2015年01月07日
資生堂 プロモーション映像
女性の肌のトーンを美しく描写するC500の表現力
今回紹介するのは資生堂が欧米向けのグローバル対応商品のプロモーションとして制作した映像だ。資生堂がこれからワールドワイドで発信して行こうという商品、ブランドのイメージを訴求していく重要な映像だけに、見る者を惹きつける美しさ、そして繊細な描写力が求められてくる。
また、今回の設定は黒バック、白バックのシンプルな背景だけに肌のトーンの美しさが機材選択の決め手になってくる。
国内外の様々な映像制作事情を幅広く熟知する撮影スーパーバイザーの鈴木孝俊さん。自ら映像作品の撮影・ディレクションをするだけでなく、EOS 5D Markllの登場時からフォトグラファーの金澤正人さんとも組んで資生堂のCMやWebムービーを撮影してきた。そんな2人が今回選んだのがEOS C500だ。
機材選択の決め手はどこにあったのか。そして実際の映像をどう感じたのか。画にこだわる2人に聞いた。
Interview 金澤正人×鈴木孝俊
資生堂宣伝・デザイン部フォトグラファー。女優・タレントから商品撮影まで、資生堂の広告写真を多数手がけている。
p.fileweb.jp/kanazawamasato/
すずき・たかとし(右)
株式会社IMAGICAを経て、2007年フォトグラファーとして独立。現在は、ディレクター・オブ・フォトグラフィ、テクニカル・スーパーバイザー、カラリストとしても数多くの写真・映像を手がけている。
ビューティのスキントーンとしては
期待以上の描写力がありました
──鈴木さんと金澤さんはムービー撮影で一緒に仕事をすることが多いのですね。
金澤 これまでのスチルでの撮影経験を生かしながら、基本的な画のトーンを決定しています。鈴木さんには、ムービーでどう見せるべきかという具体的なテクニックをアドバイスいただき、納得のいく映像を作ってきました。
鈴木 ご一緒させていただく前から金澤さんの写真の大ファンでもあったのですが、その金澤さんの写真の世界観を映像に落とし込むお手伝いをさせていただけて、とても嬉しくやりがいを感じています。
───今回、C500で撮ろうという決め手はなんだったのでしょうか。
金澤 C500なら普段スチル撮影で使っているEFレンズの資産を活かせますし、画角なり、操作性に関しても違和感がありません。高解像度ながら小型でハンドリングしやすいので選択しました。今回は縦位置でも撮影しています。モデルを立たせたまま横位置で画面に収められました。
鈴木 最も大事だったのは、肌のトーンをいかに美しく階調豊かに見せるかということ。それとエレガントな空気感を表現するのに60pで撮れることも必須でした。C500は12bit / 4:4:4で肌のトーンも美しく撮れるし、外部収録機にKi pro Quadを選択すれば予算も抑えられると、今回の撮影にはまさにうってつけでした。
金澤 鈴木さんはカメラのポテンシャルを知った上で、色の提案をしてくれるので、今回のC500でも「この色が綺麗だ」「この色がいい」と選択しやすかったです。
───C500の描写力はいかがでしたか。
金澤 いわゆるビューティのスキントーンとしては期待以上の描写力がありました。肌のトーンはカラコレでかなり細かい部分まで作り込んでいます。黒バックにした時の肌の色も綺麗だし、白バックでハイライトが飛びそうな所でもトーンが残っているし、想像以上の描写に驚きました。
鈴木 僕は基本的に、現場で行なうカラーグレーディングと本編集のカラーグレーディングは別物だと思っています。現場グレーディングは主にベースのトーンや色味を調整し画の世界観を構築します。この最大のメリットは照明・露出・レンズ&フィルター等と合わせて調整ができることです。
本編集でのグレーディングはすでに撮り終わった撮影素材に対して行なうものですから照明や露出等撮影にかかわる部分の調整はできません。逆にマスクを切って細かい調整ができたり、CGI等の合成後の画に対して最終的な調整を行なえるのがメリットです。
ただ、C500はCanon Logで12bit / 4:4:4で撮れるので、このどちらのカラーグレーディングに対しても非常に有効ですね。トーンの特性も階調豊かでハイライトは粘りますしシャドウ部にもノイズが少ないのでとても調整しやすいです。また、ACES(Academy Color Encoding System)やRec.709等のLUTにも対応していますので、それも大きなアドバンテージですね。
協力:キヤノンマーケティングジャパン(株)
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