CINEMA EOS SYSTEM

EOS C700制作事例「rhythm zone  EXILE TAKAHIRO "Irish Blue"」「京都・三千院界隈の紅葉」

映像作家の中野裕之監督がEOS C700でMVと京都・三千院界隈の紅葉を撮影している。撮影、演出、そして編集までこなす中野監督。これまでEOS C300、EOS C300 Mark IIで映像作品を手掛ける監督の目にEOS C700はどう映ったのか。それぞれの事例と共に紹介していく。

黒バックに黒い服など困難な現場にEOS C700で挑む

rhythm zone  EXILE TAKAHIRO「Irish Blue」

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制作=ダンスノットアクト Pr=石原裕久 PM=吉﨑史華 Dir+P=中野裕之 L=堀之内徹 DIT=佐藤亨 A=古本衛 ED=家元・野口達弘

EXILE TAKAHIROが12月6日発売のミニアルバム「All-The-Time Memories」の収録曲「Irish Blue」。TAKAHIROが青年時代からリスペクトするGLAYのTAKUROが書き下ろした楽曲で、壮大なスケールを持つ歌詞の世界観と極上のメロディが絡み合う、キャッチーで爽快なロックチューン。アートで幻想的な世界観で作品を構成したいという想いからGLAYのMVを手掛ける中野監督が制作する。

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グローバルシャッター搭載モデルのEOS C700 GS PLを使用。曲名にもなっている「Irish Blue」のブルーの世界をキービジュアルに、月明りや水しぶきなど、様々なブルーの表現に挑戦。今までのしっとり聴かせるTAKAHIROのイメージを活かしつつ、スピード感のある映像に仕上げた。

肉眼では暗くて見えづらいものもカメラを通すと明るく見えていました

佐藤 亨(DIT)

このMV撮影ではCanon Log 3で外部レコーダーを使わずカメラ内部で収録しました。今回は深度浅めのPLレンズを使っていたので、レンズのイメージサイズをフルで使うために4Kで撮っています。この映像にプロジェクションの映像、水滴や雨粒、粉など、様々なレイヤーを中野さんがトッピングしています。EOS C700は感度3200のような暗い世界観を狙っているのでライト自体も焚かない現場でしたが、ノイズもなく収録できました。肉眼では暗くて見えづらいものもカメラを通すと2段ぐらい明るく見えていましたし、その中で明るさをチョイスできるのは使いやすいなと思いました。明るい時にはNDフィルターで調整できますから。

スタッフとしてはカードトラブルの圧倒的に少ない、CFastが使えるようになったのはものすごく大きいし、安心感があります。このEOS C700をメイン機にしてEOS C300 Mark IIなどとマルチカメラのワークフローもできますし、いろんな撮影現場で導入してもらいたいカメラだと思います。

Interview 中野裕之(映像作家)

img_products_eosC700_nakano_05.jpg なかの・ひろゆき
映像作家・映画監督
2013年 FLYING BODIES 青森大学男子新体操、2014年 FOOL COOL ROCK! ONE OK ROCK documentary filmなどのほか日本の魅力を伝える映像詩を制作中。
www.peacedelic.jp/

EOS C700は階調をいじってもバグらない色表現に優れたカメラですね

──今までのTAKAHIROさんのMVとはかなり違うイメージですね。

中野 GLAYのキャッチーでありながらロック部分をイメージして、TAKAHIROさんがTAKUROさんに頼んでできた楽曲なので、ギターを弾いているTAKAHIROさんの姿がどうしても見たくて「せっかくのチャ ンスだし、ロックしましょうよ」とお願いしました。

──楽曲の世界観を決めて素材を綺麗に撮りたい。そういう現場でEOS C700を使ってみた印象はいかがでしたか。

中野 EOS C700は無垢の木のように、見たままの色を捉えてくれる。作り込んでいくときにノイズがのらずに撮れるのでプロの御用達として申し分のないカメラです。

──黒バックに黒い髪で黒い服の人でも美しく表現されていました。

中野 黒バックは絵としては地味ですが真っ黒ではなくするためにそういう低反射率の素材を使った背景を作ってもらいました。

EOS C700は階調をどういじってもバグらないし、素材の素質としてはノイズもなく色表現に優れてます。

──ブルーの映像にこだわりを感じます。

中野 アイリッシュブルーはアイルランドの青って事ですけど、青には色んな青がありますからね。TAKAHIROさんは明るくて曲も明るいので、ビート中心に青色を決めていきました。


京都・三千院界隈の紅葉をEOS C700で撮影した

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EOS C700は絵作りに適しているのでプロの現場でもっと使って欲しい

──中野裕之監督は春夏秋冬の旬な時期に京都の様々な神社仏閣の名所を1年かけて撮影しています。ここに紹介したものはEOS C700(EFマウント)で京都・大原三千院界隈の紅葉を撮影したものです。実際どのように撮影しているのでしょうか。

中野 紅葉の撮影は許可が下りるのが朝の7時以降なので、拝観してからだといい光が20分くらいしかない。しかも、木漏れ日が入っていて微妙なコントラストのある場所が多いので、もし上手くいかなかったらもう一年待たなければならない、緊張感のある撮影です。EOS C700には期待していました。

──中野監督はCINEMA EOSで様々な撮影を行なっています。今回はCanon Log 3で収録しているのですね。

中野 EOS C700はスタジオでライトを当てて、絞るとピカピカの映像が撮れますし、低照度であってもしっかり表現できています。Canon Log 3には色もコントラストもないのでそこからカラコレで追い込むのに苦労しました。見たままの色というのはその時に撮っておかないとわからなくて編集室では記憶で覚えた色を制作することになっちゃうので、DSLRやスマホでも撮っておいて、3つの色情報からカラコレして実際の色に近づけていきました。

DITがいなくて自分ですべてやらなければならない現場では欲しい絵に持っていくのにものすごい試練がありましたね。

ただ、階調もあとで自由自在にできる。赤色とオレンジの近似色もカラコレ時に使い分けられるカラコレ幅がある。Canon Log 3を使ってみて、そこが一番「EOS C700で撮っていて良かったな」と思った瞬間でした。

今回は撮れなかったんですけど、真昼の嵐山で光が当たっている場所とシャドーの強い場所がワンフレームの中にあって、色表現が難しいんですね。こういう条件の時にCanon Log 3で撮ってカラコレ時にどこまで色が残っているのかを確かめてみたいですね。

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──EOS C700 GS PLとEOS C700(EFマウント)の両方で撮影・監督・編集しました。EOS C700はどんなカメラだと考えていますか。

中野 本来は撮影部4人体制で作っていくようなシネマカメラだと思います。リグもカスタマイズしやすいし、取り回しもいいですね。パネル表示もわかりやすいので助手とかスタッフにも評判がいいです。

4Kでノイズがのらず、使いやすいのは驚異的です。しかも制作チームが見積もりを取ればすぐわかることだけど、コストパフォーマンスもいい。絵作りに適しているので、これから日本の映画やテレビCM、MVなどプロの現場でもっと使って欲しいカメラですね。これ以上改良するところもないぐらい。

要望としてはゆくゆくは6Kなど高解像度にしてもらいたい。4.6Kでもいいんです。撮っているときにCMや映画ならワンカットのフレーミングに関して完璧にこだわれるんですけど、それ以外の用途、ライブの収録とかスポーツとか動物や鳥とか、突発的な出来事に対応しなきゃならないとか、後処理でのトリミングが求められる映像も増えているので、そういう意味でもオーバースペックの方がいいです。

──解像度以外に要望はありますか。

中野 自社開発でロングルーペを作って欲しいですね。映画の現場だと三脚で撮ることは少なくてパンサーかドリーかクレーンに載っているのが当たり前です。ロングルーペがあれば世界中の映画の現場で使われるんじゃないかと思いますよ。


協力:キヤノン(株)/キヤノンマーケティングジャパン(株)
CINEMA EOS SYSTEM ホームページ canon.jp/cinema-eos

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