妄想、この2つの描写が交錯するショートラブストーリーです。妄想シーンはかなり演出された世界で、セットや美術なども含めて映画的に作り込んでいます。逆に現実のシーンではドキュメンタリー風な撮影で動きのある日常感を演出してみました。その両方のシーンを4Kという高画質とデジタル一眼レフサイズの機動性が共存する、EOS-1DCだけで撮れたことは作品づくりの上でとても有効でした。展示形式は約5分の4Kディスプレイによる動画上映と、そこから抜き出した静止画20点を展示しています。ムービー撮影は今回すべてCanon Logで撮影、DaVinci Resolveでカラーグレーディングしています。静止画はコマを抜き出した後、それぞれに画像処理を施しています。

───4K撮影を通してわかったことは?

貫井 今回、4Kということをかなり意識し、細部まで綿密に設計した画づくりを考えていました。仮に劇場の大スクリーンで上映した場合、これまで見えなかった世界も4Kなら見えて来る。撮影を進めるうちにそこが解って来ると、よりダイナミックな映像を撮影したいという欲求にかられ、モノクロの妄想部分のカットではその辺りを意識しています。また4Kではデザイン的なバランスという面でも様々な発見がありました。それは例えば、紙の質にこだわって印刷することにも似ているかもしれません。インクの滲む紙(=従来のHD)に細い線を書いても輪郭はぼやけてしまいますが、インクがクリアに載る紙(=4K)に細い線を描けば、見え方も大きく異なり、デザインも変化する…4K撮影はそんな感覚に似ています。これまで撮れなかったものが映り、味わったことのない映像として見えるようになると、構図やレンズを選ぶ幅も大きく変わると感じたので、プリプロダクションの段階から使用するレンズと構図を想像しながら設計図を描きました。

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──EOS-1D Cはどんなカメラですか。

貫井 様々なものが時代とともにその尺度を増してきましたが、4KもこれまでHDの画面設計のままで撮影したのでは、作品を成立させることはできないと思います。だから撮る側も4Kを撮るという習熟度を上げる必要がある。 今回も1D Cだからこそ様々な4K撮影に挑戦できました。手軽さと機動性、さらにEF/EFシネマレンズ等の豊富さという点でも1D Cは、今後の高画質化時代に向けた、最高の“4K入門カメラ”と言えるでしょう。

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『FLAME FRAME』メイキング
ムービーは5分の作品で撮影日数は5日間。のべ十数カ所のロケ地では場面ごとにレンズや特機などを頻繁に交換するため、様々なシチュエーションでの撮影にも1D Cの筐体サイズとその機動性が威力を発揮。EFレンズ10種、EFシネマレンズ単焦点3種のレンズが使用されている。


取材:石川幸宏

協力:キヤノン(株)・キヤノンマーケティングジャパン(株)
CINEMA EOS SYSTEM ホームページ canon.jp/cinema-eos


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